logo ビデオ・DVD解説 2018-


THE BARN TOUR '98 LIVE IN OSAKA / THE WOODSTOCK DAYS
●2018.3.28 ●Sony Music Direct ●MHXL 43-44
THE BARN TOUR '98 LIVE IN OSAKA
(2018 REMASTERED EDITION)
[Blu-ray Disc MHXL 43]
●ヤング・フォーエバー
●風の手のひらの上
●ヘイ・ラ・ラ
●どこにでもいる娘
●誰も気にしちゃいない
●マナサス
●ドライブ
●ドクター
●ソー・ゴウズ・ザ・ソング(ラブ・プラネッツ)
●7日じゃたりない
●ロックンロール・ハート

THE WOODSTOCK DAYS
[DVD MHXL 44]
●Interview & Document 1
●ドクター
●Interview & Document 2
●風の手のひらの上
●Interview & Document 3
●ヤング・フォーエバー
●Interview & Document 4
アルバム「THE BARN」のリリース20周年を記念したスペシャル・パッケージ「THE BARN DELUXE EDITION」付属のブルーレイ・ディスクとDVD。

「THE BARN TOUR '98 LIVE IN OSAKA」は1998年にリリースされた同タイトルのビデオとほぼ同内容で、1998年3月29日大阪フェスティバルホールで行われたツアー最終日のライブの模様を収録したライブ映像であるが、唯一『マナサス』のみが今回のリリースで新たに追加収録されている。「最新技術によるレストア・リマスター」が施されているらしい。ブルーレイ・ディスクに収録。

「THE WOODSTOCK DAYS」は1997年秋に行われたクラブ・サーキット・ツアー「アルマジロ日和」のオープニング映像として公開されたもので、ほぼ同内容で1997年12月21日にNHK-BSにて「佐野元春 in Woodstock The Hobo King Band Recording」のタイトルで放送されたもの。メディアはDVD。

内容的にはレコーディング・ドキュメントで、『ドクター』『風の手のひらの上』『ヤング・フォーエバー』のクリップやレコーディング風景のカットを挿みながら、番組ホステスのライター能地祐子が、佐野を初めとするバンド・メンバー、プロデューサーのジョン・サイモン、エンジニアのジョン・ホルブルック、ゲスト・ミュージシャンでラヴィン・スプーンフルのメンバーであるジョン・セバスチャンらにインタビューする内容となっている。

そういえばこの番組は見たことがあって、自宅のどこかに録画したものが残っているはずだ。オフ・ショットも含め、まさに森の中の山小屋というスタジオ環境がよく分かり、このアルバムのまとう空気感を理解する良質な「サブ・テキスト」になっている。

ジョン・サイモンらの英語のコメントの日本語訳字幕にやや意訳や誤訳、省略が見られるようにも思うが、まあ問題のない範囲。


自由の岸辺
●2018.5.23 ●DaisyMusic ●POBX-9395
●夜に揺れて
●ハッピーエンド
●ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
●ブルーの見解
●僕にできることは
アルバム「自由の岸辺」付属のDVD。

『夜に揺れて』と『ハッピーエンド』はビデオ・クリップ、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』『ブルーの見解』『僕にできることは』の3曲は2017年11月29日、ビルボード・ライブ東京でのライブ。


FILM NO DAMAGE
●2018.10.24 ●Sony Music Direct ●MHXL 49(BD)/MHBL 330(DVD)
●悲しきレイディオ
●ガラスのジェネレーション
●グッドバイから始めよう‐TVCM撮影風景
●ハートビート
●ハイライト映像‐「ベッド・イン」パフォーマンス・パロディ
 ■スターダスト・キッズ
 ■ソー・ヤング
 ■君を探している(朝が来るまで)
 ■彼女はデリケート
●ザ・ハートランド・ハッピーマン・メドレー
●ロックンロール・ナイト
1983年3月17日、18日に中野サンプラザホールで行われたライブの模様を中心に、『グッドバイから始めよう』のTVスポットの撮影風景や、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのベッド・イン・パフォーマンスを模したパロディ映像などを盛り込んだ映像作品。監督は井出情児。

1983年当時、フィルム・コンサートとして全国のホールで上映されたが、その後は長く見ることができなくなっていたもの。2013年に劇場で公開され、「No Damage Deluxe Edition」のパッケージの一部としてDVDでリリースされていたが、改めて映像メディア単独で発売されたもの。

作品としてのレビューは劇場公開時のレビューと「No Damage Deluxe Edition」リリース時のレビューを参照して欲しいが、この歴史的な映像が単体できちんと入手可能になったことは喜ばしい。

『ハートビート』に挿入された高速道路の走行シーンで、夜明けに照明がフッと消える瞬間の映像と、『ハッピーマン・メドレー』の最後でステージ下に降りた佐野と伊藤銀次がすれ違いざまにハイタッチするシーンがハイライト。必見としか言いようがない。


2018 'MANIJU' TOUR FINAL AT TOKYO DOME CITY HALL
●2018.12.26 ●DaisyMusic ●POXE-29003(BD)/POBE-3808(DVD)
●境界線
●君が気高い孤独なら
●ポーラスタア
●私の太陽
●紅い月
●いつかの君
●世界は慈悲を待っている
●La Vista é Bella
●空港待合室
●優しい闇
●白夜飛行
●現実は見た目とは違う
●天空バイク
●悟りの涙
●詩人を撃つな
●朽ちたスズラン
●新しい雨
●夜間飛行
●純恋(すみれ)
●禅ビート
●マニジュ
Encore
●新しい航海
●レインガール
●約束の橋
●ヤァ!ソウルボーイ
●スウィート16
●アンジェリーナ
2018年4月1日にTOKYO DOME CITY HALLで行われた「MANIJU」ツアー千秋楽の模様を全曲収録したもの。MCは一部割愛されているようだが、画質、音質ともに高く、ライブの様子を克明に捉えた記録として良質な作品。

この日のライブは前年にリリースされたアルバム「MANIJU」の収録曲を『蒼い鳥』を除いて全曲演奏するとともに、ライブ本編はすべてアルバム「Coyote」以降の曲で固めるという意欲的なセット・リストで佐野の表現の最前線を強く印象づけたライブ・パフォーマンス。ライブそのもののレビューは別稿を参照して欲しいが、それがこうやって残されることには大きな意味がある。

『白夜飛行』『夜間飛行』という対をなす双子のようなナンバーを軸に、オーディエンスを「気休めのダンス」を誘うライブの構成はツアーでもこの日限りのもので、アルバム「MANIJU」はこの日のパフォーマンスをもって完結したと言ってもいい。

アルバムから唯一ライブで演奏されなかった『蒼い鳥』は当日客出しのBGMとして会場に流されていたが、この作品でもエンドロールのバックにきちんと挿入されており、きちんと神経が行き届いていて好感が持てる。

2時間を超える長尺で何度も見返すことは正直ないかもだが、特に本編後半のアルバム「MANIJU」からのパートだけでも繰り返し見るに足る迫力があり、佐野とコヨーテ・バンドとの共同作業のひとつのハイライトとなり得るライブ・パフォーマンスでありパッケージである。

僕自身、ライブ・ビデオというものにはもともとあまり深い思い入れはないが、それでもこの作品に見入ってしまうのは、そもそもライブ自体に強い訴求力、喚起力があったからであり、佐野が最近の自らの表現やバンドとの紐帯に大きな手ごたえと自信を感じているからだろう。


SMOKE & BLUE 2019
●2019.12.18 ●DaisyMusic ●POXE-3801(BD)/POBE-3809(DVD)
●ジュジュ
●月と専制君主
●日曜の朝の憂鬱
●トーキョー・シック
●クエスチョンズ
●コンプリケーション・シェイクダウン
●愛のシステム
●ハッピーエンド
●僕にできることは
●夜に揺れて
●最新マシンを手にした子供達
●ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
2019年4月4日にビルボードライブ東京で行われたステージの模様を収録したライブ・ビデオ。アーティスト名義は「佐野元春 & THE HOBO KING BAND」となっており、バンドは佐野の他、古田たかし、井上富雄、Dr.kyOn、長田進。『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のみ佐橋佳幸がゲスト参加している。

「SMOKE & BLUE」は2012年から始まり、2013年と2018年を除いて毎年ビルボードで行われているシリーズ・ライブで、HKBのメンバーを中心に、年によってはチェロを加えたり、ゲストを迎えたりして続いてきたもの。

コヨーテ・バンドとの活動ではほぼアルバム「COYOTE」以降の曲を中心に演奏されるのに対し、このライブでは概ねそれ以前のレパートリーを、アンプラグドを意識した新しいアレンジで聴かせる。

セルフカバー・アルバム「月と専制君主」「自由の岸辺」の系譜とのシンクロニシティを年々深めており、実際この日演奏されたナンバーも『トーキョー・シック』『コンプリケーション・シェイクダウン』『愛のシステム』を除いてはその2枚のアルバムに収められている。

これまで足かけ8年にわたって続いているシリーズ・ライブだが映像作品としてパッケージ化されるのは初めて(雪村いづみとのコラボ・アルバム「トーキョー・シック」の付属DVDとして、2012年5月10日のライブから雪村がゲスト出演した4曲が、アルバム「自由の岸辺」付属DVDにも2017年11月29日から3曲が収録されている)。その意味で貴重な記録であり、演奏もこなれてライブの特徴をよく表現したものとなっている。

僕は3月14日のセカンド・ステージを見たが、セット・リストは日程によって微妙に入れ替わりがあるようだ。当日のライブではここに収録された12曲の他にも『君がいなければ』『エンジェル・フライ』『ドライブ』が演奏されており、パッケージの尺にも余裕はあるはずなのになぜかオミットされているが、結果として64分にまとまり、日常生活の中で見るにはこれくらいがちょうどいいのかもしれない。


40周年アニバーサリー*YAH! 日本武道館・大阪城ホール
●2021.12.22 ●DaisyMusic ●DMBRD-005(BD)/DMDVD-26(DVD)
●ジュジュ
●ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
●新しい航海
●レインガール
●ダウンタウン・ボーイ
●レインボー・イン・マイ・ソウル
●ハートビート
●ワイルド・ハーツ
●愛が分母
●合言葉 〜 Save It for a Sunny Day
●ヤァ! ソウルボーイ
●ロックンロール・ナイト
●ヤング・フォーエバー
●朽ちたスズラン
●禅ビート
●ポーラスタア
●バイ・ザ・シー
●東京スカイライン
●La Vita é Bella
●エンタテイメント!
●純恋(すみれ)
●誰かの神
●空港待合室
●優しい闇
●ニュー・エイジ
●悲しきレイディオ
●ヤングブラッズ
●サムデイ
●アンジェリーナ
●約束の橋
デビュー40周年記念として2021年3月13日日本武道館、4月4日大阪城ホールで行われたライブ・パフォーマンスの模様を収めた映像作品。武道館では29曲、大阪城ホールでは武道館のセットリストに『Young Bloods』を加えた30曲が演奏されたが、本作では全30曲が両日のステージのいずれかからセレクトされ(武道館16曲、大阪城ホール14曲)、セットリスト通りに構成されている。

バッキングはコヨーテ・バンドに大井'スパム'洋輔(パーカッション)、Dr.kyOn(キーボード)、山本拓夫(サックス)、西村浩二(トランペット)を加えた編成で「THE COYOTE GRAND ROCKESTRA」とのクレジット。片寄明人のナレーションによるドキュメンタリー映像が2箇所挿入されている。

レーベルはDaisyMusicだが、販売元は前作までのユニバーサルから、ソニー・ミュージックソリューションズに変更されている。初回限定デラックス盤としてブックレットを同梱したBlu-rayディスクと、通常盤のDVDの2種類のパッケージでリリースされた。

このライブは新型コロナウィルス感染症のパンデミックのさなかに、いわゆる第4波と第5波の間を縫うようにして行われた。一席ずつ間隔を空け、検温や連絡先の確認など厳重な感染防止対策を取ったうえ、ライブ中は声出しが禁止された。佐野が「歌詞を知っている人がいたら一緒に歌ってください。心の中で」と繰り返しMCしているのが確認できる。

観客の歓声や歌声が一切ない、バンドの演奏、佐野のボーカルと、あとは拍手、手拍子のみのライブの様子がこうして記録に残されるのは貴重かもしれない。ライブ・レコーディングという意味では、演奏のニュアンスがはっきり、クリアに伝わってきて、これはこれで悪くないとも思った。

このツアーの前までは、ライブではコヨーテ・バンド以降の曲がほとんどで、いわゆるクラシックスはアンコールでわずかに歌われるのみというのが通例になりつつあったが、このツアーでは周年企画ということもあってか、『アンジェリーナ』から配信のみでリリースされているこの時点での最新曲『合言葉』まで、キャリアを総括する選曲となった。

僕は武道館でライブを見ており、その時の様子はライブ・レビューにまとめているが、コヨーテ・バンドをコアとするバッキングは手堅く、安定感、充実感のあるステージだった。その様子を高い画質でよく捉えたライブ・ビデオに仕上がっていると思う。この時期のパフォーマンスの記録として重要な作品となるだろう。

なお、この作品からは20曲が10月23日にWOWOWで先行して放送された。



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