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■2006年1月28日(土)

●ドイツにいた頃は気が狂ったように旅行していたのに、日本に帰ってきてからはあまり行ってないなあ、ということで、それほど遠くないところに週末旅行に行くことになった。何もこんな寒い時期に行くこともないようなものだが、まあ、思い立ってしまったのだから仕方ない。クルマで簡単に行ける温泉ということで、いろいろ考えた結果、今回は熱海へ行くことにした。
●朝から快晴。一泊だしクルマなので荷造りもそれほど気合い入れてない。デカめのバッグに放り込んで出発である。これが一週間前だと激しい雪でそもそも駐車場からクルマが出せないところだった。こういうところに日頃の行いというか人徳のようなものが出るんだろうな。地図で道順も確認したし、ガイドブックも持ったし。近所のスタンドに立ち寄って給油し、スタートしたのが10:00過ぎだった。
●用賀の東京ICから東名に乗り西へ向かう。渋滞もなくいい調子である。年末に町田の「万葉の湯」に出かけたときには用賀から横浜町田ICまで1時間半もかかったのに、この日は1時間もかからずに厚木までたどり着いてしまう。この辺の時間のかかり方のいい加減さが国内の自動車旅行の難しいところだ。ここから小田原厚木道路に入って更に西へ。ここでも渋滞はなくスイスイ走れる。
●このままだと伊豆半島に入ってしまいそうなので、11:00過ぎに小田原のPAに入って早めの昼メシ。どうせ晩メシがたくさん出るだろうと読んでカレーうどんですませる。12:00前にPAを出て西湘バイパスへ。ここで料金所を通過するのに少し渋滞する。先に昼メシをすませておいてよかった。腹が減った状態で渋滞につかまるとご機嫌指数が急低下する。要注意である。30分弱ほどで渋滞を抜け、真鶴道路で海辺を南へ向かった。
●真鶴道路が終わるとその後は一般国道を走る。この辺はマニュアル・ミッションのクルマで行きたいところだ。残念ながら僕は帰国したときにオートマチックにしたのでシフト・チェンジの楽しみはなくなってしまった。以前乗っていたロードスターかBMWで来たかった。何しろオートマのデミオ、しかもFFだもんなあ。まあ、天気もよく、いい気分で走れはしたが。道路の両側にはドライブ・インや干物屋などが時折現れる。
●13:00前には熱海に到着。思っていたのとは違う道で駅前に入ってしまったので少し迷ったが、無事予約しておいた志ほみや旅館を発見しクルマをとめた。正直もっとシャビィなところかと思っていたが、思いの外立派な温泉旅館である。チェック・インは14:30からだということなので、荷物を預けてまずは市内を散歩することにした。
●旅館が駅前なのでまずは商店街のアーケードを歩く。温泉まんじゅう屋と干物屋が半々といったところ。蒸したての熱い温泉まんじゅうを食べながら商店街を冷やかし、そのまま中心街の方へ。特に何を見に来たという訳でもないのだが、せっかくなので七湯巡りをすることにする。七湯とは熱海市内に点在する古来からの七カ所の源泉(受け売り)。これをひとつひとつ訪ねて歩く訳だ。
●一応それぞれに案内板が付き整備されてはいるが、その場で入浴できる訳ではなく、モクモクと湯気が出ているのを見て写真を撮る程度。駐車場か何かの片隅にあって見逃してしまいそうな源泉もあるが、立派なのは大湯(おおゆ)という間歇泉。ごつい岩に囲まれた泉源から周期的に熱湯が噴き出すのが見られる。ただし残念ながら現在ではこの源泉は自噴せず、人工的に噴出させているそうだ(これも受け売り)。
●結局7つの源泉を回ってホテルに戻ったのが15:00前。チェック・インすると3階の部屋に通された。窓からは相模湾が見える。ピカピカの新築ではないが悪くない。散歩はもうさっきやっちゃってるので、もう一度外へ出るのも面倒臭く、結局そのまま風呂に入ることにした。大浴場はそこそこ広く露天風呂もある。飲んだ訳ではないがお湯は少し塩辛いようでぬめりがある。露天風呂からはほとんど空しか見えないがゆっくり手足が伸ばせて気持ちよかった。
●晩メシは18:00からにしてもらった。部屋食だ。いわゆる温泉食だが最近は温泉食もレベルが上がってきたというか、いかにもお仕着せって感じじゃなくなってきたかな。アジのたたきが美味しかった。何でできているのかわからないなんちゃって懐石みたいないい加減な料理が山ほど出ておなかいっぱい、というのが典型的な温泉食だが、ここではそんなこともなく量も適当で悪くなかったと思う。風呂は21:00を境に男女の入れ替えがあるらしいけど、入れ替え後の風呂は行かなかった。一日に二回も入るほど風呂好きじゃないので。「喰いタン」見て早めに寝た。

■2006年1月29日(日)

●目覚まし時計を忘れたが携帯のアラームをセットしたらちゃんと鳴った。当たり前だけど。携帯電話にはこんな使い方もあったのか。さすが新しい携帯だ。いや、前の携帯でもできたのか。起きたのは7:00過ぎ。快晴とは行かないがまずまずの天気。前日が早寝だったのでこれでも十分寝た感じはあった。温泉に来ると朝から風呂に入る人も多いらしいが、朝から入るほど風呂好きじゃないので行かなかった。
●昔は旅館の朝メシといえば生タマゴと相場が決まっていたものだが、最近はそうでもないようだ。タマゴは温泉タマゴ、その他には、アジの干物、ネギトロ、シラスおろし、湯豆腐、カマボコなど。こういう朝メシだとごはんがついつい進んでしまう。ふだんは時間を惜しんでギリギリまで寝ているので朝メシは牛乳一杯のみだが、たまにこうしてゆっくり朝メシを食べるのはいい。ある意味、晩メシより満足度高いかも。
●チェック・アウトの前に土産物を見に行こうかと思っていたけど、そろそろ9:00過ぎだったのでそのままチェック・アウトし、荷物はクルマに積んでおくことにした。昨日見た商店街をもう一度歩きながら品定め。大きな干物屋もあるが、アジの干物がきれいにビニルパックされているのも何だか違うような気がして、どうせ自家消費用なんだからということで軒先にダイナミックに干物を展開している小さな店でアジの干物とイワシの丸干し、イカの一夜干しを買った。
●それから適当な店で温泉まんじゅうを買い(ついでにその場で1個買い食いして梅茶を出してもらい)、別の店でわさび漬けと梅干し、最後にイカの塩辛を買って土産物の買い物は終わった。ま、土産物といっても全部自分で食べるんだけど。旅館に戻ってクルマに乗り込んだ。
●スタート前に距離計を見たらちょうど100kmだった。昨日ガソリンを入れるときにゼロ・リセットしておいたのだ。ドイツなら1時間の距離だなあとか思いながら発進。MOA美術館に行こうかというアイデアもあったんだけど、単に面倒臭くなって見送り。尾形光琳の紅白梅屏風は見たかった気もするが、土産の買い物が結構楽しめたのでそのまま帰ることにした。
●真鶴道路の料金所や西湘バイパスの料金所でやや渋滞。たぶんハイ・シーズンとかってこの辺は激しく渋滞するんだろうなと思う。伊豆の奥と行き来する道路って限られてるもんな。スイスイ走って小田原厚木道路から東名に入り、11:30頃、海老名のSAで昼メシ。なぜかフジテレビのマークがそこらじゅうにある。2階のレストランに入ってカツカレーを頼んでから、昨日の昼メシがカレーうどんだったことを思い出した。オレってカレー好きなのか…。
●レストランに入るまでもなく1階のフードコートで用は足りたなと思いつつドトールでコーヒーを飲み、12:30頃リスタート。東名は全然渋滞もなくあっという間に東京ICまで帰り着き、自宅到着は13:00。これもいったん渋滞につかまると2倍、3倍の時間がかかるところだ。リスクとは結果の不確定性のことだとするなら、この所要時間のボラティリティはまさに自動車旅行リスク。プラスに出る日もあればいずれ逆に出る日もあるんだろう。



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