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アルバム「VISITORS」がリリースされた1984年5月、あなたは何歳で、どこで何をしていましたか。

――14歳、まだ何の選択肢も与えられていない中学2年生。友達同士集まっては麻雀ばかりしていた。

「VISITORS」はいつ頃、どのような形で買いましたか。

――当時レコードを買うというのはかなりの決断が必要だったがこれは発売を心待ちにしていて買った。ストリート初期三部作に身も心もどっぷりと浸かっていたし、ニューヨークでの修行の成果を一刻も早く聴きたかったので。

あなたは「VISITORS」をどのように聴きましたか。

――「佐野元春は死んだと思った」
これは、当時定期購読していたFM雑誌の読者投稿コーナーからの一文である。印象深かったので今でも覚えているのだが、そこまではいかないにしても僕も かなりの衝撃を受けた。「Tonight」「New Age」あたりに従来の輝きやキャッチーさが多少残されていたが全編を通して抑揚がなく歌われる歌詞やファンキーチューンなサウンドには違和感を感じずにはいられなかった。特に「Shame」は全く理解できず、いつもこの曲だけはスキップして聴いていた。「正しい」とか「正しくない」とかはどっちでも良くて、ただ陽気に楽しくストリートを歌って欲しかったのだ。
それでも今となってはこんなに聴くアルバムは無いという位にこのアルバムを聴いた。何しろ当時のお小遣いの大部分を投入して買ったアルバムなのだ。そのかいあってかどうかはわからないが違和感は徐々になくなり、全ての楽曲を歌えるようになった頃には前出の2曲に加えて「Come Shining」や「Visitors」など他の楽曲も好んで聴くようになっていた。

「VISITORS」というアルバムは何だったのだと思いますか。

――分岐点。あの時に「VISITORS」を出したことによって元春は無難ないかにもリスナーが好みそうな楽曲だけではなく、自分のやりたい音楽をどんどん追求できるようになった。僕なんかはたまについて行けなくなりそうになりながらも、何かを期待して追い続けている。

「VISITORS 20th Anniversary Edition」は買いましたか。

――Yes。レコートプレイヤーが故障してから「VISITORS」はすっかり封印されていたので、懐かしい思いとともにタワーレコードで購入した。音がずいぶん分厚くなった印象。しかし、あれから20年もたつとは…。


kasf
東京生まれ東京育ち。大学卒業まではレールの上を順調に走ってきたが、卒業後は定職にもつかずに自分探しの名目で彷徨い続ける。現在は変わったいきさつの末、フリー雀荘を営むことに。嫁もこの事態にはさぞかし驚いているはずだ。A型の三男坊、すでに激痛を伴う尿管結石を2度経験している。



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