logo 館山


■前哨戦 夢のグアム

●ドイツにいた頃からのクセで、例年4月か5月になるとその年の夏休みのことを考えはじめるのだが(ドイツではこれでも遅い)、今年もグアムに行こうということで6月の初めには飛行機もホテルも予約していた(当初の予定は7月の最終週)。しかしその直後から仕事が立てこんで雲行きがおかしくなった。早くにキャンセルしておけばよかったのだが流れを見極めようと引っ張ったのがよくなかった。そういうときってだいたい悪い方に転ぶんだよなあ。
●結局6月の後半になっていよいよ客観情勢が厳しくなり、やむなく夏休みを延期して旅行をキャンセルしたが高いキャンセル料を取られた。いつからキャンセル料がかかるのかも事前に把握しておくべきだったし、見通しが甘かったといわざるを得ない。その時点で代替の日程を取ってもよかったが、なかなか見極めがつかず、キャンセル料のダメージも大きく、なかなか日程が決まらないうちにズルズルと7月になってしまったのだった。我ながらあり得べからざる危機管理である。
●他にもいろいろ物入りだったこともあって、3年連続のグアムは諦め、8月前半の日程で近場を探したがどこも高く、満員でなかなか思うように取れない。自宅夏休みかと思っていたところ、休暇村館山がどういう訳か3泊で取れた。休暇村は予約受付と同時に満員になってしまう人気施設で、キャンセル待ちも受けてくれず、たまたま電話したときにキャンセルがあれば取れるという難易度の高いところだが、まあ、ふだんの行いがよかったということだろう。

■2005年8月8日(月)

●という訳で朝9時前にクルマで出発。天気は曇り。クルマだととにかく荷造りが楽だよな。スーツケースに入らなくても、じゃもう一つカバン持って行くか、ですむもんな。飛行機だとこうは行かない。ぎゅうぎゅうスーツケースに詰めこんで体重計に乗せて「まだ重いよ」とか言って。だいたい重すぎると持てないし。ふだんだと現地調達になる砂場セットとかも持って行ける。うちのクルマは1400ccのデミオだけどこないだ点検したばかりで準備はOKだ。
●行き先は千葉県だけどまずは三浦半島を目指す。環八に出て第三京浜の入口まで半時間以上かかる。ここから第三京浜に乗り、横浜新道、横浜横須賀道路を通って三浦半島の先端、久里浜まで。道路の接続が複雑で、間違いなく分岐して目的の道路に乗るのは神経を使う。でも都心に向かうクルマの流れとは逆を走っている感じで渋滞もなく快適。結局家から久里浜まで1時間強くらいでたどり着いた。
●ここから東京湾フェリーで千葉を目指す。湾岸を走るか、アクアラインを走るか、フェリーに乗るかということで今回はフェリーを選んでみた訳だ。だってアクアライン高いし、何べんも走ってるし。フェリーは待ち時間もなく来た船にすぐ乗れた。40分ほどの船旅だけど、ドライブのちょうどいい休憩になるし、船室もきれいだし。のんびりしてるうちに金谷漁港に着いた。ここからだと館山は近い。
●途中で富浦町の道の駅で昼メシを食べる。ウニアジ丼を食べたけど悪くない。アジの刺身好き。ビワアイスも食べた。ビワは好きだけど加工食品にするには奥ゆかしすぎる果物だと思う。そういえば子供の頃、食べたビワの種を家の庭に埋めたら芽が出て結構立派なビワの苗木になったことがあった。庭にビワはよくないとか何とかで裏の路地に移植されたけどあれはどうなったのかな。テレビでは郵政民営化法案が否決かというニュースをやっていた。
●そこから館山市街を通り抜け、海沿いに西へ走ると休暇村がある。館山市街は花火大会の日だというので道路沿いに露天を出す準備でワサワサしていた。家族総出で一年に一度の露天を組み立てている感じである。宿には13:00過ぎに着いた。まだチェック・インできないので子供だけ着替えさせてプールへ。目の前が海水浴場だけどこっちはまだジーンズはいてるし、取り敢えず今日はプールでいいかと。プールは子供用の浅い海水プール。子供を遊ばせながら周囲の施設や海水浴場をチェックした。
●15:00過ぎにチェック・イン。部屋はバスなしだけど十分広くて感じのいい洋室。荷物を片づけて風呂に行くことにする。風呂は温泉。僕は風呂にはあまり執着しないが広い風呂はやはりいい。露天もいい。ここの風呂はできたばかりの建物で海に向かって眺望が開け気分がいい。露天もある。熱すぎないのも好ましい。露天風呂でゆっくり手足をのばしてリラックスする。
●晩メシはアワビの刺身と石焼きを中心とするメニュー。温泉宿にありがちな「温泉食」では得体の知れない突き出しや小鉢でむやみに腹だけ膨れることも多いが、ここでは謎の一人鍋や冷えた天ぷらなどはなく、きちんとしたアワビが食べられて嬉しい。ご飯と味噌汁と漬物がバイキングで取り放題なのもいい。刺身が出たらやっぱり白いご飯だろ。美味しかった。
●夜は館内の広間で模擬店みたいなのが出て、ヨーヨー釣りや射的ができる。ま、子供向けだけど。テレビ見たら衆議院が解散していた。することもないので21:00頃寝た。健康的だ。

■2005年8月9日(火)

●7:00起床。曇っているが雨は降りそうにないし気温は30度まで上がるということなのでビーチに出ることにする。朝メシはバイキング。パンを食べたい人はパン食にすればよろしいが、僕は正直言ってパンというものがあまり好きではない。ドイツに通算8年住んでいたがパンよりは断然ご飯を好むのである。そこでバイキングからオーソドックスな和食だけをピックアップしてみた。
●アジの開き、納豆、高菜の漬物、そして味噌汁、ご飯。佃煮の類は嫌いである。あと朝から味のついた「おかず」もイヤだ。納豆とアジでご飯を2杯食べて最後はコーヒーで締めた。ふだん朝は牛乳一杯しか飲まないが、それは朝メシを食べているヒマがあったらその分ギリギリまで寝ていたいからである。時間的、精神的余裕がないと朝メシは食べられない。
●部屋で水着に着替えビーチへ。太陽が出ていないのでパラソルは見送ってビーチチェアだけを借りた。それにしてもみんな何だかテントみたいな「マイ・ハウス」を持参してんのな。いやあ、あの気合いの入り方はただごとじゃない。うちなんか100円ショップのレジャーシートだけだぞ。あとピザーラのエビが普及率高い。そういえばピザーラのエビはグアムでも見たっけな。
●海では泳ぎたくないので(塩辛いから)、時折水に入る他はビーチ・チェアに寝ころんでバラードの「Millennium People」を読んでいた。原書である。もともと辞書なんか持ってくる訳もないので分からない単語は適当に読み飛ばしているのだが、集中力がなくなってくるとだんだん字面だけ追って頭に入っておらず、同じところを何度も読み返したりする。結局2日間で25ページ読んだだけだった。
●買ったばかりのiPodも持参したが、潮風と高温とサンオイルのダメージが気になるので、大滝詠一の「EACH TIME」とフリッパーズ・ギターの「CAMERA TALK」を聴くだけにしておいた。なにしろ新品なので。ていうかそもそもあまりビーチ向けの曲が入っていないことに気づいた。
●時折空が暗くなり、「ただいま千葉県南部に雷雨注意報が発令されました」とかセキュリティから放送があるとビビる。何しろ雷直撃があったばかりだからな。結局雨は降らなかったけど。
●昼メシは海の家のカレー。海の家といえばカレーだろ、ということでカツカレーを頼んだのだが、関東では海の家といえばラーメンらしい(朝見たテレビでやっていた)。カレーはまずまずだったがカツが今いちだったな。15:00頃にはプールに移動し、さらに岩場でウニやカニを探したりして夕方まで過ごした(ウニは漁業権の対象なので勝手に獲ってはいけない)。とにかく海水浴場と宿がすぐ近くなので助かる。
●さて、この宿ではおさかな市場というのがある。これは夕方にロビーでその日に獲れたと称する魚を即売し、それを晩メシの時に追加料理として出してくれるというものである。ちょうど通りがかったときにやっていたので、アジを一匹買って刺身にしてくれとお願いしておいたら晩メシの時にちゃんと出てきた。これは美味かった。
●晩メシの本体は豚肉の冷しゃぶ。毎日同じでもなあ、と思い変化をつけてみたのだが、定番のコースでも連泊者のために毎日少しずつ中身は違うらしいので本当は心配は要らない。これは別に要らないという洋風の料理も出てくるが、これくらいは量がないとダメなんだろうな。足りない感があるとたぶん不満が出るだろうし。腹一杯食わせるのがもてなしという考え方は根強いんだろうし、それが温泉食の源泉なのかも。
●夜は天文館で海ほたるの発光実験を見た。その後星空観察会だったが曇っていたので途中で出て部屋に帰った。就寝21:00。

■2005年8月10日(水)

●7:00起床。天気は昨日よりもマシかなあ、って程度。朝メシは昨日のメニューに加え、この日はちりめんじゃこ、温泉タマゴ、イカの塩辛が出て豪華になる。かなり理想に近い。ご飯2杯食べてコーヒーで締めた。
●それにしてもバイキングだとここぞとばかりに大盛りにしている人が多い。まあ、それできちんと食べるのなら別にケチをつけることではないのだが、残しちゃう人もたくさんいて。いや、他人の皿をそんなに注意して見ている訳じゃないけどさ。まあ、ああやって目の前に盛られると色々食いたくなってつい手が出てしまう気持ちは分からないではないが。ドイツ人もバイキングだとここぞとばかりに大盛りにするが、彼らの場合間違いなく全部食べる。狩猟民族なので食い放題の時に食い溜めができるのである。
●ビーチに出てビーチ・チェアとパラソルを借りた。浮き輪に穴が空いてダメになったのでボートも借りる。少しは日も出ていたからか、前日よりビーチは混雑しているようだ。僕は引き続きビーチと海を往復しながらうとうとしたり本を読んだり、時折水に入ったりボートを漕いでみたり。背中は少し焼けたと思う。海に入っていると時折大きな波が来る。沖を船が通っているからなのか。波打ち際に立っていても思わずよろけてしまうくらいの波。
●昼メシは昨日の教訓もありカレーにした。食後はやや岩場っぽくなっているところで小さなカニやヤドカリを探して遊んだ。恥ずかしながらヤドカリの本物を見たのはこの年になって初めてだった。何しろ都会育ちなのでそういう生物関係には弱いのである。虫とかも苦手である。ついでに言うと踊り食いとかも。
●夕方、宿に戻り温泉へ。熱い湯に入るとやっぱり背中が痛い。日焼け止めは塗っておいたんだけど。この日もおさかな市場でアジを買い刺身を頼む。晩メシは定番のコースだったがアジの刺身もあってちょうどおなかいっぱい。美味しかった。
●食後は売店でお土産を物色。房州はビワの産地ということでビワ系のお菓子が多い。会社用とあとは自分用にいくつかお菓子を見つくろう。千葉名物落花生もあるがあんまり積極的に買いたいと思うものは少ない。バターピーナッツは好きなんだけど。流れるボールペンはない。模擬店を冷やかして部屋に戻る。帰りのための荷造りも楽である。ひとつやふたつ袋が増えても気にしない。クルマにさえ積めれば問題ない。21:00就寝。ほんと健康的。

■2005年8月11日(木)

●あっという間に最終日である。朝メシはちりめんじゃこと温泉タマゴが消滅。温泉タマゴの代わりに厚焼きが出ていたが、こういうところの甘い厚焼きはダメだ。だいたいメシのおかずに甘いものが出てくるのが基本的にダメだ。昨日より格落ちではあったが焼海苔を見つけた。これって一昨日からここにあったのだろうか。ご飯2杯食べてコーヒーで締めた。
●荷造りをして9:00過ぎにチェック・アウト。ロビーでイカの一夜干しを土産に追加する。結局滞在中どこにも足を伸ばさずひたすら海と宿だけ。それで十分だった。せっかく来たんだし、というほど遠くまで来ている訳でもないし。宿から一番近いセブンイレブンでポケモンスタンプをゲット。自分で編集したビートルズのCDを聴きながら海辺の国道を走る。
●帰りもフェリーを使うことにした。乗り場に着いたらちょうど20分待ちくらいだった。船を待つ間、売店でイカの塩辛とちりめんじゃこを買った。船に乗っているのは正味35分。地図で下船してからの道を確認しているうちに久里浜に着いてしまう。ここからは行きの逆ルートで横浜横須賀道路→横浜新道→第三京浜と帰る訳だが、第三京浜まで渋滞もなく調子よくたどり着いたものの、環八に入ってからが全然進まない。途中から裏道に入って家を目指したが高速降りてからの数kmの方が断然時間かかったと思う。
●帰りに家の近くのスカイラーク・ガーデンズに寄って昼メシを食べたが、ここのスパゲティはだんだんまずくなっていると思う。今日も今いちだった。



Copyright Reserved
2005 Silverboy & Co.
e-Mail address : silverboy@silverboy.com