Moto Singles 1980-1989
デビュー・シングル「アンジェリーナ」から「雪 −あぁ世界は美しい」までのシングルを発売順に収録したベスト・アルバム。シングル・カップリング曲の一部も含め全34曲を収録、CD2枚組での発売となった。 収録されているのはシングル「ガラスのジェネレーション<LIVE>」を除いてこの時期までに発売されたすべてのシングルのA面と、「Strange Days」以降のシングル・カップリング曲のうち、それまでアルバム未収録となっていた7曲であるが、一部の曲は収録にあたってリミックスまたは編集された。このアルバムでしかCD化されていないのは「リアルな現実 本気の現実」「Looking For A Fight」「Shadows of The Street」の3曲、その他にもこのアルバムでしか聴けないバージョンが何曲か収録されている。このアルバム収録に当たって新たに手を加えられたのは以下の5曲。 ●「Night Life」 リミックス。 渡米前のシングル・カップリング曲の大半はアルバム「No Damage」に収録されていたことから、このアルバムの発売により、アナログ盤で発売されながらCD化されていない曲は「Wonderland」「Dovanna」の2曲になった。しかしながらシングル曲・カップリング曲の中には、アルバム収録に際して手を加えられたものも多く、このアルバムが発売されたことによって、そうした曲がオリジナルのままCD化される可能性はむしろ逆に失われたと言ってよい。 一方でこのアルバムには、オリジナル・アルバムやアルバム「No Damage」に収録されたシングル曲がそのまま再録された例も多く、シングル・コレクションという構成上しかたないとしても、バランス上どうも釈然としない部分が残ることも事実である。特に12インチでのみシングル・カットされた「インディビジュアリスト」「99ブルース」を、7インチ・バージョンと称してアルバム「Cafe Bohemia」と同じオリジナル・バージョンで収録することに何の意味があったのか判然としない。 このアルバムが未CD化曲対策も含めたシングル・コレクションであるならば、カップリング曲も含めてすべてオリジナルのまま発売順に並べるか、思い切って入手が困難な曲・バージョンだけをレアリティーズとして集めてもよかったのではないかと思う。いずれにせよ現在このアルバムでしか聴けない曲もあり、シングル・リリースを重視してきた佐野元春というアーティストの軌跡をたどる意味でも持っておきたいコンピレーション。 1997-2021 Silverboy & Co. e-Mail address : silverboy@silverboy.com |