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サッカー関連コラム特集

時事コラム「奇妙な日々」ではこれまでに掲載したサッカー関連コラムをまとめて緊急特集中。既に掲載を取りやめていたものも復活しているぞ。

ドイツ代表プロフィール紹介

決勝進出を受けた緊急特集、ドイツ代表のプロフィールを紹介。


■2002年7月7日(日) 

●時事コラム「奇妙な日々」の「サッカー関連コラム特集」にワールドカップ総括特集第2回「ドイツ代表編」をアップ。

■2002年7月6日(土) 

●お待ちかね、なのか、本当に…。ともかく、時事コラム「奇妙な日々」の「サッカー関連コラム特集」でワールドカップ総括をスタート。予定では3回連載で、今日は第1回「日本代表編」。

■2002年7月2日(火) 

●ワールドカップ終わったのに結構なアクセスがあるんだよね。まさかみんな僕の総括レビューを待ってるのか。そんなこともないだろうけど、6月は史上最高のヒットを記録したよ、おかげさまで。佐野元春の新譜が出たときより多かった。恐るべし、ワールドカップ。
●決勝の「kicker」紙の採点。どうもハマンの評価が僕とは違うみたいだ。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(3.5/4)
 DF リンケ(3/3.5)、ラメロウ(3/2.5)、メツェルダー(3.5/4.5)
 MF フリングス(4/4)、シュナイダー(3/2)、ハマン(4.5/2.5)、イェレミース(3.5/3)、ボーデ(4/4.5)
 FW クローゼ(4.5/4.5)、ノイヴィル(3/2.5)
●ドイツ人も今回のワールドカップはよくやった、予想以上の出来だ、と考えているようだ。かつての同僚から今日いくつかメールをもらったが、そんな感じだった。でもヤツらの興味は既にブンデスリーガの開幕に移ってるね。ケテラーがグラードバッハに帰ってきたぞ、と書いて寄越してきたヤツもいたし。
●という訳で、このページはこれでおしまい。しばらく残した上で削除する予定。それにしても爆発的にアクセス増えてるわりには激励のメールとか全然こないのな。ま、いいけどさ。

■2002年6月30日(日) 

●あんまり書く気もしないのでこのままこのページ自体を削除してしまおうかとも考えたが、まあせっかくなので一応書いておくことにした。悔しい〜。勝てない試合じゃなかったし実際チャンスもあったのになあ。ブラジルってチームとしては結構ボロボロなのに時折どうしようもないような個人の飛び出しとかあって決定的なチャンスになっちゃうのな。あれを90分間ケアし続けるのは確かに厳しいわ。カーンも全部は止めきれなかったと。結論から言えばチームとして戦術的にはドイツがブラジルを押さえていたが、個人技まではカバーしきれなかった、ということだろう。
●バラックの欠場は大きいとみんな口を揃えて言う訳だが、僕からすればバラックをイェレミースに差し替えたからといって決してレベルが落ちている訳ではないと思う。少なくとも僕はバラックよりイェレミースの方が敵としてイヤな選手だ。何年か前にマンハイムがDFBカップでバイエルンとやったときもイェレミースのゴールで負けたんだよな。あの何を考えてるのかよく分からない顔が怖いじゃん、だいたい。それよりは今日のハマンはよくなかったと思うがいかがか。致命的なボールロスもあったしな。
●ところで今日の布陣、試合前のNHKの画面ではフリングスを右サイドバックに入れた4バックで、シュナイダーは中盤右外という準決勝と同じチャートで紹介されていたが(バラックがイェレミースに入れ替わったのみ)、実際には3バックでフリングスは右サイド担当、シュナイダーは主にトップ下で3-5-2だったと思うのだが。
●まあ、少なくとも名前としてはブラジル×ドイツという大国どうしの決勝でブラジルが優勝し、このワールドカップも何とか大会としての面目を施したんじゃないか。ドイツ代表もベッケンバウアーに「ベスト8まで行けば満足だ」なんて言われてた割に意地を見せたし、ここまで来たら優勝しなければならない試合だったが、結果としてこれはこれで悪くないし仕方ない。次のヨーロッパカップに向けて気合いを入れ直すしかないだろう。
●日本代表の戦いを含めた総括的な感想文はあらためて時事コラム「奇妙な日々」の方に掲載するつもり。ここでは今日のドイツ代表採点を掲載し、明日「kicker」紙の採点がリリースされた時点でそれを転載して終わりにしたいと思う。ワールドカップ期間中すごくアクセスが増えたんだけど、このページを読んでくれた人にお礼を言いたい。
●ドイツ代表、決勝の採点。
 GK カーン(3.5)
 DF リンケ(3)、ラメロウ(3)、メツェルダー(3.5)
 MF フリングス(4)、シュナイダー(3)、ハマン(4.5)、イェレミース(3.5)、ボーデ(4)
 FW クローゼ(4.5)、ノイヴィル(3)
尚、今大会での僕個人のドイツ代表MVPはラメロウ。
●それにしてもドイツ代表がここまで日本で有名になってくれて僕は嬉しいよ。カーンはともかく、ラメロウだのボーデだのノイヴィルだの、これがなきゃ日本じゃだれも知らない名前だもんな。これで一気にブンデスリーガの人気が日本で急上昇、な訳ないとは思うけど、ちょっとは話も通りやすくなったかな、と。いや、しかしイェレミースと小泉首相が同じ画面に収まってる絵はすごく違和感あったけどな。
●あと、クローゼはまだまだこれからだね。やっぱりノイヴィルと組んで自分がポストをやらなくちゃならない局面では全然働けてない。グループリーグでの働きはヤンカーのおこぼれだったってことかも。力はあるのでラウテルンでもう少し勉強して欲しい。あれじゃイタリアやスペインからは引きは来ないだろう。

■2002年6月29日(土) The magic hour is over.

●今日は三位決定戦の韓国×トルコがあったが、さすがに韓国も電池が切れたというか魔法の時間は終わったという感じだったね。モチベーションは相変わらず高かったけど、ギリギリのところの集中力は明らかに底をついていたのではないかと思う。最後に一点返してカッコもついたし、まあ、大団円ということでホッとしたというか、そういうことなんだろう。
●明石家さんまが韓国×ドイツの試合の時にドイツのユニフォームを着てテレビに出たところ、「さんまは韓国の敵だ」と批判を受けたらしい。それに対するさんまの「私はサッカーを愛しているのでドイツのユニを着ていただけのことです」という説明も何だか論理が怪しいような気はしたが、メディアがみんな共催国マンセーの翼賛モードに入っているときだけに僕はさんまを見直したよ。
●という訳で明日は決勝。僕は決して今のドイツ代表が素晴らしいチームだとも強いチームだとも思っていないが、ベスト8がいいところだろうと僕も含めてだれもが思っていた中でここまで勝ち残るという結果を曲がりなりにも出したことは評価しなければならない。やる以上は勝つことを目指して1試合ずつ戦うのが当たり前で、それは決勝も例外ではない。たとえドイツのサッカーは退屈だ、つまらないと言われても、スターがいなくて人気がなくても、いや、だからこそ我々は勝たなければならないのではないか。

■2002年6月27日(木) 来た来た

●決勝の相手はブラジルになった。結構たくさんの人がこのサイトを見に来てくれているようなので、何か付加価値をということで、ドイツ代表の簡単なプロフィールを紹介しようと思う。今日は途中まで。明日残りをリリースする予定。
●韓国戦の「kicker」紙の採点。kickerの方が全体にいい点をつけてるね。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(1.5/2)
 DF フリングス(3/2.5)、リンケ(3.5/2)、ラメロウ(3/2)、メツェルダー(4/2)
 MF シュナイダー(3.5/3)、ハマン(3/1.5)、バラック(3/2)、ボーデ(4/3.5)
 FW クローゼ(4/4)、ノイヴィル(3.5/2)
●決勝の審判はコリーナらしい。

■2002年6月25日(火) よかった…

●ま、勝って当たり前の試合に勝っただけなので特に言うべきこともないんだが。韓国はよくがんばっていたけどモチベーションで勝てるのは準々決勝までだったということだろう。後半に得点が多いということは、相手に疲れが出て動きが止まる時間になってようやく点が取れるということ。ドイツも試合を通じて危ない局面がいくつかあったが、カーンのセーブとディフェンスでしのぎきった。ジャッジもフェアでよかった。
●トルコには悪いが決勝はブラジルとやりたいね。ドイツは今回いわゆる強豪といわれる国とはまったく戦っていない。グループリーグはアイルランド、カメルーン、サウジアラビアが相手だったし、決勝トーナメントに進んでからもパラグアイ、アメリカ、韓国と比較的相手に恵まれた。この中ではアメリカが最もクリティカルだったと思うけど、いずれにしても前評判が高くなかった割にはいいところまで来た。
●ていうかさ、今のドイツ代表って全然レベルが高い訳じゃないじゃん。や、そりゃ僕はブンデスリーガで見慣れた選手ばっかりだから思い入れはあるし応援はしてるし、別に下手くそって訳でもないんだけど、少なくともワールドカップに優勝できるようなメンバーじゃない。奥寺さんも言ってたように悪いけどベスト8止まり、っていうのがドイツ国内的にもコンセンサスだった訳で、頼むから不様な負け方だけはしてくれるなよ、と大半のドイツ関係者は思ってたはずなんだ。
●なんてったって直前になってショルが出場をキャンセルし、ノヴォトニーがケガしたときは目の前真っ暗ですよ。ダイスラーはいいとして、あとヴェアンスもダメだったし、レーマーもほとんど出られてないし、ベーメも途中で帰っちゃうし、何とか苦しいやりくりで作ったつぎはぎのチームが、たまたま相手に恵まれて(試合のコンディションにも恵まれた)ここまで来たというだけのこと。だから解説で「さすがドイツ」なんて言われると妙にこそばい。まあ、「さすがカーン」と言うなら分かりもするがな。
●それにしてもアナウンサーの「ラメロウ」のイントネーションが何となく気持ち悪かった。「ビアホフ」も「ビアーホフ」って感じですごく違和感あった。それからどうもドイツの布陣はスリーバックということになっているようだが、今日なんかフリングスが右のサイドバックに入って、フリングス−リンケ−ラメロウ−メツェルダーって感じじゃなかったか。
●今日の採点は先に後半の生中継を見た後、ダイジェストで前半を見てつけたものなので、前回にもまして自信ない。
 GK カーン(1.5)
 DF フリングス(3)、リンケ(3.5)、ラメロウ(3)、メツェルダー(4)
 MF シュナイダー(3.5)、ハマン(3)、バラック(3)、ボーデ(4)
 FW クローゼ(4)、ノイヴィル(3.5)
●こちらは前回のアメリカ戦の「kicker」紙の採点。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(1/1)
 DF リンケ(3.5/4)、ケール(4.5/5)、メツェルダー(4/5)
 MF フリングス(5/4)、シュナイダー(4.5/5)、ハマン(4/5)、バラック(3.5/4.5)、ツィーゲ(4.5/5)
 FW クローゼ(4/4.5)、ノイヴィル(3.5/4.5)

■2002年6月22日(土) 所得税免除

●今週は飲み会とかいろいろあってサボってしまったが、まずは日本が残念ながらトルコに負けたと。これについては別途コラムに書こうかなと思ってるんだけど、まあ、ご苦労さんというか何というか。ただ、見る方にもやる方にも、グループリーグを突破して「気が抜けた」部分があったのは確かなんじゃないかな。勝ったらもちろん嬉しいし勝ちに行くべきなんだけど、負けたら負けたで仕方ない、ここまできただけでも御の字だ、よくがんばった、みたいな気持ち。だって敗因なんてそれしかないだろ。
●我がドイツは昨日アメリカに無事勝って準決勝進出を決めた。そりゃニュルンベルグのサネーとか、レバークーゼン二軍のハイデュク、ドノバンなんかがレギュラーのチームに負ける訳ないだろう。ま、アメリカも決して弱い訳ではないのだが。僕は結果を知ってからビデオで見たのでかなり集中力を欠いた見方しかできてないが、試合としてはまったく面白くないしレベルも高くなかったと思う。カーン様々だよ、まったく。サネーは高く売れるぞ、アウゲンターラーよ。
●という訳で採点だけど、今回はちょっと自信ない。
 GK カーン(1)
 DF リンケ(3.5)、ケール(4.5)、メツェルダー(4)
 MF フリングス(5)、シュナイダー(4.5)、ハマン(4)、バラック(3.5)、ツィーゲ(4.5)
 FW クローゼ(4)、ノイヴィル(3.5)
●で、韓国だよ、韓国。何なんだよ、あれは。ジャッジ云々の話はこの際措くとしても、ちょっと無茶だよな。日本とはハングリー精神みたいなものが違うんじゃないか、やっぱり。兵役免除が大きいかも。日本も優勝したら終身所得税免除ぐらいやったらどうだ。総理大臣表彰なんていらないからさ。もしそうなったら僕なんか目の色変えてがんばっちゃうけどね。ともかくあの異様なモチベーションの高さはすごい。よく組織されてるし、最後まで運動量落ちないし、決してイタリアやスペインよりレベルが高い訳ではないと思うんだけど、ロシア戦で日本が勝ったのと同じ理屈だな。
●それでさ、ドイツの次の対戦相手がその韓国になっちゃった訳よ、これが。まあ、ドイツはブラジルと決勝でやらなければならないので、韓国戦は勝つけどね。でもやりにくいだろうなあ。あとジャッジはフェアにやって欲しいよなあ。それからケールのセンターバックはやめた方がいいんじゃないのかな。リンケは今回がんばってるみたいだから、リンケを真ん中にまわしてバウマン右でどうだ。いや、それよりラメロウは何やってんだ。
●ああ、そうそう、忘れてたがイングランドはやっぱりブラジルに負けちゃったのね。ブラジルも決して「強い」って感じじゃないけど、タレントで勝ってるということなのか。ベッカム様がお帰りになるのは残念だが、これでイギリスも決勝戦の日を臨時の祝日にすべきかとかブレアが決勝戦に来日するべきかとか、いらない心配をする必要がなくなってよかったね。ていうか、まあ、後はおうちでテレビでも見てなさいってこった。
●ええと、公式ガイドブックによれば、大会前の「優勝候補」はフランス、アルゼンチン、イタリア、イングランド、ポルトガル、スペイン、ブラジル、ドイツだったそうなんだが、このうちグループリーグを突破できたのは5チーム、8強に入ったのは4チーム、4強は2チームということで、現実は厳しいと。それにしてもこのうち3チームもご自宅に送還しちゃった韓国はすごいな。南ヨーロッパに何かイヤな思い出でもあるのか。

■2002年6月17日(月) 人気のないドイツ

●8強が出揃いつつある。ドイツ、イングランド、スペイン、セネガル、アメリカ、ブラジル、という訳で、アメリカとセネガル以外はまあ結局順当かな、と。スウェーデンはセネガルに勝つと思ったんだけどな。韓国はよくがんばっているけど、まあ、ここまでだろう。勝ったら結構エラい。リーグでポルトガルに勝ったのとは訳が違うと思うよ。だって、ポルトガルはまさか韓国が勝ちに来るとは思ってなかったんだから。ヒディンク監督も人が悪いわ。
●日本×トルコは実力ではトルコの方が上だと思うが、どちらが勝つかといえば互角で、日本が勝ってもまったくおかしくない。もちろん日本が負けてもまったくおかしくなくて、要はそれがまともなサッカーの試合の条件だということだろう。勝っても負けてもおかしくない試合ができるというのはすごいことなんだから。僕はチームとしては日本を応援するけど、選手としてはバステュークを応援するのでよろしく。で、日本は仮にトルコに勝つと次の相手がセネガル。
●韓国でもその後の試合は結構客が入ってるらしいじゃないか。ということはやはりドイツの人気がなさすぎってことか。しかしどこなんだよ、済州島って…。
●土曜日のドイツ×パラグアイ、「kicker」紙の採点が出た。イェレミースの評価がかなり食い違ってるが、後は趨勢的には一致してるんじゃないか。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。

 GK カーン(1.5/2)
 DF レーマー(4.5/5)、リンケ(3.5/2.5)、メツェルダー(4.5/3.5)
 MF フリングス(3.5/4.5)、シュナイダー(2.5/2)、イェレミース(2/4)、バラック(3.5/3.5)、ボーデ(4/4)
 FW クローゼ(4/4)、ノイヴィル(3/2)
●ドイツは次がアメリカ。侮れない相手だと思う。大会前に一回フレンドリーやったよな、確か。

■2002年6月15日(土) 退屈な試合

●日本が決勝トーナメントに進んで喜んでたらもう今日からその決勝トーナメントが始まってんのな。しかも最初の試合は我がドイツ×パラグアイってことで午後の時間はテレビの前に座ることを余儀なくされたという訳だ。
●ドイツ代表の試合って以前からそうだけど、何だか華麗さがなくて退屈だよな。今日は特に戦い方がやたらに慎重で、パラグアイもカウンターからの速攻がほとんどなく、ドイツに特別に思い入れのない人にはまったくつまらない試合だったと思うよ。ドイツはハマン、ツィーゲ、ラメロウを警告累積で欠き、代わりにイェレミース、レーマー、ボーデを入れてきた訳だが、これを指してドイツは主力を欠いて苦しいというコメントが各方面であり大笑い。飛び抜けた選手がいないのが今のドイツの実態なんだから、この辺のレベルだとだれが抜けてだれが入っても一緒なんだよ、と思ったのは僕だけか。
●後半からレーマーを下げてケールを入れたときには解説の加茂さんが「心配なシーンがあったからでしょうか」と言っていたが、レーマーはもともとケガ上がりでコンディションが万全でなかった訳で、前半の動きを見てやっぱりあかんと思ったというのがありそうな話。心配なシーンという意味ではメツェルダーの方を早く替えるべきだっただろう(メツェルダーもケガしたらしいじゃないか)。同様にヤンカーが出てないのを何かマイナス材料のように言う部分もあったが、あんたらここ2試合のヤンカーの働きを見てなかったのか、デカけりゃいいのかって感じだよな。だれが見てもヤンカーよりノイヴィルだろう。
●だいたいショル、ダイスラー、ノヴォトニー、ヴェアンスがいない時点でつぎはぎの間に合わせチームなんだから、1次リーグの布陣が決して「レギュラー」じゃないのは自明の話じゃないのか。ベーメまで帰っちゃたらしいしな。だから左サイドがボーデなのか。もうボロボロじゃん。
●試合結果は皆さんご存知の通り延長突入かと思われた88分(「後半43分」という言い方がなじめない…)、シュナイダーが右から上げたセンタリングにノイヴィルが右足で合わせそのまま1-0。ノイヴィルはいいよ、やっぱり。僕がブンデスリーガで一番好きな選手だもん。あの猫背と情けない顔がいい。小柄なのもいい。得点できてよかった。あとイェレミースよかったですね。
●あとさ、あの空席の多さは何なのさ。何とかしろよ、韓国。失礼だろう、ドイツ代表に。「W杯韓国組織委員会は、『済州島の地理的制約に加え、物価の違う日韓で入場券が同じ価格のため、韓国人には高すぎることなどが要因』と分析している」らしいが、今頃そんな泣き言入れるくらいなら、初めっからそんなに通貨の弱い国がワールドカップなんか誘致すんなつうの。
●ドイツ代表採点。
 GK カーン(1.5)
 DF レーマー(4.5)、リンケ(3.5)、メツェルダー(4.5)
 MF フリングス(3.5)、シュナイダー(2.5)、イェレミース(2)、バラック(3.5)、ボーデ(4)
 FW クローゼ(4)、ノイヴィル(3)
●日本代表についてはもうここで書くこともないような気もするが、一つ書いておきたいのは、稲本がすごくいい顔つきになってきたということだ。思うに、稲本は、代表のために帰国して日本の仲間と仕事をするうちに、自分がイギリスで目の当たりにしたものの意味とか価値を理解したのではないだろうか。イギリスにいるときは無我夢中で何が何だか分からなかったことが、日本に帰って初めて自分のものになったということだ。これで稲本は一つブレイクスルーを果たしたはずだし、ヨーロッパに戻ったら結構活躍できるかもしれない。
●イングランドも勝った。面白くも何ともないな。

■2002年6月13日(木) さよならクロアチア

●フランスに続いてアルゼンチンもグループリーグ敗退が決まってしまった。フランスにしてもアルゼンチンにしても、これが例えばホーム&アウェイの6試合リーグだったりしたら確実に勝ち抜けてただろうけど、3試合の短期決戦だと何かの歯車が狂っただけでそれを修正できないままにズルズル行ってしまうこともあるということなんだろうと思う。イングランドなんかよりアルゼンチンに出てきて欲しかっただけに残念。
●ブラジルは余裕でコスタリカに勝ったが、この大会でロナウドが復活したのはよかった。ジダンが満足にサッカーをしないまま去った今、もはや半分過去の人になりかかっていたロナウドが実に楽しげにボールを蹴っているのは非常に絵になる。結局それほど前評判の高くなかったブラジルが3勝でグループリーグを勝ち抜いた。そういうものなのかもしれない。トルコも勝ち抜けたが、バステューク出てる?
●イタリアは際どいところでグループリーグを突破した。メキシコ×イタリア、クロアチアの負けがほぼ決定的になって、引き分けなら両チームとも決勝トーナメント進出と決まった最後のロスタイム4分間、ひたすらDFの間でボールをまわすメキシコと、それをカットしに行こうともせずただ手持ちぶさたに眺めているイタリア。これはなかなか笑えるシーンだった。僕は裏ドイツ代表ことクロアチアに入れ込んでいるが、まあ、自力で勝てなかったんだから仕方ないな。
●火曜日のドイツ×カメルーン、「kicker」紙の採点が出た。退場になったラメロウに厳しい点がつくのは予想できたが、シュナイダーの評価が高くてフリングスの評価が低い。あと、クローゼはそんなによかったかなあ。確かにあの得点は貴重だったが。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(2/1.5)
 DF リンケ(3.5/4)、ラメロウ(4/5)、メツェルダー(3.5/3.5)
 MF フリングス(3.5/4.5)、シュナイダー(3.5/2.5)、ハマン(3.5/3.5)、バラック(4/3)、ツィーゲ(4/4)
 FW クローゼ(3/1)、ヤンカー(4.5/5)
●さて、明日は日本×チュニジアなんだけど、なんだって平日の昼間にやるんだろうな。開催国なんだから、せめて夜の時間にやらせてもらいたい。日本は果たしてどんな戦いをするのか。どうせ引き分け狙いとか負けないサッカーとかそういう難しいことはできないんだろうから、しっかり勝ちに行くべきだと思うけどな。こもって守ろうなんて思わないこった。

■2002年6月11日(火) 大安売り

●危ない試合だったが何とかグループリーグを突破した。ドイツとしては負けられない試合ということで、逆に言えば引き分けでもよかった訳だが、40分にラメロウが今日2枚目のイエローカードで退場になってからは大変ヤバい雰囲気だった。0-0だから守りきればいいんだけど、そういう時ってつまらないカウンターやセットプレー一発から失点しがちなんだよね。
●前半を何とか守りきったドイツは、後半は極端に自陣で守る展開。一人少ないんだから仕方ないんだけど、そこでヤンカーに替えて投入していた「ブンデスリーガで最もフェアな選手」ボーデが得点。これでグッと楽になったね。その後も徹底して守備的にしのいだけど、残り10分で「得点王」クローゼのゴールも決まって駄目押し。何にしても不様なことにならなくてよかった。
●それにしてもこの試合、イエローカードの大安売りであり、ドイツ8枚、カメルーン6枚、その割にドイツは2枚もらって退場したのがラメロウだけだったということはそれだけみんなまんべんなくもらったということか。次はラメロウとツィーゲが出られないということだが、右サイドバックにはレーマーが復帰、真ん中はイェレミース、左のウィングはベーメということでどうかな。あ、ハマンも出られないのでケール君でどうか。
●ドイツ代表採点。
 GK カーン(2)
 DF リンケ(3.5)、ラメロウ(4)、メツェルダー(3.5)
 MF フリングス(3.5)、シュナイダー(3.5)、ハマン(3.5)、バラック(4)、ツィーゲ(4)
 FW クローゼ(3)、ヤンカー(4.5)
●閉口したのは何かといえば中津江村を引っ張り出してくる日テレの中継。何とかしてくれ。「地元の皆さんの応援」的メンタリティが何となく甲子園を思わせる。
●フランスはジダンを先発させたもののデンマークに完敗。何というか、ハイライトを見ていると実に華麗なサッカーをやっているのにダメなときはダメなんだな。ジダンの穴がというより、初戦で意外な敗北を喫して「ヤバい情況」になったときの対応ができてなかった感じ。おそらくこの4年間、「逆境」というものと無縁の世界で生きてきたんだろう。2敗1分でグループリーグ敗退だよ。気の毒になあ。賭けなくてよかったな。

■2002年6月9日(日) 売り切れ

●いやいやいや。勝ってしまったよ、ついに。見てる限り日本がロシアより上手いかというと決してそういう訳ではなかったと思うんだけど、この試合に対する力の入り方が圧倒的に日本だったような気がする。ドイツは初戦チュニジアに手堅く勝ち、今日は相手が地元だということもあって引き分けでもいい試合。これに対して日本はベルギー戦が悪くない内容で最終的に引き分けだったために今日は勝つぞという戦い方だったと思う。
●これで日本は勝ち点4。次のチュニジア戦は負けない試合をしたいところだが、まあ、そういう戦い方は日本人のメンタリティに合わないのかもしれない。日本人は曖昧だとよく言われるが、野球だのサッカーだのになるとどうしてこんなに引き分けを嫌うのかな。潔くないということか。だってリーグ戦で延長なんかやっちゃう国なんだもんな。
●ただ、稲本や中田、小野みたいに既に海外のクラブに売れてる選手が活躍しても付加価値的には面白くない。海外のスカウトも、何だ、いいヤツはみんな売り切れじゃんかよ、と思ってるかもしれない。柳沢なんかもうちょっとイヤらしく狙ってみてもいいんじゃないか。
●メキシコ×エクアドルは何の関心もなかったのでテレビはついていたが見ていなかった。トルコはコスタリカと引き分けたらしいじゃないか。ここまでブラジルとスペインが決勝トーナメント進出を決め、メキシコもほぼ当確、日本は「センセーション一歩手前まで来てる(「kicker」紙)ってことらしいぞ。
●今日、新宿の紀伊国屋書店でワールドカップ関連コーナーをチェックしたんだけど、参加各国の正式エントリーメンバーを背番号と顔写真付きできちんと掲載している名鑑が見当たらなかった。どの本もエントリー前に編集しちゃったらしく、ドイツ代表(候補)にダイスラーやノヴォトニー、ショルの名前があったりする。確かに締め切りきついのは分かるけど、どっか一社くらいそういう真面目な資料的価値のあるハンドブックを作ってくれてよさそうだと思いませんか。もしそういうのが(雑誌の増刊とかでもいいから)あったら教えて欲しい。僕はFIFAのサイトから落としたエクセル・ベースのファイルを編集して印刷したけど。

■2002年6月8日(土) やったぜクロアチア

●2日ほどサボってしまったが、その間は飲んで帰ってアルゼンチン×イングランドを見逃したりしてた。一応ビデオあるんだけどどうしようかな。結果分かってるビデオって見る気にならないよね。特にイングランドが勝ってたりすると。
●他にこの間の大きな話題はフランスがウルグアイと引き分けてグループリーグ突破がかなり怪しくなったことか。この試合もきちんとは見てないんだけど、やっぱりジダンがいないとダメなのかなあ。内容は悪くなかったようだし本当に欲しい1点が入るかどうかは結構ツキとか運の部分もあったりするけど、そういう意味で今のフランスはダメなのかもしれない。
●今日はまずイタリア×クロアチア。僕の食事休憩をはさみながら前半と最後の10分だけ見たけど(要は途中の得点シーンは見逃したってこと)、クロアチアは気迫が違ってたね。日本人のクセに根拠もなくイタリアを応援してるミーハーどもの目にもの見せてくれたわ。ははは。僕はイタリアなんかよりコバチ兄弟やツィフコビッチ(今日は出場停止だが)シムニッチやソルドーやフランイェスがいるクロアチアを応援してる訳だよ、当然。
●ブラジル×中国は楽しい試合だった。中国には気の毒だがやっぱりレベルが違うということなんだろうと思った。中国は非常にモラルも高かったし決してひどいサッカーをしていた訳ではなかったと思うけど、一つ一つのプレーの精度、一人一人の選手の練度ではブラジルが圧倒的に強かった。ルシオの攻撃参加はもっとあってよかったが。中国はシェン・ヤンを投入して欲しかった。
●アイルランド戦の「kicker」紙の評点が出たので、前回の僕の採点と併せて掲載しておく。テストの答え合わせの気分。傾向は概ね外してないけど、「kicker」の方が厳しいかも。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(1.5/1)
 DF リンケ(3.5/3)、ラメロウ(3/3)、メツェルダー(4/3)
 MF フリングス(4/4.5)、シュナイダー(3.5/3)、ハマン(2.5/2)、バラック(3/4)、ツィーゲ(4/5)
 FW クローゼ(3/2.5)、ヤンカー(3.5/5)

■2002年6月5日(水) ああ、もったいない…

●勝ってた試合なのにロスタイムに失点。引き分けという結果自体はそんなに悪くないし、むしろ今日は引き分けでいいという試合だったはずだが、前半に1点取ってしまった以上はやはりこれを守りきって勝つという試合をしなければならなかったところだろう。
●内容的には無理に攻め込まない「負けなければそれでいい」型のスタートだったが、20分にクローゼのヘディングで先制してからは露骨に「後は守るだけ」。危ない場面もあったがカーンのセーブに救われた。あんなに飛び出したカーンも初めて見た気がする。インターセプトからの遠慮がちな攻撃もいくつか決定的なチャンスを外した。あそこまで守ったらロスタイムも守りきらんかい。残念だが次のカメルーン戦に負けないことだ。それしかない。
●今日もスキベには一言も言及がなかった。だれか紹介してやれよ。顔は何となく情けないけど重要人物なんだよ。
●ドイツ代表採点。
 GK カーン(1.5)
 DF リンケ(3.5)、ラメロウ(3)、メツェルダー(4)
 MF フリングス(4)、シュナイダー(3.5)、ハマン(2.5)、バラック(3)、ツィーゲ(4)
 FW クローゼ(3)、ヤンカー(3.5)
●ポルトガルがアメリカに負けたらしい。ポルトガルといえばベンフィカ・リスボンのエンケがバルセロナに移籍するんだって。グラードバッハに欲しかったのに。ワールドカップとは関係ないけどさ。

■2002年6月4日(火) 歴史を作った?

●昨日はイタリア×エクアドルの後半を見ただけなんだけど、日本のメディアってイタリア好きなのね(あとイングランドとスペインもね)。確かにいい選手揃ってるし魅力的なサッカーをするけど、要は他の国より知名度が高いというだけのことではないのか、と。この顔合わせだとブンデスリーガの選手がだれもいないので僕としては別に興味の持てない試合だった。
●ブラジル×トルコは是非中継で見たい試合だった。こっちの方が地上波でやるべき試合じゃないかと思う。バステュークをしっかり見たかったね。あとブラジルはエマーソンが欠場。ルシオは出てたみたいだけどハイライトだけじゃよく分からなかった。問題のPKはビデオで見る限りペナルティ・エリアの外だろうと僕も思うが、まあ、トルコは不運だったってこった。
●誤審だという指摘はあって構わない、というかむしろなされるべきだと思うけど、だからといって結果が変わる訳でもなし、そういう審判の判断の妙も含めてスポーツなんだから仕方ない。もちろん審判は審判でケチのつけようのない判定ができるよう研鑽して欲しいが、あれは違ってると思いますよ、と教えてあげる以上のことはしても無意味だと思う。
●で、今日、日本×ベルギーも後半から見た。前半は一応録画してあるけど、得点がなかったのも分かってるしたぶん見ないと思う。2-2は悪くないし、内容からしても納得のできる結果だと思うが、勝っていてもおかしくなかった。僕は日本一色に染まったスタジアムで奮闘するヴィルモッツ一派にも肩入れしたいアンビバレントな心情だったが、まあ、どっちも負けなくてよかったねというくらいの感じ。初戦で勝ち点を取れたのは御の字だろう。
●韓国×ポーランドはもう完全にポーランドに肩入れして見てたんだけど、韓国は強かった。というより異常にモチベーションが高くてそれが動きによく表れてた。ヴァルドッホ、ハイト、クルツィノヴェック、カルツィニー、クロス、クリサロヴィッチとブンデスリーガでなじみの選手を揃えたポーランドがあっさり負けてしまったのは悔しい。ポーランドは日本とやった親善試合でもパッとしなかったし、今ひとつ迫力に欠けるね。
●ただ、韓国が勝った瞬間に「韓国勝ちましたぁ、歴史を作りましたぁ」と絶叫するアナウンサーには心底白けたね。何じゃそりゃ。そんな大げさなもんか。所詮よその国の話やないですか、と思ってしまう僕は「共催マインド」が足りませんか?
●さて、土曜日のドイツ×サウジアラビア、「kicker」紙の採点が出たので僕の採点と並べて掲載しておく。「僕の採点/kickerの採点」の順。5点法で数字が小さいほど評価は高い。3.5が標準点で、あまりに動きが悪かったときは例外的に5.5や6も出る。
 GK カーン(3.5/3)
 DF リンケ(3/2)、ラメロウ(3/2)、メツェルダー(3.5/3)
 MF フリングス(3.5/2.5)、シュナイダー(2.5/1.5)、ハマン(3/1)、バラック(2.5/1)、ツィーゲ(3/3)
 FW クローゼ(1/1)、ヤンカー(2.5/2)

■2002年6月2日(日) よくやったスウェーデン

●アルゼンチン×ナイジェリアはレベルの高い試合だった。スピードも速いし当たりも激しい。たまたまアルゼンチンが勝ったが、ナイジェリアもこのグループを勝ち抜ける実力は十分あると思う。ウェストの髪型は相変わらずだったが、アナウンサーがそれに言及してくれなかったのが淋しかった。プラセンテは予想外の先発だったがよく働いていたんじゃないか。
●「お紅茶」というのも可愛いが、「馬場野郎」というのも何かインパクトあっていいね。ナイジェリアの選手の名前は楽しい。
●パラグアイ×南アフリカは地上波放送がなかった。まあ、ボッフムのバックリーは出てなかったようだし。サンタクルーズ君は元気だったのかな。アイドル顔してるんだから日本のミーハー婦女子のために中継してやるべきではなかったかね。
●で、イングランド×スウェーデン。半分寝ながら見てた。ハーグリーヴスが先発していたのには驚いた。こいつ、見るたびにジーザス&メリーチェインとか思い出しちゃうんだよな。スウェーデンはなかなかいいチームだと思う。パトリック・アンダーソンがケガか何かで欠場していたのが残念だったが、ロストックのヤコブソンががんばってた。イングランドはジェラードの欠場が痛いんじゃないか。今日はベッカムもオーウェンもあんまりいいところがなかった。僕としてはこの組はもつれて欲しいので1-1の結果は悪くない。追いついたスウェーデンは偉い。
●夜はスペイン×スロヴェニア。スペインが勝っても面白くないので何となくスロヴェニアに肩入れして見ていたが(クナヴスやノヴァックが出てるし)、スロヴェニアはPKを二つもらい損ね、逆に一つ無理目のPKを取られて1-3で負けてしまった。スペインはさすがに流麗なサッカーをやるが、ちょっとお上品な気がした。迫力ではスロヴェニアが勝っていたと思う。

■2002年6月1日(土) オレオレ!ゲルマン魂見せたれ!!

●まず昼間カメルーン×アイルランドを見た。前半エムボマのゴールについ喜んでしまったが、よく考えるとカメルーンとアイルランドのどちらかが勝ち点3をゲットするのはドイツ的にはあまり嬉しくない。心情的にはカメルーンに入れ込んでいたが(ケルンのソングもいるし)、後半アイルランドが追いついた後は「このまま終わってくれよな」と祈っていた。
●カメルーンは前半こそ果敢に攻めたものの、後半やや単調になり受け身にまわってしまった。でもアイルランドも決してよくはない。キャプテンのサスペンドがどの程度影響しているのか分からないけど、何だか核を欠いたチームのように思えた。ともかくこの2チームがつぶし合ってくれて大変助かった。
●デンマーク×ウルグアイは地上波の放送がないのでダイジェストのみ。トマソンは小野の同僚ということで妙に知名度が上がっているが(放送で「小野のチームメイトです」なんて無意味なコメントを入れるのはいかがなものか)、この試合では2得点。僕としては当然シャルケのサンドの方を注目していたのだが、開始早々にダイビングヘッドを外したシーンしか映らなかった。イカつい顔のテフティングが元気そうにCKを蹴ってたのが嬉しかった。グラードバッハのニールセンは残念ながら代表落ちしたようだ。
●さて、注目のカード、ドイツ×サウジは予想外の大味な展開となってしまった。この勝利はもちろん星勘定的に大変価値のある1勝だが、よかったのはクローゼという今大会の目玉が出たこと。こういう大会では前評判や実力やそれまでの実績、場合によってはその後の実績ともまったく関係なく、その大会でだけ異常にいい活躍をする選手が出たりする。僕は別にクローゼが今大会だけの選手だとは思わないが、ヤツがそういうラッキーボーイ的な強運を手にしているのだとすればそれは重要なことだ。でも、ブンデスリーガではゴールを決めるたびに披露している宙転を、今日は1回しか見せてくれなかったのは残念だった。
●今日の試合で最も重要だった得点は5点目だろう。前半一方的に4-0とリードし、ハーフタイムにサウジが修正してきた後、後半まったく得点できない尻すぼみはマズい。だから後半には1点でいいからゴールを決めておく必要があった。クローゼが入れた後半最初の得点はその意味でとても価値があった。その後のビアホフの得点、シュナイダーのFKなんかは余興みたいなものだ。
●今日の試合、ドイツは決して強かった訳でも素晴らしかった訳でもなかった。ただ、相手からまったくプレッシャーがかからない楽な情況の中で、要求されることをきちんと果たしただけのことだ。何度も練習してきたことを本番でその通り表現できたという意味では評価されてしかるべきだが、何か大変なことをやり遂げたという試合ではない。サウジがよほどどうかしていたのだ。あと、場所が涼しい札幌で、しかも夜の試合だったというのもラッキーだった。
●それにしても日本のテレビでラメロウとかリンケとかフリングスとか映るのは何とも妙な気分だ。あと、まあ無理だとは思うけど、スキベ「監督」をもっと紹介してやれよ。フェラーは「監督」じゃなくて「チーム長」に過ぎないんだからさ。そんな肩書きの問題は別にしても、ドイツ代表の強化の中でスキベが果たしている役割は少なくともフェラーと同等以上のものがあるはずだぞ。
●じゃ、恒例のドイツ代表採点。
 GK カーン(3.5)
 DF リンケ(3)、ラメロウ(3)、メツェルダー(3.5)
 MF フリングス(3.5)、シュナイダー(2.5)、ハマン(3)、バラック(2.5)、ツィーゲ(3)
 FW クローゼ(1)、ヤンカー(2.5)
●ともかく、これでドイツはカメルーンとアイルランドのどちらかに勝てばそれでよし、両チームと引き分けてカメルーンとアイルランドがともにサウジに勝っても得失点差でたぶんグループリーグを勝ち抜けるだろう。喜ぶのは早いがすごく楽になった。
●ところでこれは何度か書いたことだけど、僕は「ゲルマン魂」という言葉が大嫌いだ。なぜならあれはドイツ・サッカーの特質を語るときに、その内実をきちんと検証したり分析したりする手間を惜しんでステロタイプに逃避する思考停止の最たるものだからだ。

■2002年5月31日(金) ジョルカエフ受難の日

●仕事から帰ったら8時前だった。開会式はほとんど見損ねたが別にあんなものはどうでもいいだろう。ちょっとだけ見た印象では日韓共催のわりに韓国色が強すぎないかという気もしたが、いずれにしてもサッカーじゃないんだから大した問題じゃない。
●で、開幕試合のフランス×セネガルなんだけど、セネガル強かった。モラルもモチベーションもとても高かった。フランスも別にまずいサッカーをしてた訳ではないと思うけど、自分たちが1点負けてるという事実か、ここでセネガルに負けるとグループリーグ突破が一気に苦しくなるという事実のどちらかがきちんと認識されていなかったのではないかと思う。後半は猛攻を仕掛けたということになってるけど、それでも僕にはすごく淡々と試合をしているように見えた。
●ジョルカエフは何度もテレビに映ったけど、ジダンの代役という見られ方は気の毒だったと思う。ジダンの代わりはだれもできない。その穴を全員で埋めていて、ジョルカエフもその一人だったというだけのことに過ぎない。ラウテルンで不遇をかこち(半分以上は自業自得だが)、シーズン途中で移籍を余儀なくされた後で回ってきたチャンスだったけど、あのクローズアップのされ方はフェアじゃないと思った。リザラズにはもうちょっと熱血を見せて欲しかった。アンリはやっぱり上手かった。
●セネガルはアフリカのチームにありがちと言われるムラや個人プレーがなく、すごく組織的でスピードのあるいいチームだった。まあ全員がフランスリーグで戦ってるんだからそれも当たり前かもしれない。逆にフランス代表の選手の多くはふだんフランス国外のリーグで戦ってる訳だから、フランス人はきっと複雑な気持ちでこの試合を見ていたことだろう。どっちがフランス代表なのか分かりゃしねえ、みたいなさ。
●ともかく、この敗戦でフランスのグループリーグ突破は急に怪しくなってしまった。仲間うちでフランスの優勝に賭けてしまった人は考え直した方がいいかもしれない。
●あと思ったんだけどさ、このアジアの蒸し暑さはヨーロッパのチームには結構厳しいかもしれない。こないだのイタリア代表×鹿島アントラーズの練習試合の時も、イタリア代表は後半目に見えてヘバッてたからな。フランスの敗戦はもちろんそのせいだけじゃないけど、アフリカ人とヨーロッパ人じゃ暑さ慣れは違うんじゃないのかな。このファクターは結構大きいかも。



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