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バーデン・バーデン(Baden-Baden, Germany) 98年6月20日(土)〜22日(月)


バーデン・バーデン

バーデン・バーデンはドイツ南西部、シュバルツバルド(Schwarzwald、「黒い森」の意)の北の入り口に当たる国際保養都市である。バーデン(baden)というのはドイツ語では「水浴びする、風呂に入る」という意味の動詞であり、その名の通りこの街は古くから温泉の街として知られ、ヨーロッパ各地から温泉療養をするためにおもに年寄りが集まってくるのである。

しかし温泉とはいえ、日本のように熱い露天風呂がある訳ではない。唯一気軽に入れる公衆浴場「カラカラ・テルメ」は温泉というより温水プールである。ただ、長期滞在して温泉療養する客のために劇場、カジノをはじめとする娯楽施設は整っており、高級ブランドのブティックなどもあって、ブルジョアな雰囲気の街ではある。

実際街を歩いてみると分かるが、やはり年寄りのカップルが多い。ドイツでは社会福祉が手厚いため、年寄りほど金を持っているのである。ドイツの地方都市としては不相応な高級ホテルが散在しているのも、この街の特殊な成り立ちを示している。かつてサミット(主要先進国首脳会議)がこの街で開かれたこともある。


公衆浴場

この街にはカラカラ・テルメという公衆浴場がある。今回はこれを目当てに出かけたのだが、改装中で閉館だったのは残念だった。ここはしかし上にも書いた通りまったくの温水プールで、ぬるいお湯のプールにみんな水着を着て入っているという感じである。「温泉」だと思って行くと完全に肩すかしを食うから注意が必要である。

尚、ここのサウナは水着を取らなければならず、しかも男女混浴である。ドイツ人はまったく恥ずかしげもなく裸になっているので、こちらも特にどうということはないのだが、これがたまたま他に日本人の異性が裸で入っていたら結構恥ずかしいだろうと思う。なんだか変な話だが、心情的には分かってもらえると思う。

このほかフリードリヒス浴場というのがあり、こちらは3時間コースで順にいろいろな種類の風呂をまわって行くらしい。今回カラカラ・テルメが休みでこちらも検討したのだが、小さい子供がいて、夫婦で交替にというのもどうもということで断念した。まあ、指導付きの温泉ランドだと思えばいいだろう。気持ちよさそうなので、今度は2家族で行けばいいのではと思う。


カジノ

バーデン・バーデンのカジノはドイツで最大、ヨーロッパでも有数の由緒正しいカジノである。中ではルーレット、ブラック・ジャック、バカラ、ポーカーなどが楽しめるが、入場にはパスポートが必要で正装しなければならない。賭け金は数百円程度からでいいが、時折とんでもない大金を賭けているおばちゃんがいたりして驚く。入場料は5マルクで、入るだけ入って雰囲気だけを味わっていてももちろん構わない。

建物も百年以上の歴史を持つ立派なものである。正装するのが面倒くさいが中を見てみたいという人は、午前中に内部の案内ツアーがあるのでこれに参加するのもいいだろう。説明はもちろんドイツ語なので忍耐が必要だが、説明を聞き流してルーレット台を見ていても怒られることはない。

でもまあ、できれば一回は5マルク払って夜入ってみた方がいいと思う。だって案内ツアーの料金が6マルクじゃ割に合わないだろう。


トリンク・ハレ

カジノのあるクアハウスの隣にトリンク・ハレという建物がある。ここでは温泉を飲ませてくれる。ドイツでは温泉水を飲むのはポピュラーな行為のようである。塩気があり少し苦い。天然精製の塩をなめているような感じである。きっといろんなミネラルが入っているのだろう。まあ、お世辞にも美味しいというものではないが、話の種に一度どうぞという感じ。


郷土料理

シュペッツレというのは小麦粉を練った短いうどんのようなもので、ステーキなどのつけ合わせにしたり、チーズと絡めて一品として食べる。今回はこのチーズ和え、ケーゼ・シュペッツレに挑戦したが、不味くはないもののこればっかり食べているとすぐに飽きる。できれば肉料理のつけ合わせで、ソースを絡めて食べたいところである。

マウルタッシェンというのも食べた。小麦粉を練った皮で、肉や野菜を刻んだものを包んだギョウサのようなラザニアのような食べ物(5×10センチほど)である。これもコンソメに浮かべたり焼いたりして食べるが、今回はトマト・ソースとチーズをかけてオーブンで焼いたラザニア風であった。これも悪くはないが、いかんせんマウルタッシェンそのものが大味である。

いずれも、スパゲティやラザニアと比べると、よくいえば素朴、悪くいえば大雑把で、求めて食べるほどのものでもない。やはりドイツ人の食に対する基本的な考えは口に入ればよしというもので、量があって栄養になればいいという質実剛健な食文化が根底にある。ドイツはグルメ不毛の地と言われる所以である。


市営プール

この週末はドイツは暑かったのである。気温は30度以上で、まあ日本の蒸し暑さに比べればどうということもないのだが、こちらではうだるような暑さである(ただし湿気は少ないので日陰は涼しい)。その上あてにしていた温泉プール、カラカラ・テルメが休みだったため、ホテルの近くの市営プールに行くことにした。

市営プールは入場料が大人4.50マルク。広い芝生に、50メートルとおぼしき大人用プールと、10メートル四方くらいの浅い子供プールの2面がある。みんな芝生にレジャー・シートを敷いて思い思いに寝そべったりしている。芝生の隅の売店ではW杯の中継をしていて、ドイツに得点が入ると(ちょうどドイツ−ユーゴスラビア戦をやっていたのだ)歓声が上がる。

中にはトップレスで日光浴をしている女性もいた。僕はおばちゃんだと思ったのだが、妻は高校生くらいだったと言う。でも、そんなもの、じっと見る訳にも行かないじゃないですか。

別にバーデン・バーデンならではという訳でもないけど、まあ久しぶりに少し泳げて気持ちが良かった。天気も良かったし、少し灼けたかもしれない。


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