logo 夏休み2001


■2001年7月15日(日)

●今年の夏休みはいろいろ考えた結果ドイツ国内ですませることにした。最初はジュルトとかマジョルカとかも考えたんだけど、飛行機は避けたいとか大きなプールのあるところがいいとかキッチン付きは必須とかの条件を詰めて行くうちに、それならクルマで行ける近場でプールがあってキッチン付きのバンガローみたいなところにしようということになった次第。
●で、行き先はザウアーランド。ザウアーランドというのはルール工業地帯から東に広がる山地一帯で、冬はスキーリゾートになるところだ。ここにファミリー向けで大きなプールのついたスポーツリゾートみたいな施設があり、キッチン付きのバンガローもあるということで決めた。
●ただし、月曜と金曜しかチェックイン、チェックアウトができないので、必然的に月→金という取り方しかできない。1日余分に休みを取れば月→月とか金→金というのも可能なんだけど、そこまでして長期滞在するほどのところでもないだろうということで今年は小型の夏休みだ。
●で、出発は月曜なんだけど、この日は前哨戦としてデュッセルドルフの移動遊園地に出かけた。移動遊園地は小規模なものも合わせれば結構頻繁にやってくるのだが、7月の中旬にやってくるヤツはちょっと別格で、「ライン川流域では最大の」と銘打ったかなり大規模なもの。観覧車やジェットコースター、バイキングやフリーフォールみたいなのまで組立式で出現する。夜遅くまでたくさんの人で賑わう一種のお祭りである。
●昼頃に到着してみると、予想に反して既に結構な人出。たぶん昨日が雨だったからかも。ライベクーヘン(ジャガイモとタマネギの揚げお好み焼き)とソーセージを食べながら場内を見てまわる。アトラクション自体は特に代わりばえしない。乗り物系にはあんまり興味がないので、まあ、主な楽しみは買い食いと細かいゲーム類かな。
●中でも特に力を入れているのがケンタッキー・ダービー。これまで何度もこれで大きなぬいぐるみを獲得している得意種目なんだけど、このところスランプで勝利から遠のいているのだ。詳しい説明は割愛するが、要は12人で競馬ゲームを行い、優勝者だけが景品をもらえるというもの。
●今回も2回挑戦したが、出足はよかったものの途中から伸びがなくなり惨敗を喫した。残念である。次の週末にもう一度出直すつもり。
●景品当てのくじも最近ツキに見離されていて、40枚引いたのに当たりが出ず、シャビーなキーホルダーしかもらえなかった。という訳でこの日の戦利品は細かいおもちゃばかり。投資の割にリターンの少ない1日であった。
●家に帰って旅行の準備。クルマなので特にぎゅうぎゅうスーツケースに詰めこむ必要もなく余裕の構え。自称荷詰めの達人もリラックスして詰めさせていただきました。

■2001年7月16日(月)

●チェックインが午後3時からなので、出発もゆっくり。11時過ぎ頃に家を出て、まず近所のスタンドで給油し、それからケンタッキーで昼メシを食い、スタートしたのは12時過ぎ。天気はあまりよくないが、まあ断続的に雨が降る程度で致命的な崩れはなかった。アウトバーンを東に向かい、途中から一般国道に出ていくつか小さな街を通り過ぎる。こういうドイツの田舎をドライブするのも久しぶりだな。途中でちょっと不安になって地図を確認したりもしたものの、道を間違えることもなく3時前には目的のホテルに到着。
●駐車場にクルマを止め、重いスーツケースを転がしながらフロントでチェックインすると(フロントが分からなくて坂道を余分に一往復した)、「おクルマは荷物の搬入と搬出の2回のみ施設内に乗り入れて結構です」。そういうことは最初に言ってくれと思いながら指定された139番のバンガローに入居した。2階建てで寝室が3つ(ベッドは6つ)、リビングとカウンター式のキッチンで仕切られたダイニング、暖炉までついたなかなか立派なバンガローだ。
●スーパーマーケットやプール、レストランのある中央棟へも近い。敷地が広く斜面なので、奥の方のバンガローを割り当てられると中央棟への行き来も結構大変だったはず。ラッキーである。スーパーは町中にあるのと変わらない、かなり立派なもので、食料品、日用品をはじめたいていのものは揃う。水、ビール、ソーセージ、パンなどを買った。
●レストランもあるが、せっかくのキッチン付なので晩メシは自炊。持参したスパゲティをゆでたが、トマトソースとコンソメスープに気を取られて麺がややゆですぎになり今ひとつの出来だった。ビールもまだ冷えてなかったし。

■2001年7月17日(火)

●朝からプール。造波プール、流れるプール、大小のスライダーなどを兼ね備えた大規模なレジャープールで、宿泊客だけじゃなく一般にも開放している様子(もちろんカネは取るけど)。当然屋内なんだけど、流れるプールに乗ってるとそのまま屋外に運ばれ、20度を下回る外気温に震え上がった。まあ、水温は高めなので肩までつかっていると何だか露天風呂みたいな感じもするんだけどね。
●それにしても東洋人は我々以外にだれもいない。僕たち自身は分からないけど、きっと目立ちまくっていたんだろうと思う。その代わりたくさんいたのはオランダ人。どうも施設がオランダの資本らしく、施設内の掲示もすべてドイツ語とオランダ語で、少し耳慣れない言葉が聞こえると思ったらオランダ語。何もオランダからドイツのリゾートに遊びに来ることもないとは思うがまあ人の勝手だし。
●昼メシはプールから上がってカフェでサンドイッチ。そのまま部屋に帰って昼寝、夕方からスーパーで買い出し、と変わりばえのしないスケジュール。晩メシはソーセージを焼いてみた。今日はビールもよく冷えて美味しかった。
●浴槽に栓がない。仕方なく、ビニール袋を排水溝に敷いた上からハンカチを詰め込んで即席の栓にしたがこれがなかなかいいアイデアだった。必要は発明の母である。
●テレビでリーガポカールのシャルケ×ドルトムントを観戦。どうもこの近くでやっているらしい。満員である。シャルケはロストックから移籍してきたアガリが前半に2得点を決めて流れを支配してしまった。ドルトムントはボビッチが意地のゴールを決めたものの、注目のアモローゾが今ひとつチームに溶けこんでいない感じ。まあ、シャルケもドルトムントも国内リーグとチャンピオンズ・リーグの並行スケジュールなのでいろいろローテーションを考えてるんでしょう。結果は2-1でシャルケ。
●そういえば昨日電話のジャックを引っこ抜いて持参したノートブックに差し込み、ネットへの接続を試みたが、0発信がよくないのかうまくつながらなかった。旅行先からメールの送受信やサイトの更新ができるかと楽しみにしてたんだけど、またしてもスタンドアローンで使うことに。

■2001年7月18日(水)

●やはり朝からプール。まずイスをいくつかキープしてからまだ人の少ないプールでひと泳ぎ。その後は造波プールでパチャパチャやったり寝椅子でゆっくりしたり子供プールで遊んだり。ファミリー向けのリゾートだし屋内なので目の保養になるような現象は見られない。ターゲットを大きく下回る子供さんかターゲットを大きく上回るお母さんしかおらず煩悩の湧き出る余地はまったくないといっていいでしょう。
●そういえばゾウアザラシみたいなおばさんがいたな。あれはすごかった。ドイツ人もちらちら見てた。
●昼メシはまたカフェでサンドイッチ(だって他のレストランが開いてないんだもん)。午後は買って帰ったゴシップ紙を読んだり昼寝したりして過ごす。ドイツのゴシップ紙はシュテフィ・グラフの妊娠でもちきり。ふだん読まないゴシップ紙も暇つぶしに隅から隅まで読むと結構面白い。
●晩メシは雪辱戦として再びスパゲティに挑戦。ソースは出来合いのミートソースだが、麺は見事にアルデンテにゆで上がった。麺が美味いとソースは少々適当でも食える。満足である。
●キッチンで排水溝の栓を発見。試してみたところ浴槽にもピッタリで、ビニール袋+ハンカチというアイデア商品は一日でお払い箱になった。まあ浴槽にお湯を張って入浴する人も少ないんだろう。僕だって自分一人なら毎日シャワーで構わない。実際ドイツ各地で語学研修していた時は丸1年ほとんどシャワーばっかりで浴槽になんてホントに数えるほどしかつからなかったけど全然OKだった。こういうメンタリティは日本人にはあってはならないことでしょうか。
●夜は昨日に続きテレビでリーガポカール準決勝第2試合バイエルン・ミュンヘン×ヘルタ・ベルリンを見る。試合は前半39分にダイスラーのセンタリングにプレーツが飛び込んでヘディングで決めた1点をヘルタが守りきり1-0で逃げ切り。バイエルンがどうというより今季はひょっとしたらと思わせるヘルタをほめるべきでしょう。マルセリーニョとアルベスのコンビは侮れない。今季のバイエルンの敵はシャルケでもドルトムントでもましてやレバークーゼンでもなくヘルタだとだれかが言ってたけどそれもあながち間違いじゃないかも。

■2001年7月19日(木)

●この日も朝からプール。日本人ではない東洋人の家族を見かける。そういえば思ってたより肌寒く、念のために持ってきたトレーナーを毎日のように着てるんだけど、きっと「あの東洋人、毎日同じ服着てるよ、貧乏なのかもな」とか思われてんじゃねえかと気が気じゃない。そういえばここはそれほど金持ちではない人たちのリゾートのようで、一昨年行ったソレントの高級ホテルやポルトガル南岸の高級リゾートで見かけたハイソな人たちとは同じ家族連れでも雰囲気がかなり違う。そう思って見ると子供もみんな頭の悪そうなハナたれ小僧の顔をしているように見える。気のせいか…。
●今日は昼メシにプールサイドのバーでソーセージを食べる。皿もコップも全部保証金がついてて、最初は異様に高く感じられるのだがカウンターまで返しに行くとおカネが返ってくる。ドイツでは屋台などでよくやっているシステムだけど、こんなとこでは初めてだ。まあ、プールサイドにコップだのコーヒーカップだのを持って行っちゃってそのままにしておく客がいるからだろうな。でも、このシステムに気づかずにバーのテーブルに食器を置きっぱなしにするとえらい損害だ。
●午後からもちょっと泳いでから部屋に戻って昼寝。夕方スーパーへ最後の買い出しと空き瓶の返却に行く。途中のステージで子供のためのイベントをやっていて、「頭、肩、膝、ポン」という遊びをやっているのを見る。日本語でも同じ歌があるらしいのだが、こちらは英語でユーロビート調の伴奏付き。歌詞が聞き取れたのが嬉しかった。
●スーパーには空き瓶引取機みたいな機械があり、所定の場所に空き瓶をセットしてスイッチを入れると、機械が自動的に内部に瓶を取り込み、その種類を判断して保証金を算出し、レシートを発行してくれる。それをレジに持って行くとおカネを返してくれるというシステムである。本当にきちんと違う種類の瓶を判別できるのか半信半疑だったが、1.5リットル入りのペットボトルと、350ccのビール瓶、750cc入りのミネラル・ウォーターのガラス瓶をきちんと判別してレシートを出してくれた。偉いヤツだ。
●晩メシは持参した乾麺のうどん。これもアルデンテに仕上げる。涼しいので温かいうどんにしようと思ったが、問題はつゆであり、冷やしうどん用に持参した麺つゆを希釈して使うことにするが、関西人の僕にはどうも色が濃く味も甘いように感じられてならない。調味料といっても塩くらいしかなく、仕方なく甘いめのだしでうどんをいただくが、麺のゆで加減がよかったので何とか食べられた。
●早くも明日がチェックアウトなので荷詰めをする。要はクルマに積めばいいので荷詰めも今ひとつ緊迫感にかける。こういう状態だと忘れ物が怖い。それでも寝るまでにスーツケースを二つ仕上げる。

■2001年7月20日(金)

●朝から残りの荷物をまとめ、駐車場からクルマをピックアップしてバンガローの前に横づけする。週に2回の入れ替え日なので、そこら中で同じように荷物の積みこみをしている。フロントが混みそうだったので早めに準備をすませ、忘れ物がないか点検して出発。クルマをもう一度駐車場に回してフロントでチェックアウトをすませ(金庫のデポジットを返してもらっただけだった)、施設を後にした。
●まっすぐ帰るのも芸がないし、滞在中は毎日プールだったので、近くの遊園地に寄って帰ることにする。ホテルからは30分ほど、田舎道をどんどん奥へ入って行く感じだが、要所に案内の標識があったので迷うことなくたどり着いた。後ろからずっと同じオランダ・ナンバーのクルマがホテルから遊園地までついてきたのだが、そいつが途中で一回路肩に片輪を落としておっとっと状態になっているのをバックミラーで目撃してしまった。おそらく山道からの眺めについよそ見してしまったんだろう。ふふふ。
●遊園地は斜面に造られた細長いものだが、それなりに広くアトラクションも立派。ジェットコースターは激しいヤツから子供向けまで3基もあるし、急流滑り系も2基あって、しかもそれぞれがすごく長く立派。ぐるぐる回るアトラクションなんかも1回の運転時間が半端じゃなく長くてゲロゲロきちゃいそうである。質実剛健というかカネを払ったからにはモトを取るまで楽しむドイツ人向けなのだ。ジェットコースターだって2周しちゃうんである。
●しかし天気が今ひとつでかなり肌寒い。時折小雨もぱらつくし、何しろ敷地が細長いので奥まで行くのが大変なのだ。一番奥まで行って折り返し、途中で雨宿りに入ったテントで早めの昼メシを食べた。それからもしばらく園内をさまよったが、どういう訳か平日なのにやたら人出が増えてくるし、身体が冷えて頭が痛くなってくるしで昼過ぎには退散した。まあ一応モトは取ったんじゃないかと思うけど自信ない。
●帰りは一部渋滞もあったもののやはり2時間半程度で自宅に到着。

■2001年7月21日(土)

●デュッセルドルフで買い物。CDを2枚買う。
●夕方からリーガポカールの決勝、シャルケ×ヘルタを見る。ヘルタが4-1で勝つ。やはり強い。そういえばシーズンの開幕は来週だな。

■2001年7月22日(日)

●最終日の移動遊園地に再び出かける。天気がよく暑い。人出は多い。くじ引きはやはりはずればっかり。
●さて、ケンタッキー・ダービーだ。詳しく説明すると、スマートボールみたいな台が12人分横に並んでおり、直径6cm程度の穴がそれぞれ15個ほど開いている。そこに直径5センチくらいの堅いボールを転がして穴に入れるというのが参加者の仕事だ。穴には入りにくさに応じてランクづけがあり、一番奥の穴は3点、真ん中は2点、手前は1点だ。
●さて、一方カウンターの奥にはおもちゃの競馬のレーンがあり、馬が12頭並んでいる。これが参加者の台と連動しており、3点の穴にボールが入ると馬が3歩、2点なら2歩、1点なら1歩、馬が進む仕掛けになっている。司会者(というかテキ屋のおばさん)の号令とともに一斉にスタートし、一番先にゴールインした人が景品をもらえるという他愛のないゲームなのだがこれが結構いい大人がマジでやっているのである。
●前回惨敗を喫したので雪辱を期して挑戦。1回目は団子状態の混戦だったが伸びを欠いてやはり負け。そこで2回目はやり方を少し変えて臨んだところこれが当たったようで、最初から独走になり、途中でちょっともたついて追いつかれそうになったけど、最後にまた引き離して見事優勝を飾った。感無量である。見知らぬ日本人も応援してくれていたらしい。ピッピ(ポケモン)のぬいぐるみをもらって帰った。
●夜はまたしてもスパゲティ。麺をアルデンテにゆで上げる一方で、今日はシーフードソースを作る。タマネギとニンニクをオリーブオイルでこがさないように炒め、そこに冷凍のシーフードミックスを投入(イカ、小エビ、ムール貝とアサリのむき身)、白ワインとトマトペースト、マギーブイヨンを入れて塩こしょうで味を調えた。いやあ、調味料をつかってきちんと料理できるのは幸せだ。味? もちろん美味しかったです。
●という訳で、今年の夏休みはこれで終わり。冬は是非とも南の島に行きたいな。カリブ辺りにでも。



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