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アルバム「VISITORS」がリリースされた1984年5月、あなたは何歳で、どこで何をしていましたか。

――もうすぐ18歳になる、都立高校の3年生。
周りがだんだん受験モードに突入して行く中で、「今からやっても受験当日まで覚えていられるわけがない」という理由で勉強もせず、気楽な日々を送ってた気がします。何の実績も経験もなかったけど、根拠のない妙な自信はあった。
この社会の中でうまく生きていけるという自信。
今はもうないけど。

「VISITORS」はいつ頃、どのような形で買いましたか。

――詳しくは覚えてないけど、熱狂的と言えるほどの佐野元春ファンだったので、リリース当日に買ったと思います。遅くとも2〜3日以内には買ってるはずです。どこで買ったかは忘れましたが、たぶん学校の帰りに買ったのでしょう。

あなたは「VISITORS」をどのように聴きましたか。

――心を奪われ、毎日毎日、何度も何度も聴いてました。
昼間は許される限りのボリュームで、夜中はヘッドフォンで。
レコードが擦り切れるのがもったいないのでテープにダビングしたりしてた。
サウンドストリートでTonightやComplication Shakedownをリリース前にちょっとだけ聴いてたので、なんとなくSomedayの延長ではないことは予想してたけどそれでもフルアルバムで聴くとすごい衝撃だった。
当然、VISITORSツアーにも行きました。
徹夜して渋谷公会堂に友達と並んでチケットを手に入れて。
ものすごく寒かったのを覚えてます。
その後、知り合いからVISITORSツアーの海賊テープを入手して、これも毎日のように聴いてました。
VISITORSツアーのビデオもよく見てました。
ビデオ見ながら横内タケさんのギターをコピーしたりして。
それで、どうしてもNYに行きたくなって、バイトで貯めたお金で20歳の夏に1ヶ月アメリカに行きました。
NYには1週間しかいられなかったけど、ウォークマンでVISITORSやElectric Gardenを聴きながら一人でただ街を歩いてた。
VISITORSを聴きながら歩くと、良いリズムで歩けます。

「VISITORS」というアルバムは何だったのだと思いますか。

――その後の僕の人間形成にもっとも大きな影響を与えたもの。
クリエイティブなパワーにあふれた80年代の傑作アルバム。

「VISITORS 20th Anniversary Edition」は買いましたか。

――はい。リリース翌日の2/26に渋谷のタワーレコードで。


subterranean
ウェブサイト「mood.」のオーナーでありウェブ・デザイナー。佐野元春の「Spoken Words」と「In motion 2001」のサイトは彼のデザインによるもの。「Mystery Around GRASS」にも原稿を提供してもらった。



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