logo 自分本位2.0


僕はおそらく本質的に自分のことしか考えてない人間だと思っている。他人がどうなっても、何なら世界がどうなってもよくて、自分がそこそこ気楽に、楽しく、気分よく生きていられたらそれでいいと思っている。社会をよくしたいとか人のために尽くしたいとかそういう高邁な理想というか奉仕の精神のようなものは持ち合わせていない、残念ながら。

しかし、自分のことしか考えていないということは、何でも好き勝手に自由気ままにやるということとは違う。そんなことをするとあちこちで無用の衝突を起こすし、人からは恨みを買い、言動は信用されなくなり、何をするにもケチをつけられたり邪魔をされたりして、気楽に、楽しく、気分よく生きることができなくなるからだ。

だから僕はできる限りトラブルを避け、自分のことはなるべく後回しにして周囲にいい顔をし、応分の社会的責任を果たすことで自分が生きる空間を確保しようとしている。自分がどうやって気持ちよく生きるかという観点から見れば、周囲をないがしろにしたり、ルールを無視したりして自分の都合を優先することは、結局のところまったく「自分本位」ではないと思えてくるのだ。

だいたい、自分のために生きることで普通は手いっぱい、精いっぱいであり、ことさら他人のことや社会のことを考えている余裕などないはずではないだろうか。少なくとも僕はそうだ。

自分が社会の中に最低限自分の生きるための隙間というか居場所を確保するために毎日忙しく立ち働く、それすらできないのに他人の世話を焼いたり口を出したりしている時間も体力も精神力もない。そのような人はむしろ自分の生を粗末にしているのではないかとすら僕は思うのである。まあ、他人のことはどうでもいいけど。

だれもがまず自分のために、自分本位に生きるならば世界は自然とうまく回るというのはナイーブな考えかもしれないが、少なくとも僕自身はこの「自分本位2.0」を取り敢えずの考え方の軸にしたいと思っているのだ。


2019年1月
西上典之 a.k.a.Silverboy



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