SUGAR BOY BLUES 前作が一定の評価を得たことから銀次のソロ・ライブがスケジュールに上り(佐野のツアーで銀次はザ・ハートランドをバックに「雨のステラ」を歌っていた)、その演奏曲を補充する目的もあって前作からわずか5カ月のインターバルでリリースされた通算3作目。そうした成り立ちのためか、このアルバムには前作に増してステージ映えのするポップな楽曲が詰め込まれることになった。 基本的には前作の延長線上にあるが、アルバム冒頭を飾るシングル・チューン「恋のリーズン」、佐野元春の「ガラスのジェネレーション」が銀次のアレンジによるものであることをあらためて印象づける「NIGHT PRETENDERS」、シャッフル・ビートのタイトル・ソング「SUGAR BOY BLUES」など楽曲は粒ぞろいで、前作が概ね好意的に迎えられたことによって銀次が自らの方法論に自信を持ったことをうかがわせる。 銀次の持ち味は古今の音楽に関する知識の広範さ、懐の深さと、それを決してマニアックにならず現代的かつポップに再構築してみせる作曲家・編曲家としての手腕であり、それはそうした音楽に対する愛情とその中から価値のあるものを的確に見分けるセンスに裏打ちされている。このアルバムは銀次のそうした資質が何の留保もなく最もストレートに結実した作品であるということができよう。 ジャケットには原田治、作詞は売野雅勇に加え康珍化を起用した。佐野元春も再び「恋のソルジャー」を提供、コーラスに参加した。 1998-2001 Silverboy & Co. e-Mail address : silverboy@silverboy.com |