logo After THE BARN #2 - From SCRATCH to Silverboy



SCRATCHより親愛なるSilverboyへ 元気にしているかい?

僕が君に最後のツアーレポートを送ってから、早いものでもう半月もの時が経ってしまった。僕らはそれぞれの日常に戻り、The Hobo King Bandもすでに各々の活動へと突入している。昨日は東京のライブハウスで佐橋の新ユニット「SOY」のライブがあった。西本の消息はよく判らないが、小田原は久々にシングルを出して意気盛んな織田哲郎の後ろで相変わらず叩きまくっている。そして来週にはKYONがARBの、井上が辻仁成のバックメンバーとして相次いで渋谷公会堂のステ−ジに立つ予定だ。

君からの長い手紙を読んだ。君が検証しようとしていることに僕がどこまで役立てるか判らないけれど、君が提示したことに対して僕なりに考えたことをいろいろ書いてみようと思う。君の代わりに「THE BARN TOUR」のライブに16回参加したSilverboy Clubのコレスポンデントとしてね。

ただ本題に入る前に、君の手紙の中に記されていた内容について2点ほど確認させてほしいんだ。僕も君も今は決して時間に余裕がある訳ではない。だから話を進める上で最低限の部分だけは認識を統一しておいた方がいいと思う。話が佳境に入ってから前提が違うことに気づくなんて、あんまり賢明とはいえないからね。

まず、もし違っていたなら訂正して欲しいんだけれども、君がくれたメールで言わんとしていることはこういうことなんだよね。
ミュージシャン佐野元春にとっての表現の初期衝動とはいったい何なのか。そしてそれに乗っ取って今回のアルバム、ツアーにおいて「受け継がれたもの」と「更新されたもの」はいったい何であったのか。つまり「THE BARN」アルバム、そして「THE BARN」ツアーはこれまでのアルバムやツアーに対してどういう位置関係に立つのか、そしてそれらはどのように統合されて「次」へ向かって行くのか。
そしてそれを検証するためには「SOMEDAY」「ガラスのジェネレーション」等の「クラシックス」と呼ばれている曲たちが今回のツアーで果たした役割について考察することが非常に有益であり、とりわけツアー開始当初から一貫して演奏され続けていた「Rock & Roll Night」が検証のための大きなキーポイントになるはずだと、君はそう考えているんだね。

次に、君の手紙にでてくる「クラシックス」という言葉について。君は僕がレポートで使った「モトハル・クラシック」という言葉を指しているのだろうと思うけど、この言葉が実際どのへんの曲を意味しているのか、ということについて、ここできちんと線引きをしておきたいんだ。一般にどうか、ということはともかくとして「僕と君の間ではここまで」というラインを決めたい。このことは、今後話を進めていく上で非常に重要なことだと僕は思うんだ。

僕が「モトハル・クラシック」という言葉をレポート上で使っていた時、常に意識していたのは佐野がニューヨークへ渡るよりも前に発表したナンバーだった。具体的にはアルバムでいえば「No Damage」まで、シングルでいうなら「グッドバイからはじめよう」まで。「VISITORS」以降はこのカテゴリーには入らないと僕は解釈している。これについて、君の見解をぜひ聞いておきたい。

もし僕の解釈どおりで良いのなら、今回のツアーで僕が出会った「クラシックス」は以下の6曲だ。
「ガラスのジェネレーション」「君を探している(朝が来るまで)」「SOMEDAY」「DOWN TOWN BOY」「スターダスト・キッズ」そして「Rock & Roll Night」。

ここで迷うのは「悲しきRADIO」を初めとするメドレーナンバーだ。メドレーでワンコーラスずつ演奏されたものを上に挙げた6曲と対等に解釈してよいかどうか。僕は、ワンコーラスずつのメドレーはステージ構成上、フルコーラス演奏された曲とは役割が違うと思っている。だから僕としてはメドレーの各々の曲を上記6曲と対等に扱うことは止めておきたい。だがその場合、メドレーを1曲と解釈するか否か、そしてメドレー中で1曲だけフルコーラス演奏されている「悲しきRADIO」をどうするかという問題が残る。Silverboy、君はどう思う?

君の考えをぜひ聞かせて欲しい。それじゃ。また今度。

SCRATCH



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