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1999年2月16日(火)

●マンジャーレ。イタリアである。僕としては6年半ぶりかな。前回は友達と二人でリュックを背負いポルトガルからスペイン、南仏を通ってローマ、フィレンツェ、ベネツィア、ミラノとまわった強行軍だったが、今回は飛行機で往復、ホテルも事前にきちんと予約してある。前回は中華ばっかり食べていたが、今回はその無念を晴らすべく美味しいものも食べたい。
●まずはデュッセルドルフ空港からサベナ航空でブリュッセルへ。ちょっと、それって方向違うんじゃない?と思った人はヨーロッパの地理が分かっている。確かにデュッセルドルフからフィレンツェへ行くのにブリュッセルを経由するのはどう考えても不合理である。しかし、今回旅行会社から見積もりをもらったいくつかのフライトのうち、このブリュッセル経由サベナ航空利用が一番安かったんだから仕方ない。ブリュッセル空港は初めてだったが、1時間の乗り継ぎはイージーで問題なかった。
●昼頃フィレンツェ空港に到着。しけた空港である。タクシーで市内までは20分ほど、料金は35,000リラだったと思う。ドゥオモ近くのホテルにチェック・インした。昼メシは機内食で代用することにして、ホテルでひと休みの後市内観光に出た。洗礼堂、ドゥオモ、ジョットの鐘楼が建ち並ぶドゥオモ広場はやはり壮観だ。ここからレプッブリカ広場、シニョーリア広場、ウフィツィ美術館の中庭を経てベッキオ橋まで。ゴシック調の大聖堂が多いドイツの街を見慣れた目には、この街並はとてもおおらかで美しく見える。
●さて、買い物は、まずドゥオモ横の売店で流れるボールペンを見つけてゲット。1本2,500リラは安い。ドイツだと1本5マルクくらいするもんね。それからレプッブリカ広場の露店でペルージャのユニフォームをゲット。もちろん7番である。この後いたるところの露店で有名選手のユニフォームを模したTシャツを見かけたが、中田はまだマイナーらしくここ以外ではほとんど見かけなかった。
●晩メシは取りあえずホテルのレストランで食べることにしたが…。お通しに出てきたクロスティーニ・ディ・フィガート(鶏のレバー・ペーストを乗せたカナッペ)は塩辛すぎ。前菜のカルパッチオは厚さ3〜5ミリはありそうな生肉で、焼き肉にすればきっと美味しかったろうがスジもありどうにも食えない代物だった。ハウス・ワインのキャンティはすっきりした若飲みで悪くなかったし、プリモのペンネとニョッキもまずまず、カメリエーレの応対はそこそこだったが、それにしても前菜とプリモで55,000のフィクスは高すぎるんじゃないの? 敢えてどこの店とは言わないが、これからフィレンツェに行くのでどうしても教えて欲しいという人はメールください。


1999年2月17日(水)

●この日はピサ。前日に駅のツーリスト・インフォメーションでバス・ツアーのパンフレットをもらって眺めてみたが、ガイドつきツアーが一人55,000リラではちょっとということになり、結局国鉄で往復することにした。今回は余裕の旅行のはずだったが、この辺から少しずつワイルドになってゆく訳である。国鉄のフィレンツェ−ピサ間の運賃は往復で14,800リラ。
●列車は1時間に1本以上はある。ちょうど1時間ほどでピサ駅に到着し、そこからドゥオモ広場までは11番のバスで10分ほど。バスは片道1,500リラだが、ピサ駅で帰りの分もチケットを買っておくべし。タバコ屋かバス会社のオフィスで売っている。ドゥオモ広場の周りだってバス・チケットを売っているタバコ屋の1軒や2軒はあるだろうが、そんなものを探してウロウロするのは時間も手間ももったいない。バスではチケットを売ってくれないのだ。あと、バスに乗ったら必ずチケットを刻印すること。
●バスを降りてドゥオモ広場に入って行くと本当に「あっ、傾いてる」と思うくらい露骨に傾いた塔が建っている。これがピサの斜塔に他ならない。入場はできないが(だって危ないんだもん)これは本当に見るだけでも価値がある。傾いてるとは聞いていたがやはり本当に傾いてるっていう感じ。みんな塔を支えるアングルで写真を撮っている。この広場にずらりと並んだ土産物屋で流れるボールペンとスノー・ドームを買った。
●あと、昼メシもこの広場脇のバールの生ハムのパニーニ(サンドイッチ)ですませた。日本人の女子大生またはOLとおぼしき2人連れがたくさん入ってきて、「これってどうやって注文するんですか?」などとお互いに訊いて助け合っていた。確かにそういうのって分かりづらいからね。麗しい光景ではあった。でも、バールでは座ればちゃんと注文聞きに来てくれるから大丈夫だよ。まあ、メニュー見ても分からないのは難点だけども。
●この日は夕方フィレンツェに戻りあとは晩メシまで休憩。晩メシはちょっと美味いものをということで何軒かピック・アップしたトラットリアの中から比較的近そうなところを選んで開店の午後7時半に行ってみたが既に行列。やむなく第2候補のトラットリアに行ったのだがこれが結構当たりで、前菜のクロスティーニ・ディ・フィガートがまず美味しかった。きちんと熱いトーストの上に美味しい鶏レバーのペーストが乗っている。これで昨日のがはずれだったということがよく分かった。
●それからゴルゴンツォーラにからめたニョッキ(うーん、西洋団子って感じか)と、トマトとペペロンチーニのスパゲティ(どちらもメゾ、すなわち少なめにしてもらった)がナイス。麺がきちんとアルデンテになっている。セコンドにはビステッカ・アラ・フィオレンティーナ。これは牛のTボーンを炭火で焼いただけのステーキだが驚くほど美味しかった。これまでステーキを食べて満足したことはあっても、料理として「美味しかった」と感じたことはなかったが、このステーキは本当に「美味しい」。焼きたてにレモンを絞って食べるのだが、塩焼きの砂肝にレモンを絞るあの感じ、中はミディアム。
●なお、このビステッカは一人前が500グラムからと異常に大きい。注文のときオヤジに、二人で二人前は多すぎるかな?と訊いたら、じゃあ肉を見せてやると言って、一人前と二人前の生肉を持ってきてくれた。これを見たらもう一人前で十分。デザートには自家製のティラミスと、ビスコッティ(堅焼きクッキー)とビン・サント(甘口のデザート・ワイン)のセット。このビスコッティはビン・サントに浸して食べるんだって。ワインはハウス・ワインの赤、これに水とエスプレッソで一人あたり50,000リラ。
●このトラットリアがどこかって? それは秘密です。自分で探してください。


1999年2月18日(木)

●この日はシエナ。これもガイドつきサン・ジミニャーノとのセット・ツアーが80,000リラだったのでやめて、代わりにSITA社という会社の長距離バスでシエナまで往復することにした。これなら片道11,000リラ。かなりワイルドな旅行になりつつある。1時間に1本ほどの間隔で便があり、1時間ちょっとで到着する。バス・ターミナルは国鉄駅の西口を出たところから西へ入ったところ。シエナへは、ゆっくり走る路線バスと、高速道路を走る直通便とがあるみたいだけど、料金は同じ。僕たちは直通にしたけど、ゆっくり田舎を走るのもいいかもしれないね。
●シエナは中世の趣を残す街。細い路地を歩いて行くと、10分ほどでカンポ広場に到着する。これは半円形の広場が扇の要に向かってすり鉢状になった美しい広場で、要の位置にはプッブリコ宮がそびえている。なかなかの壮観。僕はここは初めてだったのだがこれには結構見とれました。広場の周りの土産物屋でスノー・ドームと彩色版画の額を購入、ピッツェリアでピザを食べた。その後ドゥオモまで足を伸ばしたがこれもなかなかの見ものである。
●帰りのバスは乗り場が分かりにくい。行きに降りたところがバス・ターミナルなのだが、乗り場は歩道に1番とか2番とか標識が立っているだけ、ここにバスを待つ人たちが無秩序にたむろしていて、バスが到着すると入口に押し寄せるのである。結構ワイルドである。フィレンツェに帰るバスは1〜3番の乗り場に到着することになっている。がんばって座席を確保してください。
●晩メシは昨日と同じトラットリア。この日はパスタをメインで食べるつもりで前菜にクロスティーニ・ディ・フィガートとモツァレラ&トマト、プリモがハーブ・ペンネとトマト・スパゲティ、セコンドに野ウサギを二人でシェアしたが、どれも美味しかった。ワインはお勧めでカルミニャーノの97年、デザートはプリンとビスコッティ&ビン・サント。これで一人55,000リラだからやっぱり悪くない。
●ところでイタリア・リラは桁が多くてものの値段の相場感をつかむのが大変な通貨である。ドイツから行くと1,000リラがほぼ1マルク、3桁切り捨てればマルクになるので(つまり100,000リラが約100マルクってこと)、マルクで生活感のある僕には分かりやすかったけど、日本から来ると、ひと桁落として3割引くらい(つまり100,000リラが7,000円ほど)だからちょっと考えちゃう。まあ、10分の1だと思ってればいいのかもしれないけどね。早くユーロ1本建てになればいいのに。


■一気に書こうと思ったけど、疲れたので「ベネツィア編」に続く。


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