logo ビデオ・DVD解説 1996-2002


フルーツ
●1996.7.1発売 ●ESBL 2145
●ヤァ!ソウルボーイ
●十代の潜水生活
●経験の唄
●楽しい時
●インターナショナル・ホーボー・キング
アルバム「フルーツ」収録曲のビデオ・クリップ集。
「ヤァ!ソウルボーイ」はジャック・ケルアックの墓に詣でたときの様子を記録した映像と、小田原、井上だけをバックにスタジオで演奏する佐野のカットバック。「十代の潜水生活」はIHKBをバックにスタジオで演奏。「経験の唄」ではピアノを弾いて歌う佐野と子供を写したホーム・ビデオのような映像のカット・バック。「楽しい時」は再びIHKBとビルの屋上でストリングス・パートもまじえて演奏。そして「インターナショナル・ホーボー・キング」はツアーの様子のダイジェストのバックに曲が流れるといったもの。


THE INTERNATIONAL HOBO KING BAND
  FEATURING MOTOHARU SANO IN FRUITS TOUR '96

●1997.3.30発売 ●ESBB 2036
VOL.1 THE DOCUMENT
●インターナショナル ホーボーキング
●ぼくは大人になった
●ポップチルドレン
 (最新マシンを手にした陽気な子供たち)
●楽しい時−Fun Time

VOL.2 THE LIVE
●約束の橋
●バニティーファクトリー
●欲望
●ポップチルドレン
 (最新マシンを手にした陽気な子供たち)
●水上バスに乗って
●君を連れてゆく
●99ブルース
●コンプリケーション・シェイクダウン
●夏のピースハウスにて
●空よりも高く
●すべてうまくはいかなくても
●太陽だけが見えている−子供たちは大丈夫
●霧の中のダライラマ
●そこにいてくれてありがとう−R.D.レインに捧ぐ
●Do What You Like−勝手にしなよ
●ダウンタウンボーイ
1996年、アルバム「フルーツ」の完成を待たずに仙台からスタートした「INTERNATIONAL HOBO KING TOUR」、全国を丹念にロードした「フルーツ・ツアー」、そして武道館、大阪城ホール、横浜アリーナで行われた「FRUITS PUNCH」の様子を伝えるライブ・ビデオ。

楽屋での様子やリハーサル、移動中の模様などを収録した「VOL.1」と、ライブ・シーンを収録した「VOL.2」の2本組で、「VOL.1」は96年6月に日本衛星放送WOWOWで放送された「I・H・K Road Movie」を編集したもの。「VOL.1」には貴重な映像や興味深い映像が多く収められており、企画としては悪くないと思うが、佐野のナレーションでツアーの流れを追う構成が途中で途切れてしまったり、あまり意味があるとは思えないシーンが入っていたり、ドキュメンタリーとしての完成度としては今一つであったと思う。また曲が始まる直前でシーンが切り替わることも多く、ライブ・シーンは「VOL.2」を見てくれということなのだろうが、欲求不満が残ることも事実。メンバー紹介のメドレーや「VOL.2」に収録されていない曲は全編収録して欲しかった。

「VOL.2」では丸1年に渡った3本のツアーの内容がほぼ過不足なく収められている。アルバム「フルーツ」の曲に偏らず、「バニティーファクトリー」や「ポップチルドレン」などアレンジを大幅に変えて歌われた曲を丁寧に収録しているところが良心的である。「ダウンタウンボーイ」はこれまで披露されたアレンジの中でも最もよくできたものの一つ。エンディングのスタッフロールのバックに流れている「サンチャイルドは僕の友達」がきちんと収録されていたらもう文句なかったんだけどな。


THE BARN TOUR '98-LIVE IN OSAKA
●1998.7.18発売 ●ESBB 2037
●ヤング・フォーエバー Young Forever
●風の手のひらの上 The Answer
●ヘイ・ラ・ラ Hey La La
●どこにでもいる娘 An Ordinary Girl
●誰も気にしちゃいない Nobody Cares
●ドライブ Drive
●ドクター Doctor
●So Goes The Song (Love Planets)
●7日じゃたりない Seven Days (are not enough)
●ロックンロール・ハート Rock and Roll Heart
ザ・バーン・ツアーから、1998年3月29日大阪フェスティバルホールで行われたライブの模様を収録。この日は本来このツアーのファイナルになるはずだったステージで(実際には佐野が風邪で一部の公演を振り替えたため4月14日の横浜が最終日となった)、アルバム「THE BARN」をプロデュースしたジョン・サイモンと、ゲスト・ミュージシャンとして参加したザ・バンドのガース・ハドソンをフィーチャーしている。

So Goes The Song」は佐野がジョン・サイモンに歌詞を提供した曲。ジョン・サイモンはこの曲以降の3曲、ガース・ハドソンは「7日じゃたりない」と「ロックンロール・ハート」に参加している。尚、この2曲の間には、ガース・ハドソンの5分にも及ぶインプロビゼーションが挿入されているが、この部分は正直言ってカットして欲しかった。もちろんロックの先達に対する敬意は払われてしかるべきだが、インプロビゼーションは現場でこそ意味があるものであり、ビデオを再生するたびに同じ即興が流れるというのもどうかと思う。


The 20th Anniversary Tour 2000.3.11 日本武道館
●2000.7.19発売 ●ESBB 2018
プロローグ:Now and Then
●ガラスのジェネレーション Crystal Generation
●ハッピーマン Happy Man
●ワイルドハーツ Wild Hearts
●レインガール Rain Girl
●マンハッタンブリッジにたたずんで
 Standing on the Manhattan Bridge
●ヤングブラッズ Young Bloods
●彼女 She
●ニューエイジ New Age
●コンプリケーション・シェイクダウン
 Complication Shakedown
●GO4 GO4
●インディビジュアリスト Individualists
●約束の橋 The Bridge
●ロックンロール・ナイト Rock & Roll Night
●イノセント Innocent

Appendix '99.10.19 at 神奈川県民会館
●驚くに値しない No surprise at all
全国8カ所、9公演で行われた20周年記念ツアーの最終日、日本武道館でのライブの模様を収録。演奏はThe Hobo King Bandと、ゲストにBlack Bottom Blass Bandを迎えた。奇をてらわず、佐野を初めとするミュージシャンの演奏と表情を中心に、会場の様子、ライブの進行を丹念に追ったクリアな映像は、選曲も含めライブ・ビデオとして過不足のないでき(『SOMEDAY』を収録しなかったのは見識)。やや予定調和に流れた感は否めないが、20周年記念というツアーの性質を考えればそれもある程度やむを得ないことかもしれない。

ここではツアー進行中から物議をかもしていた佐野の「声」を巡る問題がかなり露骨に表れている。佐野がもはやかつてのような張りのある声で高音を歌えないのは明らかなようだ。それ自体は是非を論じても詮ないことであるが、高音域でシャウトするべきフレーズ(往々にして重要なキメのフレーズ)のほとんどをファルセットで通すことの可否には議論があってしかるべきだろう。今の声の状態を与件として、その上でどのようなパフォーマンスをするべきかというのは重要でシリアスなテーマのはずだが、このファルセット作戦は個人的にはいただけない。ボーカリゼーションの問題は今後しばらく注意深いフォローが必要だ。

ライブ音源としては『マンハッタンブリッジにたたずんで』やワルツにアレンジされた『レインガール』などが貴重。また『Rock & Roll Night』は、上述のファルセットの問題を別にすれば、これまでに公開されたこの曲のライブ音源の中でもベストに近いできだと言ってよい。この曲の持つセンシブルで繊細なニュアンスが的確に表現されている。

尚、本作には「Appendix」として、99年に行われた「Stones and Eggs Tour」から、『驚くに値しない』が収録されているが、演奏のテンション、映像としての面白さではこの曲が最も「カッコいい」。公式にリリースされた同ツアーからのライブ映像は今のところこれだけだが、むしろこっちを見てみたい気はする。


MOTOHARU SANO LIVE ANTHOLOGY 1980-2000
●2000.11.1発売 ●ESBB 2038-9
FACT ONE
●ガラスのジェネレーション
●ロックンロール・ナイト
●99ブルース
●インディビジュアリスト
●アンジェリーナ
●ジャスミンガール
●ぼくは大人になった
●ニュー・エイジ
●レインボー・イン・マイ・ソウル
●悲しきRADIO
●サムデイ
●ジュジュ
●約束の橋
●コンプリケーション・シェイクダウン
●ヤング・フォーエバー
●イノセント

FACT TWO
●ワイルド・ハーツ
●ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
●愛のシステム
●おれは最低
●ブルーの見解
●ヤングブラッズ
●シェイム
●ハートビート
●新しいシャツ
●スウィート16
●バニティー・ファクトリー
●君を連れてゆく
●ポップ・チルドレン
●太陽だけが見えている
●7日じゃたりない
●GO4
デビュー20周年を記念してリリースされたライブ映像のアンソロジー。DVD2枚組、32曲のライブシーンが収められている。映像の大部分は既発表ビデオからの再録だが、「ヤング・フォーエバー」、「ブルーの見解」、「ヤングブラッズ」の3曲はテレビ番組等での演奏シーンで、これまで市販のビデオには収録されていない貴重なものである。また、「ロックンロール・ナイト」と「99ブルース」はビデオ「THE OUT TAKES」に収録されていた映像だが、この作品は現在のところDVD化されていないので、このDVDでしか見ることができないものである。

企画としてはアルバム「The 20th Anniversary Edition」とパラレルに考えるべき作品。アンソロジーということで選曲がいわゆる代表曲中心なのは肯けるところだが、初期の演奏シーンが少ないのは残念だ。特に「VISITORS TOUR」からはまったく収録がなく、その点のバランスを欠く感は否めない。

既に佐野のビデオをすべて持っている人には上記3曲を除いて新味のない内容だが、佐野のライブ活動を通して見直すにはよくまとまったアーカイブだ。新しいファンには入門編として、古いファンには佐野が何を歌い続けてきたかをもう一度確認するためのマイルストーンとして有効なアイテムではあるだろう。


In Motion 2001 ――植民地の夜は更けて
●2002.1.23発売 ●ESBL 2092
●ポップチルドレン
 (最新マシンを手にした陽気な子供達)
●廃虚の街
●僕は愚かな人類の子供だった
 Dedicated to the Astroboy
●Sleep
●リアルな現実 本気の現実
●Insightlude〜Dovanna
●ベルネーズソース
●こんな夜には
●ブルーの見解
●ふたりの理由
●ああ、どうしてラブソングは…
2001年9月21日、22日の2日間に渡って鎌倉芸術館で行われたポエトリー・リーディング・ライブから11曲を収録。同名のアルバムとはほぼ同内容だが、DVDではアルバムに収録されなかった「僕は愚かな人類の子供だった」と「リアルな現実 本気の現実」を収録、逆にアルバム収録の「日曜日は無情の日」はオミットされている。

この楽曲の差し替えが何を意味するのかはよく分からないが、アメリカの同時多発テロに反応した「日曜日は無情の日」を一般発売のDVDに収録しなかったのはやはりそのパフォーマンスとしての完成度に疑問があったからだろうか(アルバムはウェブサイトで限定発売された)。あるいはDVDとアルバムが同内容ではセールスポイントに欠けるというだけの理由かもしれないが。

このライブそのものについてはアルバムのレビューをご覧いただきたいが、映像を介することでポエトリー・リーディングというメディアの現場性、一回性がより明白になっているように思われる。メイン・ストリームの活動ではないが、極めて貴重かつ重要なパフォーマンスの記録として必携の作品。



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