ライブDVD「星の下 路の上　2006.4.2 LIVE AT 国際フォーラム / HALL A」の初回限定盤付属のライブCD（通常盤には付属していない）。このライブ音源をiPodなどの携帯用プレイヤで聴きたいリスナーのために、リッピングの困難なDVDと併せて一部の楽曲をCD化したとの説明が行われている。

タイトルから分かる通り、2006年4月2日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われたツアー「星の下 路の上」の最終公演からのライブである。この日のライブではアンコールを含め28曲が演奏され、本編であるDVDにはその全曲が収録されているが、このCDにはそのうち9曲のみが収められている。

このライブには僕自身参加したしその時のライブ・レビューもアップしてあるので、ライブそのものの評価というか感想についてはそちらを参照して欲しい。またこの音源のリリースやパッケージングについては上記のDVDのレビューで触れることになるだろう。

したがってCD単体として述べることはあまりない。しかし、リッピングの困難なDVDのリリースに際し、ダイジェストとはいえ同内容のCDを添付するという方法論は評価できる。選曲については異論もあり得るだろうが、全曲を収録すればそれだけで立派なライブ・アルバムになってしまう訳であり、その意味でダイジェストすることはやむを得ないし、そうであればどんな選曲にしても何らかの異論はあるのだろうから、殊更にケチをつけるような話でもないだろう。

HKBプラス女声コーラスの編成で1980年代の曲を中心に演奏したこのライブの記録は、佐野の音楽史の中でも貴重なものとなって行くだろう。全編を収録したために大作になってしまったDVD本編をサポートするアイテムとして、それをコンパクトにまとめたライブCDは、リッピングの目的以外にも良心的な企画であったと言ってよいのではないか。