logo 勝手に幸せになる


急にこんなことを言って申し訳ないけど、日本は正直もうあんまりよくならないのではないかと思っている。人口が減り、技術が陳腐化し、教育水準が下がることで日本の国際競争力は確実に下がり続け、通貨価値は緩やかに切り下がっている。外貨を稼ぐ力を失った国は衰退に向かう。これは間違いのない事実だ。

国全体が少しずつ貧乏になり、限られた富を奪い合い増え続ける面倒を押しつけ合うことが政治過程の中心になる社会で、僕たちはいかにして自分の生存を確保し、それなりに充実した生を生きることができるのか、ひとことで言えば幸せになることができるのか。

国全体が豊かになることで結果的に自分の生活も豊かになるという考え方はおそらくかなり前に破綻している。そういうモデルでみんなが同じようにハッピーになった時代は過ぎ去り、幸せになる能力を持った個人が自分の力でそれぞれ勝手に幸せになり、その結果社会が何とか維持されるというようにゲームのルールは変わった。

考えてみれば自分の幸せに個別に責任を持つこともできない人が社会に貢献できたりするはずがないのは当たり前だし、幸せになる能力のない人が幸せにならないのも当たり前で、全体が豊かなら個人もハッピーというかつてのモデルがたぶん何かおかしかったのだ。

誰もがひとりひとり自分の幸せに自分で責任を持てば、普通はそれで手いっぱいになって、他人の失敗をあげつらってあちこちで炎上したり足を引っ張り合ったりしているような余裕はなくなるはずだ。国がどうなろうと、僕は今年も自分と自分の周囲半径数メートルが幸せになることに責任を負って行く。


2018年1月
西上典之 a.k.a.Silverboy



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