A Story About You / case 8 アニキ アルバム「VISITORS」がリリースされた1984年5月、あなたは何歳で、どこで何をしていましたか。 ――7歳。小学校2年生でした。 「VISITORS」はいつ頃、どのような形で買いましたか。 ――高校2年か1年の頃。シングル「ジャスミンガール」をきっかけに佐野さんを聴くようになってました。 あなたは「VISITORS」をどのように聴きましたか。 ―― 佐野元春のアルバムの中で最も好きなアルバムのひとつです。日本的なサウンドプロダクションになってないのが長く聴ける要因では。 「VISITORS」というアルバムは何だったのだと思いますか。 ――佐野元春が第三者との繋がりを放棄したアルバムだと思う。表現的にはそういった圧迫から逃れて言葉が最も生きているアルバム。逃避のアルバムとも言えるのでは。おかげでアーティストエゴが爆発し優れた作品になったと思う。「つかの間の自由をビートに任せて転がり続けな」とか「数え切れない痛みのキス星屑みたいに降ってくる」とか「キミの身代わりにその深い悲しみを背負うことは出来ないけれど」「誰もわかってくれない」といったフレーズが、凄く突き放した感じがしてクールだ。 当時のモトライオンの生活がどんなものだったか知らないが、おそらく相当ヘヴィで退廃的・享楽的なモノだったんじゃないか。なんか凄く殺伐とした雰囲気を感じる。 聴き手の共感や繋がりを放棄し、その上で支持を得たという点でホント稀なアルバム。 音楽的には言われるほどヒップホップな感じはしない。ただ、前後のアルバムと比べて、演奏に緊張感があってよいと思う。ハートランドの演奏より好きです。 「VISITORS 20th Anniversary Edition」は買いましたか。 ――聴いてみたいが買ってないです。
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