logo ビデオ・DVD解説 2014-


トーキョー・シック TOKYO CHIC
●2014.2.12発売 ●Victor ●VIBY-784
レコーディングドキュメント&ミュージッククリップ
●もう憎しみはない(レコーディングドキュメント)
●もう憎しみはない(ミュージッククリップ)
●こんな素敵な日には(レコーディングドキュメント)
●こんな素敵な日には(ミュージッククリップ)
●Bye Bye Handy Love(ミュージッククリップ)
●トーキョー・シック(レコーディングドキュメント)
●トーキョー・シック(ミュージッククリップ)

Billboard Live TOKYO ライブ収録映像
●LOVE
●トーキョー・シック
●恋人になって
●ケ・セラ・セラ
雪村いづみとのコラボ・アルバム「トーキョー・シック」付属のDVD。収録時間は約31分。

前半はアルバムのレコーディング・ドキュメントと収録曲のミュージック・クリップ。レコーディングは2012年4月18日にアバコクリエイティブスタジオで行われたもので、佐野、雪村の他、編曲・指揮を手掛けた前田憲男、エンジニアの行方洋一、セッションに参加したミュージシャンらの様子が収められている。

ミュージック・クリップはアルバム収録の全4曲分が収録されているものの、楽曲がフルサイズで収められているのは『トーキョー・シック』のみであり、他の曲は一部のみの紹介にとどまっている。内容的にはスタジオでの収録風景をつなぎあわせたもので、特にクリップのためのロケハン、ビデオ・セッション等はなされていない。

後半は2012年5月10日にビルボード・ライブ東京で行われたライブの中から、雪村いづみをゲストとしてフィーチャーした4曲を収録。バンドはHKBと紹介されているが、ギターの佐橋佳幸は不参加で、代わりにチェロの笠原あやのが入っている。『トーキョー・シック』以外はスタンダードのカバーであり、佐野の音源にこうした形でカバーが収録されるのは珍しい。

内容的にはアルバムのボーナス・ディスク以上のものではないが、映像として希少性のあるものであり、特にセッションの様子は興味深い。また、ビルボードでのライブはこれまでのところ映像化されておらず、雪村メインの収録ではあるが当日の雰囲気を知る上でも貴重なものであることは間違いない。


VISITORS REVISITED -Documentary Now and Then
●2012.10.29発売 ●Sony Music Direct ●MHCL 30266(DVD)
プロローグ

MSRスタジオ・ドキュメンタリー:
●ライト・トラック・スタジオにて
●レコーディングをふり返って -佐野元春/ジョン・ポトカー
●未収録曲「CONFUSION」ミュージック・クリップ
●未発表ライブ映像の発見

ライヴ・ドキュメンタリー:
●ウェルカム・トゥ・ザ・ハートランド
●アンジェリーナ
●ヴィジターズ
●カム・シャイニング
●ワイルド・オン・ザ・ストリート
●コンプリケイション・シェイクダウン
●ヤングブラッズ
アルバム「VISITORS」の発売30年を記念してリリースされたスペシャル・パッケージ、「VISITORS DELUXE EDITION」のDISC FOURとしてリリースされたCD。内容は「MSRスタジオ・ドキュメンタリー」と「ライヴ・ドキュメンタリー」の二部構成となっている。収録時間は約71分。

まず、「MSRスタジオ・ドキュメンタリー」では、佐野がアルバム制作から30年を経て当時のレコーディング・スタジオを再訪、そこで当時のエンジニアであったジョン・ポトカーに再会する経緯をドキュメンタリーとして追っている。

アルバムのアウト・テイクである『CONFUSION』のミックス・ダウンの様子、アルバム制作時のエピソードに関するインタビューなど、記録として貴重なシーンが収められている。2014年9月21日にNHK-BSで放送された『名盤ドキュメント 佐野元春“ヴィジターズ”〜NYからの衝撃作 30年目の告白〜』とロケの素材は共通しているが、シーンは重なっておらず、いわば対になる内容。併せて見たい。

なお、『CONFUSION』のクリップはニューヨークの街を歩く佐野の様子を曲にオーバーラップさせた作りだが、フェイド・イン、フェイド・アウトとなっており、曲を完全にカバーするものではない。

「ライヴ・ドキュメンタリー」は1985年5月28日に東京・品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われた「VISITORS TOUR」千秋楽の初日の様子を収めたもの。千秋楽は当日と翌29日の二日に亘って行われたが、これまで発表されたライブ映像は翌日のもので、28日はテスト・シューティング的にカメラ5台で撮影されたもののこれまでお蔵入りになっていたものと説明されている。

このツアーの様子は市販のビデオ「Visitors Tour '84-'85」でも見ることができる(スリーブには収録日の記載がなくどの日のステージかは不明)が、ここでもロン・スレーターの遺髪をつけてステージを動き回る佐野の鬼気迫る様子が近い距離から捉えられている。貴重な映像だ。

ラストにはカセット・ブック「ELECTRIC GARDEN」に収められた『Sleep』がエンド・ロールのBGMとしてフル・サイズで使われている。


Blood Moon
●2015.7.22発売 ●DaisyMusic ●POBX-9390
●境界線
●紅い月
●本当の彼女
●バイ・ザ・シー
●優しい闇
●私の太陽
アルバム「Blood Moon」の初回限定ボックス盤付属のDVD。6曲分のビデオ・クリップを収録。

監督は近浦啓。クリップはいずれもスタジオで演奏するバンドの様子を収めるシンプルなもので、『境界線』のクリップに佐野とバンド・メンバーがナゾの「水平ダンス」を披露する数カットが挿入されている他は、オフ・ショットやレコーディングのスナップなども一切ない。

このうち、『境界線』と『紅い月』のクリップはアルバムのリリースに先立ってYouTubeで公開されたもの。YouTubeでは他にも『キャビアとキャピタリズム』の「リリックビデオ」(歌詞の字幕スーパーが効果をかけて表示されるクリップ)が公開されているがこれは収録されていない。また、『私の太陽』はアルバム・リリース後にYouTubeで公開された。

当て振りで演奏するシンプルなクリップが悪いという訳ではないし、相応の資料的価値はあるが、一本調子のクリップを6曲収めただけのDVDはいかにも「おまけ」的なチープな作りで積極的な付加価値は見出し難い。むしろ、『キャビアとキャピタリズム』のような試みをここでもしっかり見せて欲しかった。


35周年アニバーサリー・ツアー・ファイナル 2016.3.26 東京国際フォーラム
●2016.12.21 ●DaisyMusic ●POXE-29002
●シュガータイム
●優しい闇
●ジュジュ
●ヴィジターズ
●カム・シャイニング
●ワイルド・ハーツ
●バルセロナの夜
●すべてうまくはいかなくても
●ポーラスタア
●君をさがしている(The Coyote Band Version)
●希望
●境界線
●La Vita e Bella
●バイ・ザ・シー
●紅い月
●私の太陽
●東京スカイライン
●ボヘミアン・グレイブヤード
●レインボー・イン・マイ・ソウル
●誰かが君のドアを叩いている
●ヤング・フォーエバー
●星の下 路の上
●世界は慈悲を待っている
●ジャスミンガール
●ヤングブラッズ
●約束の橋
●サムデイ
●ロックンロール・ナイト
●ニュー・エイジ
●アンジェリーナ
●スターダスト・キッズ
●ダウンタウン・ボーイ
●グッドバイから始めよう
●国のための準備
●悲しきレイディオ〜メドレー
タイトル通り、2016年3月26日に東京国際フォーラムで行われた「35周年アニバーサリー・ツアー・ファイナル」の様子を全曲収録したもの。千秋楽は翌27日に同じ国際フォーラムで行われたが、本作ではその1日前が撮影日となっている。両日ともセット・リストはまったく同じだった。

初回限定デラックス盤(Blu-ray仕様)には、このライブから14曲を抜粋したオーディオCDが付属している。

このライブは、コヨーテ・バンドをコアに、ギターに長田進、キーボードにDr.kyOn、山本拓夫(サックス)と西村浩二(トランペット)からなるブラス・セクションを加えたフル・バンド「ザ・コヨーテ・グランド・ロッケストラ」として公演したもの。アンコール5曲を含め全35曲、3時間を超える長尺のライブだったが、MCを一部カットした以外は全曲完全収録している。

とにかく新旧の曲を次々繰り出すボリュームに圧倒される。演奏がしっかりしているのは当然としても、ライブとは思えないくらい音がいいのは特筆すべき。会場の様子なども拾うが、基本的に演者をきちんと追う編集は好感が持てる。ライブの様子を生き生きと伝える質の高い記録映像だ。

一方で、3時間を超えるサイズ(190分)はさすがにボリューム感があり、日常生活の中では通して見ることすら簡単ではない。繰り返し見るというよりは保存版ということか。最新譜「Blood Moon」からの曲が多いのも嬉しい。代表曲はほぼ網羅されており、この時期の佐野の活動のスナップ・ショットとして貴重な作品。



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