logo 山手線徒歩一周(第3回)


2008年1月26日(土)、先週に続き山手線徒歩一周の第3回を敢行することにした。天気は晴れ。気温が低く冷えるが風邪はさほどなく、防寒さえしっかりしていれば気持ちよく歩ける気候となった。

東京
近所で昼メシを食べて新宿から中央線に乗り東京へ。前回東京駅で終わったので今回はここから。13:00に丸の内側から出発する。最初は線路の左側を歩いていたが永代通りで線路をくぐり、そこからは東側を歩いた。特にこれといって見るべきものもない景色。ていうか仕事でたまに通る辺りであったりするので新味もない。線路沿いの道をずっと北上し新常磐橋で日本橋側を渡ると通りが線路と斜めに交わるようになってくる。歩きにくいのを我慢して進むと神田駅が見えてくる。東京−神田は1.3kmの道のりだ。

神田
神田駅では南口の改札外にスタンプを発見。図柄は「神田祭」。インクが薄い。そういえば今回はスタンプ台を持参しようと思っていて忘れたのだった。この駅はスタンプ台が赤色。線路の西側を歩いていると中央線に沿って曲がってしまうので東側を行く。ゴチャゴチャした下町の風情である。
秋葉原にたどり着く手前に神田川があり、地図によっては川が渡れないようにも見えるが、実際行ってみると歩行者用の橋があってそのまま秋葉原に入って行ける。神田から秋葉原は0.7km。すぐだった。

秋葉原
この駅の周囲に来ると一気に異界である。電気街口のみどりの窓口の中にスタンプを発見。図柄は「万世橋とITの街秋葉原」である。駅の周囲は電気部品屋が中心で、アニメショップやメイドカフェは見当たらないがメイド服の女の子がビラを配っている。まあ、目の保養にはなる。
いったん駅舎に入って出てきたら方向を見失い、危うく総武線をたどって御茶ノ水へ行くところだった。行く手に中央線の高架とオレンジ色の電車が見えたのでこれはおかしいと気づき方向を90度修正した。
駅を少し離れると急に寂しい通りになる。ずっと線路の西側、つまり内側を歩いて行く。この辺りは線路沿いにずっと道があるので歩きやすい。ここも駅間が1.0kmと短く、しばらく行くと御徒町の駅が見えてくる。

御徒町
御徒町駅のスタンプは北口に設置という事前情報があったので南口は無視して直進、北口改札前でスタンプをゲットする。図柄は「湯島天神」。自販機で飲み物を買って一服する。東京駅を出てからちょうど1時間、14:00になっている。
ここから上野までは「アメ横」である。我々の進路である線路沿いの道の両側には魚屋を中心とした商店が軒を並べ、威勢のいい呼びこみの声があちこちから聞こえてくる。歩行者も多く人混みをかき分けながら歩くことになる。時間はかかるがこれはこれで楽しい。美味しそうだったので発作的にちりめんじゃこを買ってしまった。
それにしてもこの界隈の魚屋における店頭表示価格と実売価格の差は何なんだ。ちりめんじゃこも600円を500円にしてくれたが、そうするとこの店頭表示価格600円に意味はあるのか。値引き感を出すためにわざと高めにつけているのではないのか。などということを考えながらアメ横をぼちぼち通り抜けた。磯辺焼きも美味しそうだった。
アメ横を出るとそこはもう上野駅だった。御徒町−上野は0.6kmだが時間はかなりかかった。

上野
上野駅では不忍口から駅舎に入って行くのだが、スタンプの設置場所は「中央改札外ガレリア」。そこでまず中央改札を目指した。中央改札の前は広いコンコースになっていて、これをガレリアと称しているのだろうが、商店はあっても肝心のスタンプが見当たらない。コンコースをうろうろしたがムダに時間が過ぎるので、諦めて聞いてみようと駅の総合案内を目指したらその途中にひっそり設置されていた。駅入口を背に中央改札に向かって右手である。スタンプを探すのにこんなに手間取ったのは初めてだ。図柄は「上野山下ステーション」。
ついでに手洗いをすませたが、そこから駅の外へ出るのにまた一苦労。何とか駅の西側に出て、文化会館、美術館、博物館の前を通り過ぎて北に向かう。動物園に続くプロムナードでギター演奏をしている若者がいたが、上手に聞こえる演奏の主要部分はテープであり、本人はそれに合わせてギターを何となくジャラジャラやっているだけのようにも見えた。結構な数の人が取りまいていたが…。
線路沿いに北上し、忍岡中学校の横から跨線橋に出るとそこが鶯谷の駅だ。上野−鶯谷は一応1.1kmあることになっているが、ややショートカット気味ですぐに着いた。

鶯谷
スタンプは改札前にあってすぐに見つかった。図柄は「寛永寺とウグイス」。線路の南側には寛永寺があって線路沿いに道がないので跨線橋を渡って線路の北側に出る。ラブホテルの隙間の細い道をできるだけ線路に沿って北西に向かう。それにしてもここはラブホだらけ。立ちんぼはいないがラブホから出てくる若いカップルとかに出くわす。結構女の子が可愛かったりしてムカつく。
寛永寺橋の下にたどりついたところでちょうど15:00頃になっていたので、線路の向こうに見えたジョナサンで休憩することにする。ドリンクバーを頼んで30分ほどゆっくりする。集めたスタンプを鑑賞し、これから先の行程を地図で確認する。スタンプの設置場所や残りの距離も持参したメモでチェック。
目標にしている駒込まではまだ4km近く残っていることが分かる。ちょっとペースが遅めである。既に15:30を回っており、日没までに駒込までたどり着けるか微妙な時間である。ネジを巻き直し、再び歩き出した。
寛永寺橋から線路の北側に戻り、線路に沿って北西に進み始めるが、途中で京成線が山手線の北側に出てきて道は線路を外れてしまう。しばらくジグザグに歩き、結局は線路からやや離れたところを線路に並行して進むことになる。鶯谷から日暮里駅までは1.1km。途中休憩も入ったのでそれほど苦にはならなかった。

日暮里
駅への進入路らしい階段があったので昇って行ったが、スタンプのない南口に通じる通路だったのでそのまま駅の西側に抜けて北口まで細い通路を歩いた。北口の改札前でスタンプを発見。図柄は「谷中七福神」だ。
この辺りは地形の起伏が激しい。線路沿いに適当な道が見当たらないのでいったん日暮里駅から西へ線路を離れ、諏訪台通りを線路と平行に進むことにした。途中に富士見坂という坂があり、確かに見晴らしはよかったが富士山は見えなかった。きっと条件がよければ見えるのだろう。
寺社の多い道をぶらぶら進んで行くとすぐに西日暮里に着く。日暮里と西日暮里の間は0.5km。まあ、5分か10分の距離である。

西日暮里
改札の外で難なくスタンプをゲット。図柄は「日暮里諏訪の台」。引き続き線路の西側を歩く。線路の東側は尾久へと山手線・京浜東北線を離れて行く宇都宮線・高崎線の線路や、田端駅から常磐線への連絡線が錯綜しており歩きにくそうなのだ。とはいえ線路の西側も特にこれといって何もない道である。
しばらく行くといかにも駅へ降りて行く風情の道が見つかる。いかにも地元の人っぽい女性がその道を降りて行くのでついて行った。手許のスタンプ設置場所メモには田端駅の設置場所は「改札外」としか書いていなかったのできっと改札は一つしかなく、行けば分かるのだろうと判断した訳だ。西日暮里から田端までは0.8km。

田端
しかしその考えは甘かった。確かに道は駅に続いていたが、たどり着いた改札は明らかに裏口っぽい小さな改札で「南口」と書かれている。いくら探しても、というか探すまでもなくスタンプは見当たらない。南口というからには北口があるのだろうと思ってやむなくいったん駅を離れ、道なき道を北に進んで北口にたどり着いた。16:30。
果たして改札の外にスタンプはあった。図柄は「駅舎と新幹線」。駅前の高低差が大きくいびつな地形になっている。ここも線路沿いに道がなく、駅から高い高架橋の見える田端高台通りを行くことにする。文士村記念館の手前から坂を上って高台通りに出る。この通りを北西に進む。しかし山手線は田端を出たところで直進する京浜東北線をはずれ大きく西へほぼ90度曲がることになる。このまま高台通りを真っ直ぐ進むと山手線を越えてあらぬ方へ行ってしまうので、山手線の跨線橋の手前で左に曲がり、そこから線路の南を進むことになる。
歩いている途中で湘南新宿ラインの線路を走る寝台列車の回送に追い抜かれる。いわゆるブルートレインというヤツである。電気機関車に曳かれ、優雅に走って行く。一度乗ってみたいが乗るとどこへ行くんだろう。「レイトン教授と悪魔の箱」を思い出す。
あと、この区間では山手線の踏切という珍しいものが見られる。たぶん山手線では唯一の踏切ではないだろうか。
道自体は味気ないがそういったものを見ながら歩いて行くと駒込の駅に近づいて行く。田端から駒込は1.6km。最後の区間はちょっと骨があった。

駒込
全体の距離の配分から、今日は駒込までと決めていた。最初に着いたのは東口だったが、スタンプは北口にあるということなので駅の北側に回って北口を目指した。沈み行く太陽がまぶしい。何とか日没までにたどり着けそうだ。スタンプの設置場所は「北口改札窓口」。「窓口」?と思って駅員に「駅スタンプはどこですか」と聞いたら、「はい、どうぞ」と差し出してくれた。こんなのは初めて。図柄は「六義園とつつじ」。
時刻は17:00前。今日の目標は踏破した。駅で手洗いをすませ、そのまま山手線に乗って新宿を目指した。営業キロで8.7kmの徒歩行。今回は平均して駅間が短く、駅数が多かったので楽しかった。次回はいよいよ最終回、駒込から新宿である。体調を整えて万全の態勢で臨みたい。そうそう、次回はスタンプ台を持参しよう。



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