logo ニュルンベルグのクリスマス・マーケット


■2001年12月8日(土)

●快晴になった。この季節にこんな日は珍しいんだけど、その分寒い。朝一番でクルマに乗ってアウトバーンを南に向かった。朝8時前に家を出るとまだ夜明け前という感じで薄暗い。ひたすらアウトバーンを走っているうちに日が昇ってくる訳だが、冬のヨーロッパでは太陽が低いので晴れの日に運転しているとやたらまぶしいのだ。しかもフロントグラスの汚れがよく分かって情けない。特に内側。
●早く出発したせいか渋滞にも遭わず、工事箇所も少なく、450kmの距離を5時間強で走破して1時過ぎにホテルに着いた。これにはトイレ休憩20分と昼食休憩1時間が含まれているので、実際走っていたのは4時間弱。平均時速120km近いペースで走り続けた訳だ。これはなかなかの記録である。
●ホテルは中央駅横のマリティム。部屋は広めのダブル。室内に掲示されている料金表を見ると一泊700マルク以上の金額が書かれているが、僕たちの予約では一泊390マルク。ドイツのホテルは見本市などでホテルが軒並み満室になるハイシーズン用に定価を高く設定しておき、ふだんはそれをディスカウントしているという仕組みになっていると聞いたことがある。イベントの時だけ割り増しということができないので、むしろふだんを割引料金にしちゃってる訳だ。
●今回の予約はファックスでプライスを照会し、返送されてきたオファーを電話でコンファームして押さえた。場合によっては何軒かにファックスを送り、立地条件とランク、プライスを考えて決めたりもするんだけど、今回は場所とランク重視で初めからここを第一希望に決めていた。12月のニュルンベルグはホテルも満室、と「個人旅行」には書いてあったのでダメかなとも思ったけど問題なく予約できた。ええと、あれは、11月の半ばのことだったかな。
●さて、ホテルでちょっと休憩してから完全装備で外へ出た。ニュルンベルグはみぞれという怖ろしい予報もあったが天気は悪くない。しかし寒い。デュッセルドルフより5度くらい寒いような気がする。風はあまりないので外へ出た途端震え上がるという感じではないけど、ずっと外に出ていると身体の芯から冷えて来る。手袋は必須。耳も痛い。おそらく気温は3度以下だったと思う。
●中央広場で開かれているクリスマス・マーケットを目指した訳だが、そこへ向かう道々に既にさまざまな露店が出ている。多くはニュルンベルグ名物レープクーヘンを売る店。レープクーヘンというのは何でもナッツの粉を固めたお菓子らしいが、見た目はパウンドケーキやクッキーに似ていて、粉砂糖だのチョコだのがかかっていると結構美味しそうに見える。土産用のキレイな缶や箱に入っているとつい買ってしまいそうになるが味は…。もちろん好みの問題だが初めての人は味見をすることをお勧めしたい。他にはやはりニュルンベルグ名物ニュルンベルガー・ソーセージの露店、クリスマス・マーケットには必須のホットワイン「グリューヴァイン」の露店などが多い。
●中央広場に向かうにつれてどんどん混み合ってくる。まあ、12月の土曜日の午後はどこの街でも人出が多いが、それにしてもこれだけの人混みはドイツでは珍しいというくらい混んでいる。やっぱりクリスマス・マーケットを目指してきたよそ者が相当紛れこんでいるようだ。もちろん自分も含めてだが。聖ローレンツ教会も博物館橋も写真を撮るのがやっと。もっとも既に辺りは暮れ始めていたからおそらくまともな写真にはなっていないだろう。
●人混みに流されながら中央広場にたどり着いたのが3時半くらい。かなりの広さの広場いっぱいにテントの露店が軒を並べている。食べ物、飲み物の屋台はもちろんだが、クリスマス・マーケットというだけあってメインはクリスマス・ツリーの飾りやおもちゃ。ニュルンベルグは木のおもちゃで有名なおもちゃ産業の総本山なのだ。だからここのクリスマス・マーケットはこんなに大規模で有名なんだろう。どこの街でもこの季節にはクリスマス・マーケットという露店が出てもちろんデュッセルドルフのクリスマス・マーケットも賑わっている訳だが、やはりここは本家というか元祖というか別格である。
●今年はツリーを新しく買ったので、そこに飾るオーナメントを調達するのが今回の旅行の第一の目的。買わなければとは思うんだけど店がたくさんありすぎるので目移りしちゃってなかなか決められない上にすんごい人混みで動きもままならない。あっちへ流されたりこっちへ押されたりしながらそれでも何軒かで星飾りやボールなどを買った。値段は、どうだろう、相場感というのがないので高いのか安いのかよく分からないな。
●気がつくと時刻は5時前であたりはすっかり暮れてしまっている。一通り買うべきものは買ったので第二の目的であるニュルンベルガー・ソーセージを食べに行くことにする。苦労して人混みを横切り、まずは以前にも入ったことのあるブラートヴルスト・ホイスレを目指したがここがまたえらい混みよう。何で5時前なのにこんなに混んでいるのかと他人事のように腹を立てたがいずれにしてもここで何十分も立って待つつもりはない。次を当たることにした。
●で、次に行ったのがブラートヴルスト・レスライン。混んではいたもののお待ち状態ではなく店内も何となく広々していたのでここに決めた。注文はニュルンベルガー・ソーセージ10本とザウアークラウト。ニュルンベルガー・ソーセージというのは以前にも説明したと思うが直径1.5センチ、長さ10センチくらいのドイツにしては小ぶりのソーセージで、これを本数単位で注文して食べる。やはりこの街に来たらこれを食べないで帰る手はない。ビールを飲みながら食べたが焼きたてのジューシーなソーセージは美味しかった。
●外へ出てホテルへ帰る前にグリューヴァインを飲んで行くことにする。これも何度か説明していると思うんだけど、赤ワインを温めて砂糖をぶちこみ、シナモンなどで香りをつけたホットワインである。寒いときにこれを飲むと暖まる。クリスマス・マーケットにはなくてはならない飲み物だ。
●グリューヴァインはたいていマグカップでサーブされるんだけど、このマグカップには今年の年号と地名、それにサンタクロースや雪だるま、クリスマス・ツリーなんかの可愛らしいイラストが描かれているのが普通だ。料金にはカップのデポジットが含まれていて、飲み終わった後カップを返せばデポジットが返ってくるし、欲しければそのまま持って帰ってもいい。アルコールが蒸発してモワッと来るので最初は少しむせたりするがなかなか美味しいものだ。もちろんカップはもらって帰った。
●後は土産物屋に立ち寄ったりしながら6時半頃ホテルへ帰ったが、まだまだ人出は衰える気配がなかった。というか明らかに増えていた。あれ以上増えたらいったいどうなるんだろうな。

■2001年12月9日(日)

●やはり快晴。ビュッフェで朝ごはんを食べてから少し散歩することにする。クリスマス・マーケットは朝10時頃から開いているということなので人出の少ないうちにもう一度ゆっくり見て、ついでに明るいところで写真も撮っておこうという計画である。
●10時頃ホテルを出て、聖ロレンツ教会や博物館橋で写真を撮りながら中央広場に向かったんだが、これが既に結構な人出なのである。もちろん混雑しているというほどではないが、さりとてガラガラという訳でもない。人をかわしながら歩くという感じ。中央広場ではまだたたんだままの店もあったが、既に店開きをしているところも多い。追加でツリーの飾りを買い、フラウエン教会や美しの泉で写真撮影をした。寒かったけど冬の朝のすがすがしい空気を吸い込むのは気持ちよかった。
●ホテルに戻りチェックアウトをしたのが11時半くらい。最初のサービスエリアでガソリンを補給してデュッセルドルフへ。帰りもやはり休憩1時間15分ほどを含んで5時間強のドライブだった。
●晩メシは面倒くさいのでインドカレーの出前を取った。ほうれんそうカレーが美味しかった。



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