logo 僕たちの国際競争


日本の2009年の一人当たりGDPは約4万ドルである。これはドイツと同じくらいで、韓国の約2倍、中国の約10倍であり、エチオピアの約100倍である。乱暴な議論になるが、これはつまり我々の労働単価が韓国の2倍、中国の10倍なのだと考えていいだろう。

それは、代替可能な単純労働の場合、韓国人は僕たちの半分、中国人は僕たちの1割の給料で提供できるということだ。あるいは逆に言えば、僕たちは韓国人の2倍、中国人の10倍の労働価値を提供できなければ国際的な競争に勝てないということである。

もちろん、労働市場はそんなに単純なものではないから、今すぐに世界中から単価の低い労働力が雪崩を打って我が国に押し寄せてくる訳ではない。だが、僕たち自身の労働もまさに国際競争力を問われているのだということは認識しておかなければならないはずだ。それがグローバルということの意味なのだ。

しかし、いくらがんばっても同じ単価で中国人の10倍働くのは不可能だ。僕たちはそれ以外の方法で彼らと競争し、彼らに勝たなければならない。そしてそのためには、中国人に、いや、自分以外の人には生み出せない価値を自分が生み出すしかないのだ。

僕の今年の目標は自分自身の国際競争力を身につけること、自分にしかできないことは何かを真剣に考えそれを自分の武器にすることだ。僕たちひとりひとりがそうやって国際的な競争を勝ち抜かない限り、我が国の景気なんてよくなる訳もないのだし、仮に日本の景気がよくなってもその果実は僕たちの手には残らないだろう。


2011年1月
西上典之 a.k.a.Silverboy



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