logo ローマ


99年9月24日(金)

●アリタリアでローマ・フィウミチーノ空港に着いたのは午後3時過ぎだったが、荷物がベルトからすぐに出てきてラッキー。ところで荷物が出てくるのを待つ間トイレに行ったが、男子便所なのに全部個室なのはなぜだろう。何か理由があるのか、僕が何か根本的に間違っているのか。
●で、到着ロビー正面のタクシー乗り場でタクシーを拾う。白タクは論外だが、正規のタクシーはまず管理できるリスクの範囲内だろう。愛想のいい兄ちゃんだったのでメーターと窓外の景色と高速道路の道路標示に注意しながらも一応信用した。果たしてタクシーは半時間強でホテルに到着、メーターは50,000リラだったが、請求は80,000リラで、ま、空港料金11,500リラ+荷物料+チップならこんなもんかと思い、初めから80,000リラまでなら払うつもりだったこともあってきっかり渡した。領収書もくれた。
●休憩して午後5時頃からお出かけ。ホテルは地下鉄レパントの駅から100メートルほどのところにあるので、計画通りここで市内交通の1日券を買い、地下鉄A線に乗った。6,000リラ。二駅先のスパーニャで降りるとそこはスペイン広場。スペイン階段は改装以降座り込んでるとお巡りさんに怒られて排除されると聞いてたが、なんだよ、いっぱい座ってんじゃねえかよ。小舟の噴水も人だかり、もうとにかくえらい人出である。さすがローマである。怪しげなアジア人が砂風船を売りつけに来るので要注意だ。
●次はトレビの泉を目指す。道路の横断がワイルド。跳ねるのがイヤならオマエが止まれというくらいの気迫でクルマをにらみつけながら堂々と渡る(もちろんタイミングは計るべし)。それにしても暑い。20度前後だったデュッセルドルフに比べて、ローマは夕方でも30度近く。陽射しが強く、日向を歩いていると消耗する。
●トレビの泉も人だかり。呼び子をくわえたおばちゃんの警官が、いかにも程度の悪そうなナンパ男を追い払ったり泉の奥に座り込んでいる人を追い立てたり、しじゅうピーピーやっているのでやかましくて仕方がない。日本人も多い。コインの持ち合わせがなかったので投げ込みはしなかったが、遠くからコインを投げて泉に届かず人にぶつけているオヤジなどもいてなんかもう初詣状態である。ここで水を買った。
●この辺で午後6時頃になったので、さらに歩いてバルベリーニ広場を過ぎ、ベネト通りを登ってハードロック・カフェへ。去年の12月にできたばかりの、イタリア唯一のHRCである。例によってあの何とも言えないチーズ・バーガーだのクラブ・サンドイッチだのを食べ(僕はやっぱりアメリカでは生きられないわ)、Tシャツとキャップを買って帰った。キャップは「Rock & Roll Never Dies」と書かれた赤いヤツ。初めて見るデザインである。これでHRCのキャップも10個近くになったがデザインのダブってるのは2つだけ。自慢は今や閉店してしまったアントワープ店の革のキャップだ。
●なかなか効率よくまわったという満足感を胸に、バルベリーニ駅から地下鉄に乗ってホテルに帰った。ホテルの部屋はクーラーがついていて涼しいが、帰ったときは結構汗ばんでいた。やっぱ、イタリアは暑いわ。

99年9月25日(土)

●朝食をすませて徒歩でバチカンへ行く途中の土産物屋で流れるボールペンを3本買う。午前9時過ぎにサン・ピエトロ広場に着いた。柱が重なって見えるという中心点を確認した後、おもむろに寺院の中を見学。僕は学校は全部国公立だが幼稚園はカトリックで、毎食前にはアーメンとやっていたこともある、その総本山である。内部は荘重というより豪華、僕なんか単純に宗教施設がこんなにきんきらきんでいいのかなとか思ってしまうが。
●ここを出てバチカン美術館へまわったのだが、これは順番が逆だった。既にリソルジメント広場まで入場待ちの長い列ができているのだ。ここからバチカンの外壁沿いに角を二回曲がって入口まで、午前10時過ぎから1時間近く並んだ。ほとんど日陰でよかったけど。
●宗教美術にはまったく興味がないので、とにかくシスティーナ礼拝堂だけを目指す。でも、地図のギャラリーは面白い。日本人の団体を見つけて一緒に解説を聞くのがよかろう。行けども行けども奥深い迷路のような建物を行ったり来たり、登ったり降りたりしてやっと礼拝堂にたどり着いたら、これがまたえらい人で立錐の余地もない。どいつもこいつもバカみたいに口あけて天井見上げやがって。だが正面の壁の「最後の審判」はさすがに修復なっただけあって鮮やかな色彩だ。特に青空の部分が印象に残る。92年に来たときには修復中だったが、これで雪辱を果たした。
●中庭で休憩して外に出たら12時半。ホテルへの帰り道で適当なトラットリアに入り、スパゲティを食べた。唐辛子のきいたボンゴレ、ちょっと平べったい細うどんみたいな麺で美味しかった。
●ホテルでちょっと昼寝して午後3時頃再び出発。地下鉄に乗ろうとしてキップ売り場の窓口のオヤジにこのチケットはまだ使えるかと昨日の一日券を示して訊いたら、こりゃ「24時間券」じゃなくて「一日券」だから夜を越えたらダメだと言われた。確かに券面にはどこにも「24時間」と書いてないからそんな気はしてたんだよね。仕方なく今度は普通のチケットを買った。テルミニでB線に乗り換えてコロッセオへ。
●ここも観光客でごった返している。中を見てから露店で水を買ったら、1,000リラの釣りの代わりに公衆電話用のジェットーネを5枚渡しやがった。そりゃまあ値打ちは同じだけどさ。ダメだ、現金をよこせと言ったら200リラ硬貨5枚と替えてくれたが。何か勘違いしてんじゃねえか。しかもくれた水は氷っていて、冷たいのはありがたいがごくごく飲めずに不自由した。
●フォロ・ロマーノを横目で見ながらベネチア広場を目指す。体調次第で寄り道するかどうか決めようと思ってた「真実の口」だが、せっかくここまで来てんだからということでやっぱり行くことにした。ビットリオ・エマヌエーレ二世記念堂の裏をまわったが、これは丘を越えることになって余計な体力を消耗した(でも、このあたりからはフォロ・ロマーノを一望できる。入場しなくてもいい記念写真は撮れる)。
●水を少しずつ飲みながら(だって氷ってるんだもん)「真実の口」にたどり着くと、例によって日本人やアメリカ人が口に手をつっこんで写真を撮っている。教会の内部見学はパスしてベネチア広場経由で今度はパンテオンに向かう。やっぱり「真実の口」を組み込むとどうしてもコース取りに無理が出るが仕方ない。暑かったが、覚悟して水を飲みながら歩いたせいか、それほどバテバテにもならずにパンテオンまでたどり着いた。やれやれ。
●パンテオン前のカフェで、アイス・ティーを飲みながら1時間ほどねばって疲労を回復する。バストがきっちり分かるピチピチのTシャツやノー・スリーブの姉ちゃんが行き交うのを見ながら、パンテオンの正面でくつろぐのもいい。午後6時にはパンテオンが閉まるらしいので、その10分前くらいに入ってみた。あの天井の穴(というか天窓)は、今はガラスがはまっているのでしょうか。
●で、そこから5分ほど歩いてナボナ広場へ。工事のため足場で囲まれてしまった「川の噴水」を見てから、広場に面したピッツェリアでピッツァを食う。アンティパスタだのプリモだのセコンドだの考えるのも食べるのももう暑くて面倒くさいって感じ。フンギのピッツァは、まあ悪くなかった(というよりフンギそのものは旨かったがピッツァの台やモツァレラやトマトがおざなりで今一だった)。ビールを2杯飲んで、残りの現金を考えてカードで払った。子供に皿を出してくれたり子供が持ち込みの水を飲んでいるのを黙認してくれたりしたのでチップは現金。
●ナボナ広場の脇のタクシー乗り場からタクシーを拾ってホテルへ帰った。メーターは8,100リラだが近くだしバギーをわざわざトランクに乗せてくれたので10,000リラ払った。ホテルに帰ると日本人の団体客がちょうどディナーに出かけるのにロビーに集合してるところだった。

99年9月26日(日)

●午前10時頃チェック・アウト。フロントで空港までタクシーを呼んでくれと言うと、75,000リラのリムジンを呼んでくれた。黒ベンツである。途中アウトストラーダがちょっと混んだが、11時過ぎにフィウミチーノ着。
●帰りはミラノ経由なので国内線でチェック・インしようとしたら国際線に行けと言われた。国際線窓口でスルーでチェック・インし、バギーを預けようとしたらこんどは定形外荷物の窓口に持って行ってくれと言われたが、そこへ行くための専用エレベータがいくら待っても来ない。バカらしくなっていつも通りゲートまで持ち込むことにした。不親切。
●ミラノ・マルペンサ空港では恐怖のアリタリア45分乗り継ぎでしかも最初の便が20分遅れだったが、次の便もちょっと遅れて問題なく乗り継げた。まあ、スルーでチェック・インしてんだから、よっぽどのことがない限り置いて行かれることはないだろうが(キャリアも同じなんだし)。ミラノからデュッセルドルフの便はかなり揺れて、一時は機内食も見合わせかと思ったほど。結局機内食は遅れて出てきたので慌ただしく詰め込むことになった。
●デュッセルドルフの空港では、駐車場のシステムが以前のような磁気ストライプつきのパーキング・チケットからまるで子供銀行みたいなプラスチックのコインに変わっていて、僕は(大丈夫かよと思いながらも)旅行の間このコインを後生大事にキープしていた訳だが、これを精算機に入れると、機械は不思議にも駐車料金をきちんと計算し、精算済みのコインで出口のゲートが開くようになっている。あの子供銀行コインの中にはチップが入っていると見た。
●という訳で、今年3回目のイタリア、僕としては7年ぶり2回目のローマも終わり。駆け足だったけど、見るべきところはきちんと押さえたぞ。でも暑かった。
●そうそう、ところで1,000リラがだいたい60円弱くらいだと思います、今のところ。


welcomewhat's newmotoharu sanomy profiledisc reviewtravel


Copyright Reserved
1997-1999 Silverboy & Co.
e-Mail address : silverboy@t-online.de