DISC ONE
●THE HOBO KING BANDのテーマ'06
●アンジェリーナ
●ぼくは大人になった
●コンプリケイション・シェイクダウン
●ストレンジ・デイズ―奇妙な日々
●ハートビート
―小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド
●99ブルース
●インディビジュアリスト
●ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
●ロックンロール・ナイト
●バルセロナの夜
●ドゥ・ホワット・ユー・ライク―勝手にしなよ
●最後の1ピース
●観覧車の夜
●君の魂 大事な魂
DISC TWO
●ワイルド・ハーツ―冒険者たち
●ブルーの見解
●悲しきレイディオ
●ソー・ヤング
●レインボー・イン・マイ・ソウル
●ヤングブラッズ
●約束の橋
●サムデイ
●ニュー・エイジ
<アンコール>
●国のための準備
●星の下 路の上
●THE HOBO KING BANDメドレー
●彼女はデリケート
|
タイトル通り、2006年4月2日に有楽町の東京国際フォーラムで行われた「星の下 路の上」ツアーの最終日の公演の様子をほぼそのまま全編収録したもの。当日の演奏曲はオープニングからアンコールまですべて収録されており、DVD2枚組で総上映時間190分以上というこれまでの佐野のライブ・ビデオの中でも最長の作品となっている。
このツアーでは、80年代のアルバム8作品の紙ジャケ再発をプロモーションするためもあり、これらのアルバムに収録された曲を中心に演奏した。そのため、内容的には佐野クラシックのヒット・パレードに近い選曲となっており、そうした面から全曲を収録することに一定の意義はあったと言えるだろう。HKBの演奏はシュアであり、佐野のボーカルは衰えを隠せないものの、キーを調整したり発声を工夫したりすることで、一時期のファルセット・ボイスほど聴きづらい状態ではなくなっている。
この日のライブがよかったのは、80年代の曲を演奏しながら、それが決して懐メロ的なノスタルジーに陥らず、2000年代にも聴かれるべきスタンダードとして、僕たちの困難な現在とビビッドにフックしたからだ。なぜ今この曲が歌われなければならないのかということを佐野が僕たちに問いかけ、僕たちがその答えをそれぞれの胸の中で探し続けたからだ。言葉を換えて言うなら、かつて僕たちが佐野と交わした約束はまだ終わっていないからだ。
長尺のDVDであり、通して見る機会はおそらくそんなに多くはないだろう。むしろ記録として大切に保管しておくべき作品かもしれない。淡々とステージを追い続け、余計な編集を加えなかった映像制作にも好感が持てる。
尚、初回限定盤はこのライブから9曲を収録したCDが付属している。また、DVDのディスク2には、本編終了後、「古田たかしのスマイル」「コンサート終了後―バックステージ」「謎の『フルーターズ』」「『数えきれない痛みのキス』別アングル」「コンサート・クルーの紹介」の特典映像が収録されている。
|