logo ソフトケース化プロジェクト(3) 詰替作業[1]


注文したのはソフトケース50個入りパックを30パックと2枚組用10個入りパックを3パック。送料込みで50,501円だった。商品は17日の金曜日に届いた。大ぶりの段ボール2箱。メーカー出荷用の1箱が20パック入りのようだ。取り敢えず居間においたが結構な物量かつ重い。思っていた以上の物量でややひるんだがもう後には引けない。

詰替作業は翌18日の土曜日からスタートした。CDは洋楽と邦楽に分け、アーティスト名のアルファベット順に並べてある。まずは枚数の多い洋楽から手をつけることにした。

ラックの1段分、45枚前後のCDを積み上げ、1枚ずつ詰め替える。処理手順はこんな感じ。
1. 冊子を抜く。
2. 冊子をソフトケースに挿入。
3. ディスクを外す。
4. ディスクをソフトケースに挿入。
5. ふたを外ケースから外す。
6. トレイを外ケースから外す。
7. バック・インレイを取り出す。
8. バック・インレイをソフトケースに挿入。
9. トレイを外ケースに戻す。
10. ふたを外ケースにつける。
これで1枚完了である。1枚やるのに1分ほどはかかっていると思う。

これをひたすら繰り返す訳だが、これが意外と苦にならない。好きな音楽を聴きながら持っているCDの棚卸をするのは楽しく、「ああ、これはトッテナム・コートロードのヴァージン・メガストアで買った」「これはマンハイムのプリンツで」「これは梅田のロフトのWAVEで」「三宮のSeiden」「京都の十字屋」。

自分自身の音楽遍歴というか、大げさに言うと人生そのものがCDの集積に凝縮されている。「ああ、こんなのあったな。聴いてないな」「ちょっとあとで聴いてみようかな」みたいな。1枚ずつに買ったとき、聴いたときの記憶が固着しており、つい遠い目になる。ソフトケース化を考えるくらいCDがたまってしまっている人ならおそらく分かる感覚だろう。逆にこの作業が苦痛に感じられるのならソフトケース化なんてしない方がいいかもしれない。

そんな訳で時間と手間はかかるが、やっていると時間を忘れる。結局初日はAから始めてFの辺りまで終了。消費したソフトケースの枚数を数えると約300枚の入れ替えを行ったことになる。

だが、1日やってみていくつか問題点が明らかになった。

まず、指がもたない。トレイを外す工程でついつい爪を引っ掛けてカパンと外そうとするのだが、200枚くらいで既に相当爪がダメージを受け、左手の親指、右手の親指、人差し指、中指の爪と肉の間が痛み出した。特に右手の中指は爪の中に血がにじむほど。もはや拷問である。仕方ないので残りの100枚くらいはマイナスドライバーをトレイとケースの隙間に差し込んでひねるようにした。ドライバーを持ったり置いたりする分効率は落ちるがやむを得ない。

それからプラケースに直接ステッカーや値札を貼りつけてあるのが結構あってこれが面倒だ。ジャケットが美術性重視でアルバム・タイトルやアーティスト名の書かれていないものだとそれらを記載したステッカーが貼られていたりするが、これをプラケースから剥がしてソフトケースに貼りかえるのがメンドい。もう大雑把にはがして満足するしかない。

他にも「シングル曲『××』収録!」「全英1位獲得!!」みたいな宣伝ステッカーやら値札やらがケースに直接べったりと貼られていることも少なくない。空になったプラケースを処分するときのことも考えてできる限りその場で剥がすのだが、例によってきれいに剥がれなかったり、作業がそこで中断することにもなって時間がかかりイライラする。海外で買った奴に極悪なのが多い。国内では梅田のWAVEがケースに直接値札を貼りつけてやがる。

あと、ブックレットやバック・インレイがソフトケースのポケット部分になかなかうまく収まってくれないことが結構ある。ポケットがややきつめにできているので、まっすぐ滑らせないと端が引っ掛かって奥まできちんと入らないし、ブックレットの材質がペタッと感じの艶紙だったりするとビニルにくっついて滑ってくれない。

ブックレットが分厚くてもきつくて入りにくいし、逆にぺら紙1枚だったりしても腰折れして上手く入ってくれなかったりする。気をつけないとクシャっとやってしまう。慣れるにつれてだんだんコツがつかめてくるものの、それでも時間がかかってしまうことがある。

プラケースのトレイが透明なものの場合、CDを外すとバック・インレイの裏側に印刷があり印面が読めるものが結構ある。ところがソフトケースではCD収納部に不織布が貼られており、バック・インレイはその裏に挿入する作りになっているので、バック・インレイの裏面は読むことができない。これは想定していたものの、実際やってみるとバック・インレイの裏面にクレジットを印刷したものとかもあって悩ましい。まあ、割り切るしかない。そんなものをどうしても読まなければならないことなんて何年もなかったんだから、実際。

一方で作業手順の改善、作業効率の向上もできた。上記の手順の通り、最初は冊子をプラケースから抜いてはソフトケースに挿入、ディスクを外しては挿入という具合にやっていたが、冊子を外し、ディスクを外し、バック・インレイを抜くという作業をまずやって、次にこれらをソフトケースに挿入するようにした方が早いことが分かった。

また、いちいちふたを外ケースから外さなくてもトレイは十分外せた。そこで作業手順は以下のようになった。
1. 冊子を抜く。
2. ディスクを外す。
3. トレイを外ケースから外す。
4. バック・インレイを取り出す。
5. トレイを外ケースに戻す。
6. バック・インレイをソフトケースに挿入。
7. ディスクをソフトケースに挿入。
8. 冊子をソフトケースに挿入。
こういう向上心が日本の高度経済成長を支えたのだろう。作業初日はこんな感じで終了した。

(2) 導入の経緯ソフトケース化TOP(4) 詰替作業[2]



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