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ザルツブルグ、ベルヒテスガーデン、ニュルンベルグ 98年9月18日(金)〜20日(日)

無料券

●長距離の航空券を買うと、距離が余って同じ値段でもう1フライト追加できますよということが発生する。去年日本へ往復したときにそういう理由でつけてもらったデュッセルドルフ−ミュンヘン間のオープン・チケットが11月に期限切れになるので、今回はそれを何とか有効に使おうという旅行であった。
●チケットが片道だけあっても普通は結構処置に困る。行った以上は帰ってこなければならないが、帰りの片道だけチケットを買うと、往復で買うのとほとんど変わらないような値段になってしまうからだ。だから今回は飛行機でミュンヘンまで行き、そこからレンタカーでザルツブルグ、ベルヒテスガーデン、ニュルンベルグをまわってそのままデュッセルドルフまで帰ってくるという日程にしたのであった。
●ミュンヘンが日程に入っていないのは、この時期のミュンヘンはオクトーバー・フェストというビール祭りでホテルがいっぱいだからである。だから2泊目はやむなくニュルンベルグにした訳だ。ミュンヘンはまたゆっくり行ってくることにしよう。

デュッセルドルフ国際空港

●デュッセルドルフ空港は2、3年前に火災があって大きな被害を受けた。何人か死亡者も出た。今も一方で復旧しながら他方で開港しているので、そこかしこで大がかりな工事をしているし、行くたびに通路や施設の配置が大胆に変わっている。いまや到着した人を出迎えに行ってもどのゲートから出てくるか予測不可能で、落ち合うのは無理だというのが定説になっている。
●今回も駐車場からルフトハンザのチェック・イン・カウンターまでの通路が大きく迂回させられていて、チェック・インに間に合わないのではないかとひやひやした。フライト時刻の30分前にカウンターに到着したけど、荷物もちゃんとチェック・インできてよかった。空港には早めに行くようにしよう。
●ちなみに空港の工事は2003年まで続くらしい。

レンタカー

●ミュンヘン空港のエイビスでVWパサートを借りた。いわゆるライトバンである。どうしてドイツで細かい車種を指定せずにクルマを借りるといつもライトバンになるのだろう。まあ、便利だからいいけど。あと、気をつけた方がいいのは細かい車種を指定しないとまず100%マニュアル車が出てくることで、その場でオートマチック車にしてくれと言っても在庫がないことも多い。予約の時にきちんと言っておかなければ。
●あとどうしてレンタカーってどれもこれもアクセルを放したときのエンジンの吹き戻りがあんなに悪いのだろう。例えばロー・ギアで3千回転くらいまであげて、セカンドにつなぐためにアクセルを放しても、エンジンの回転が全然落ちないのである。そのままセカンドにつなぐと、どうやっても軽くエンジン・ブレーキがかかるような、ちょうどオートマチック車のキック・ダウンのような衝撃が残る。
●クラッチも何だかボヨヨンとした感じでなかなかつながらない。でも慣れてくると160〜170kmくらいは無理なく出て、快適なドライブを楽しめた。結局ミュンヘンから国境を越えてザルツブルグ、ベルヒテスガーデン、ニュルンベルグ経由でデュッセルドルフまで、3日間で千km以上走った。あ、エイビスさん、最後はオイル交換の警告灯がついてましたよ。

ザルツブルグ

●ザルツブルグは映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にもなったアルプスのふもとの街である。ザルツァッハ川の岸辺に中世の面影を残す旧市街が広がり、この街並みはユネスコの世界文化遺産にも指定されている。それからモーツァルトが生まれた音楽の街でもあり、毎年夏に行われる音楽祭は有名である(らしい)。
●街の南の山の上には、ホーエンザルツブルグ要塞という城がある。この山にはケーブルカーで登れるが、このケーブルカーが結構すごいスピードで走り出すので注意。登りは単におおっ、という程度だが、下りはかなりのスリルである。この城のテラスからの街の眺めは一見の価値がある。
●あと、モーツァルトといえばまん丸の通称目玉チョコが有名だ。もちろんこの街でもそこらじゅうで売っているのだが、赤いパッケージのどこでも売っているオーソドックスなヤツは、はっきり言って美味しくない。フュルストというお菓子屋さんのオリジナルの目玉チョコ(モーツァルト・クーゲル)が銀色にブルーのプリントのおしゃれな包装で美味しいので、お土産はこれにしよう。だってオーソドックスなヤツは日本でも売ってるでしょ?

ケーニヒス湖

●ドイツの右下の端っこ、盲腸みたいにオーストリアに突きだした部分に、ベルヒテスガーデンという小さな街がある。この街自体もこじんまりとした可愛らしいアルペン街道の街ではある(らしい)が、この街からさらにクルマで5分ほど奥へ行ったところにケーニヒス湖という湖があって、見どころはこちらの方である。
●アルプスの山間にひっそりと澄んだ水をたたえた静かな湖が広がる。土産物屋の建ち並ぶ船着き場から遊覧船に乗ると、船ははるかに雪をいただいたアルプスの山を見ながら、森と切り立った岩の間をゆっくり進んで行く。
●途中で船を止めて、船頭がトランペットの演奏を聴かせるのがポイント。1フレーズ毎に演奏を止めて耳を澄ませると、岩山にこだましたトランペットの音色が、ちょうど掛け合いのように遠くから響いてくる。一通り吹き終えると乗客からは大きな拍手。これはちょっとした見ものである。
●船で渡った先には、聖バルトロメ僧院という赤いタマネギ頭が印象的な建物が、湖沿いに開けた狭い平地に立つ。次の船を待つ以外には帰る術さえなさそうな陸の孤島である。船はさらにもう一つ奥の船着き場まで行くのだが、今回はここまでにした。往復で18マルクは安いと思った。

ケールシュタイン山荘

●さて、ベルヒテスガーデンのもう一つの見どころがこのケールシュタイン山荘。これは海抜1800メートルの山の頂上に、ヒトラーが作らせた山荘である。まずベルヒテスガーデンからクルマで10分ほどのオーバーザルツベルグというところまで一気に登る。ところによってはセカンド・ギアでしかクルマが登らない勾配25%の急坂である。ここからは専用のバスしか立ち入れないのでチケットを買ってバスに乗ることになる。
●バスは20分に1本ほどの間隔で出ている。往復で20マルク。バスは専用の険しい山道をぐいぐい登って行く。関西で言えば六甲か信貴・生駒スカイライン、阪奈道路の東行きのような道である。目もくらむような崖もある。20分ほどでケールシュタインの駐車場に着くので、ここでバスを降り、帰りのバスの時間を登録しておこう。さもないと帰りのバスに乗れないかもしれない。
●登録をすませたら洞窟のような暗い地下道に入って行く。ここから山頂の山荘まではかつて総統専用だった金ぴかのエレベーターで登るのだ。かつてアメリカ軍は第3帝国の本当の司令部がここにあるという情報にこだわり、この地方の爆撃を優先したため、ベルリンへはソ連軍の一番乗りを許したのだとか。エレベーターを登るとそのまま山荘の中に出る。
●山荘の中は今はレストランになっているが、そこここに昔日の面影がしのばれる。ここから本当の山頂へはなだらかな道が通じている。景色も素晴らしい。この景色を十分堪能したり、レストランで食事をしようと思うなら、帰りのバスまでには最低でも30分、せめて1時間は見ておいた方がいいだろう。

ニュルンベルグ

●ニュルンベルグは何といってもソーセージ。ドイツで最も普通に焼いて売られているのは、チュリンガーという直径2センチ、長さ20センチ前後のボリュームのあるソーセージだが、ニュルンベルガー・ソーセージは直径が1センチ強、長さは10センチ程度の可愛らしいもので(日本人の考えるソーセージに近いサイズ)、これを本数単位で注文して食べる。
●この街に着いたのがもう6時だったので、とにかく晩メシということでこのソーセージ専門店に繰り出した。市内にいくつか有名な専門店があるので、ガイド・ブックで調べるとよい。10本注文して、ザワークラウト(酢キャベツ)とポテト・サラダのつけ合わせで食べたが、さすがに美味しかった。あと5本はいけた。これだけで、この街に泊まった甲斐があった。
●ニュルンベルグはこのほかにも旧い街並みが立派な街だ。特にムゼウム橋の上から東、川をまたいで建つかつての救貧院の建物はなかなかの眺め。ただ、この街は、かつてナチの根拠地として連合軍から徹底した爆撃を受け、壊滅状態だった市街を、もとの通り建て直した建物がほとんど。戦争犯罪者を裁いたニュルンベルグ裁判の舞台でもある。


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