この特集は、2010年9月29日にデビュー30周年の記念盤としてリリースされたアルバム「The Very Best of Motoharu Sano / A Message To Soul Boy」にちなんで、何人かの佐野元春ファンが自分なりのベリー・ベストをまとめたものである。

オリジナルとの対比を明確にするために曲数は同じ16曲にすること、音源は既発表のものから取る（未発表音源、架空の音源は入れない）ことという2つの制約以外は自由に選んでもらったので、選者の佐野元春に対する考え方や思い入れがよく分かる選曲になったのではないかと思う。

そして、それはそのまま、佐野元春というアーティストがどのようにして、どのような人たちに受容されてきたのかということのショウケースであり、佐野の多面性を表すものだ。それを僕は、佐野の歌の名宛人である「ソウルボーイ」（ソウルガールもいるがそこは勘弁して欲しい）からの、佐野への返信に見立ててみた。

佐野がそれぞれのファンの中でどのような像を結んでいるのか、この特集から読みとって楽しんでもらえると嬉しい。そしてまた、この特集に協力してくれた僕の友達に改めて感謝したい。