logo 情報の自由市場


かつてメディアは新聞社や出版社、放送局などに独占されていて、個人が広く意見を表明するのは簡単なことではなかった。情報とはメディアを掌握する言論機関からもたらされるものであり、僕たちは基本的に情報を受け取る側だった。そこには生産者と消費者の非対称な関係があった。

だが、インターネットが普及し、その様相は一変してしまった。だれもがFacebookやTwitterで自分の感じていることを世界のネットユーザに向けて簡単に発表できるようになった。少し本気で何か意見を言いたければブログを持つのもいいし、このサイトのように個人でホームページを持つことだってそんなに難しくない。

その結果、僕たちの身の回りには情報があふれることになった。だれが発信したかも分からないような噂、都市伝説、明らかなデマ、煽り、炎上。新聞を買わなくても、テレビを持たなくてもニュースを知ることはできるようになったが、情報の値段が下がった分、真偽も知れないような情報の洪水の中から、正確で重要な情報を見極め、選び出すことはますます困難になりつつある。

その結果、僕たちは情報そのものではなく、正確性、希少性、付加価値性といった情報の質に対価を支払うようになりつつある。もはや情報を発信できること自体は特権でも何でもない。僕たちは情報の自由市場に参加しているのだ。

このサイトはもちろん閲覧無料なんだけど、僕は最初から時間を割いて読んでもらうに値するものを書きたいと思ってやってきた。1997年の開設から17年、この情報の自由市場の中で少しでも市場価値のある情報を今年も発信したいと思うのだ。


2014年1月
西上典之 a.k.a.Silverboy



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