logo Rock & Soul Review 渋谷公会堂


名前(性別/年齢) dolce vita (男性/31〜35歳)
参加したライブ 7/2 渋谷公会堂
嬉しかった曲 Spoken Words 「冗談の探求」
いらなかった曲 「SOMEDAY」
聴きたかった曲 「君を失いそうさ」
サックスについて ブルージーでジャズィーでルーミーなサウンドにとてもマッチしていた。僕としてはフルートの方が印象に残った。とてもcoolだった。
「SOMEDAY」について 今回のライブでみせた「新しい元春サウンド」とでもいうべき音には合わないので、今回はやらない方がよかったと思う。同じ理由で、アンコールで演奏した定番曲(「アンジェリーナ」「HAPPY MAN」など)もやらない方がよかった。前半の演奏がハイテンションでとても良かった分、演奏・楽曲とも稚拙に感じた。
とは言ったものの、古田たかしのイントロ「ダカダッタッタ」には感慨深いものがありましたが…
感想 新しいサウンドは、非常に完成度が高く、かつ緊張感があり、とてもよかった。僕が今まで聴いたライブの中でも「最高」の部類に入る演奏だったと思う。中でも、「Strange Days」、「Wild Hearts」、「99Blues」、「月と専制君主」といった『Cafe Bohemia』からの曲のリ・アレンジは最高によかった。とても風格があるのに居心地がよい、理想のカフェといった感じだ。そのサウンドの流れの中だと、Spoken Wordsもあまり不自然な印象がなかったし、「Heart Beat」のSpoken風アレンジもよかった。個人的にはこの路線のアレンジの「COMPLICATION SHAKEDOWN」が聴きたい。

ただ、毎回のことだけど、(こんなこと言うと偉そうですが、相手が西上さんなので、敢えて書きます)ファンの態度というか意識の低さというか、思想のなさというか、そういうのにはがっかりします。Individualという言葉を辞書でひいてからライブに来てほしい。はっきり言ってキモチワルイ。僕はその理由で何年間かライブに行かなかったくらいイヤなのです。もちろん、楽しみ方は人それぞれ、ですけどね。
「こぶしを振り上げるのはいいかげんやめましょう。もう21世紀です。」
まるでオヤジのラジオ体操みたいだった。
 
名前(性別/年齢) April (女性/36〜40歳)
参加したライブ 7/2 渋谷公会堂
嬉しかった曲 「レインボー・イン・マイ・ソウル」
いらなかった曲 (記入なし)
聴きたかった曲 「SOMEDAY」
サックスについて サックスは特に気にならなかった(motoのライブはサックスがあって当たり前というように耳が出来ているのかもしれない)。それよりフルートの方がずっと印象的だった。意外に心地よく耳に響いてそれがよかった。
「SOMEDAY」について 他の会場では演奏されたと聞いていたので、演らなかったのにはがっかりした。
聴けなかったことで、却って自分にとって一年に一度あの歌を生で聴くことの意味を思い知らされた気がした。その時その時によって「SOMEDAY」がわたしにもたらす感情は様々だが、最後はいつも「この歌が好きだ」と必ず思う。そして「元春(の存在)が自分には必要なんだ」と気づく曲だ。それを確認できなかったのはとても残念だ。
感想 「1曲をじっくり演奏する」と言っていたが、間奏の長さには少々うんざりする場面があった。元々わたしはギターソロなどを延々と演られるのが好きではない。アレンジを変更するのはmotoの才能のひとつであると思うけれど、「歌があってこそ」ではと思うのはわたしだけだろうか。ただ自分がそういう演奏スタイルに身体がついていかない年齢になったのかもしれない、という気もするが。また、1、2曲でぶつ切りにするアンコールのやり方にはどんな意図があるのか計りかねる。間奏の長いのも同じことなのだけれど、盛り上がったものがイヤでもしぼんでしまう(これは感想ではなく「リポート」でしょうか)。
新曲の「Sail On」はよかった。聴いていて自然にやさしい笑みが出て体が踊る曲だ。今までにない新鮮な感じがした。わたしが好きなのはライブでふと見せるmotoの嬉しそうなやさしい笑顔と、MCでのやわらかな声、かな。わたしはどちらかというとキツイ性格なのだが、motoの笑顔と声に触れているときは、少しはやわらかい顔になっているのではないかと思う。この次も元春に会いに来ようと今回も思うことができた夜だった。
 
名前(性別/年齢) kyoko (女性/36〜40歳)
参加したライブ 7/2 渋谷公会堂
嬉しかった曲 「ジグゾー」、「冗談の探求」
いらなかった曲 特にない
聴きたかった曲 特にない
サックスについて ハートランドの時とは違い、若干ジャズテイストも持っている大人のらっぱ、という感じでよかったと思います。彼は、操るらっぱがひとつではないので、それもよかった。フルートや、アルトサクソフォンなど、他にも多彩。LIVEの音が広がる。
「SOMEDAY」について じつはこの日の前日の渋公一日目にも行ったのですが、そのとき「SOMEDAY」は演奏されませんでした。でも、まったく残念という感じは受けなかった。もしかしたらそろそろ、LIVEのセットリストからはずすことのできる時期を佐野元春が迎えているのかもしれない。あの曲だけはアレンジを大幅に変えることは難しいようだし。やはり完成された曲という印象を受けます。でも、佐野元春が演奏したいというのなら、それはそれでまったくOKだとも思う。ただやはり特別な1曲であり、名曲であることはたしか。佐野元春は最近この曲を歌うときによく感極まっていることが多い(笑)。きっと彼にとっても特別で大切な1曲なんだろうと思う。ただ、あたらしいオーディエンスにはぜひLIVEでこの曲を聴いて欲しいとも思います。
感想 佐野元春にはじめて大人の男性としての包容力のようなものを感じてしまった。彼が何がしかを心の中で今回決めたのだと思いました。吹っ切れた明るさと、覚悟を決めたものの強靭さが同時に感じられ、新しい地平に佐野元春が立っているのだと思い、ほんとうに嬉しかった。[ 佐野くん、いまシアワセなんだな〜 ]、そう思えて嬉しかったです。45歳の、そして21年というキャリアを持っている佐野元春だからこそできるステージングが今回は観れたと思います。でも、それが妙に[上がり]っていう感じではなく、45歳の男性として、アーティストとしてまだしっかりヴィヴィッドに走りつつも貫禄あるパフォーマンスだったのが嬉しかった。自分の年齢で聴くに耐えるロックミュージックが日本ではほとんど皆無だと思う。でも、その可能性が今回の佐野元春に見えたと思いました。広い意味での大人としての他者への愛とか、他者と繋がっていこうとする意思のようなものを新曲の[ジグゾー]や[ Sail On ]に感じます。またそういうものを歌の題材に取り上げて歌おうとしている佐野元春を今までで一番身近に感じた。この世界で、おなじフィールドでこの人もやりくりして生きてこうとしてるのだと思えたので。佐野元春が今回発見しているであろう地平が、次のアルバムで観れることを今からとても楽しみにしています。そしてわたしも頑張っていこうと思えた今回のステージでした。今更ながら、やはりこれからも佐野元春をずっと観てゆくんだろうなあ、そう思いました。
 
名前(性別/年齢) A LISTNER (女性/31〜35歳)
参加したライブ 7/1 渋谷公会堂
嬉しかった曲 嬉しいと言えるかはちょっと不安だけれど冒頭の「ナポレオンフィッシュ」
いらなかった曲 今回のヤングフォーエバーだけは聴きたくなかった。
聴きたかった曲 「SOMEDAY」、SPOKEN WORDS
サックスについて サックスは好きだけれど今回のアレンジはなぜか自分の心でしっくり行っていない。今のこのメンバーでならギターとキーボードをこそフィーチャーして、もっと違うアレンジで聴きたいという思いがあった。ダディへの想いも強かったし。
「SOMEDAY」について 自分と、元春&HKBと、仲間であるファンをつなぐキーワードの一つだと思っている。たとえ予定調和と言われようと。そして、歌詞を違えて歌ったり(間違えたり、と言うべきか?)コードを変えて(有体に言えば音を下げて)歌う事をどうしても許す事が出来ない曲。本当はこの曲は元春本人のものなのに、こんな事を考えるのはファンの傲慢だと思う。それを考えると、今の私はとても辛い。会場でこの曲を聴く事が出来なかったのは、私にとってはある意味猶予期間を与えられたようなものだ。
感想 ライブの感想を書くためには、まずライブ前の気持ちの流れから書かないといけない。

ライブ告知後、どうしても今回のライブに期待が寄せられず、我ながら戸惑ってしまった。いつもなら何をおいても飛びついて、2回でも3回でも、ポケットの中身が許す限りは何度だって会場に駆けつけたかった私なのに、今回は「話の種に一回行けばいいや」という気になっていた。

その理由の一つは、以前から取り沙汰されていた元春本人の声の事で、先日のTBSの特番で彼の声を聴いてしまって以来彼のパフォーマンスにあまり期待出来なくなってしまっていた。理由の二つ目は、ここしばらくオートスポーツに夢中になっている今の私の嗜好が、今現在の彼の音楽とはちょっとかけ離れてしまっているという事。三つ目は、HKBを巡って良からぬ風評を聞いてしまった事。真偽のほどは定かではないので具体的に書く事は控えるけれども、そのおかげで幻滅してしまったのは事実だった。

そういう訳で、私は一日分しかチケットを予約しなかったのだが、これがファンクラブを通じて手配した中で最悪の席だった事で、さらにがっかりした。ウェブ上で流れていた新曲のサンプルを聴いても心は晴れなかったし、確かにいい曲かもしれないが今の私には十分楽しめなかったので、さらに不安になった。

だから、当日出向いたのは、ライブを楽しみにしてというよりも、その前に開かれた前オフに出るためと言っても間違いではなかった。これまで参加していたコミュニティのオフとは違うコミュニティのメンバーが集うオフで、今までハンドルや書き込みでしか知る事の出来なかった人たちと初めて顔を合わせる事が出来て、良かったと思った。

席は思ったほど悪くはなかったけれど、周りのファンのようにノって踊りまくる事は出来なかった。元春は夏のライブは楽しいと言っていたけれど、私にとっては、秋冬にあんなに汗をかくほど踊ったライブが懐かしくなるくらい、冷え冷えとしたライブだった。そしてそれは、冷房の効きすぎでは絶対になかった。

今感じているのは、私は自分の元春に対するスタンスがどんなものであるのかをしっかり考える岐路に立たされているんじゃないかという事。モータースポーツにハマることでスピードや力を強く感じさせるものに反応してしまう今、彼のやり方は自分にはしっくり来ない。けどだからと言って彼がダメだとか言うつもりはない。それでも、他のみんなみたいに「最高だった!」という自信もない。音を下げて歌っている彼の歌には今ひとつ乗り切れないし、あの声の弱弱しさ、バンドの音にかき消されそうになって2階席まで届くか届かないかのヴォーカルなんて、このチケット代を出してまで聴きたくない。スポークンワーズのようなポエトリーリーディングのイベントを見せてくれるだけで満足だ。そんな不遜かもしれない事を考えて、哀しくなる。

今回のオープニング、「ナポレオンフィッシュ」を聴いた時、涙が出た。それはこの曲が、元春との再会の曲だったからだ。あの時は冒頭のエレキを聴いた瞬間、身体を電流が走ったかと思った。だから、彼への想いに戸惑っている今この曲を聴かされた事で、ちょっと泣けてしまった。

泣けた曲はもう一つ、「ヤングフォーエバー」だった。すごく頼りない感じがした。これまでは「君も出来るだけ遠くまで駆けていってほしい。僕も出来るだけやってみる」という感じだったのに、今回は「僕はもうだめだ。せめて君だけは、出来るだけ遠くまで飛んでいってほしいんだ」と言われているような気になった。辛かった。こんな事なら、聴かない方が良かった。そんな感じ方は、身勝手なものかもしれないけど。

ライブ前、あまりにも不安な気持ちを誰かに伝えなくて某所に書き込みした後、私の元にメッセージをくれた人たちがいた。その事に感謝しつつ、自分はひょっとして「彼」が好きだとか大事とかいうのより、「彼を愛する人たち」とのつながりを愛して、大切に思って、それでこれまで彼の曲を聴き続けて来たのじゃないかと思った。これまでライブの度に踊りまくって、みんなと飲みながら、笑いながら話し合って、それだけで満足だった。これまでは彼の曲を楽しむことと、みんなで楽しくやる事はほとんどいっしょの事だったのに、ここへ来て、それが明らかに違うという事を、今さらのように、そしてますます強く、感じ始めている。

今の私が元春をすっかり嫌いになったかと言えばそうじゃない。だけど、これから先、自分がどんな形で彼に向かい合って行く事になるかは、私にも分からない。ただ、あっさり彼の事を切り捨てる事なく、こんな風に考える気になっている事自体、まだ彼に対する情熱はかけらでも残されているんだと思って、なんだかちょっとほっとしている。

周りのみんなは元春は相変わらず素晴らしい、最高だと言って楽しげにしている。そんな中で自分の気持ちをぶちまけてしまう訳にもいかず、少し苦しい日々を過ごしていた。この企画を見つけた時には、まさに王様がロバの耳を生やしている事を黙っておけない理髪師が、こっそり葦の茂みに秘密をささやいてしまうような気分だった。なんだか自分の気持ちを無造作に投げ込んでしまうようで申し訳ありません。
 
名前(性別/年齢) カラオ (男性/31〜35歳)
参加したライブ 7/2 渋谷公会堂
嬉しかった曲 「Sail On」
いらなかった曲 「レインボー・イン・マイ・ソウル」
聴きたかった曲 もっと新曲を…
サックスについて サックスが入る事自体は大歓迎です。
でも使い方次第では'80年代っぽい古いサウンドに聞こえてしまう恐れもあるかな?
今回のライヴではなかなか効果的だったと思います。
ただ「アンジェリーナ」や「Wild Hearts」などのイントロでは殆ど聞こえませんでした。
「SOMEDAY」について 僕としては演ってもいいし、演らなくてもいいというスタンスです。
今回はアンコールで演奏されましたが僕は淡々と聴いていたし、佐野さんも割と淡々と歌っているように見えました。
ただ古田さんのフィルインはやっぱりジーンと来ました。
このフィルインのためだけにこのツアーでは演奏しているとさえ感じていました。
感想 ・今回は殆どの曲が大幅に新しくリアレンジされていると聞いていましたが僕はむしろどの曲もハートランド時代のライヴアレンジをベースにしているように感じました。

・キーを変えている曲は成功しているものとそうでないものがあったように思いました。
「カフェボヘミア」、「ナポレオンフィッシュ」あたりの曲は概ね成功しているように感じましたが「レインボー・イン・マイ・ソウル」や「ヤングフォーエヴァー」はちょっと下げ過ぎた感じで音程もとりづらそうでした。

全体を通しての感想は結局今回のツアーは「IHKツアー」のような「新生HKBのハネムーン」といった感じかな?
「このメンバーで今レコーディングしてます!」といった近況報告のような感じを受けました。
本当の意味での新しい展開は次の新しいアルバムやその後のツアーで目の当たりにする事になると期待しています。

もちろんこの日のライヴは十分楽しむ事ができました!!
 
名前(性別/年齢) MaSa (男性/21〜25歳)
参加したライブ 7/1-2 渋谷公会堂
嬉しかった曲 「僕にできることは」
いらなかった曲 (記入なし)
聴きたかった曲 「ロックンロール・ハート」
サックスについて ちょっと、他の演奏に、音がかき消されている気がしたが、やっぱり必要。
「SOMEDAY」について 固執すべきではないと思う。2日の「SOMEDAY」は、無理やり入れている気がした。流れに逆らっているような…。
佐野さんが唄いたければやればいいと思うが、こちらから、お約束的に求めたくないし、毎回、毎回やって欲しくない。自分は比較的若い世代のファンだし、特別この曲にリスペクトを受けてファンになったわけでもない。もちろん、「SOMEDAY」は偉大な曲だし、僕も大好きだけど、「佐野元春=SOMEDAY」と捉えたくないし、お約束的にやって、みんな必ず盛り上がると言うのは、正直さむい…。
自分としては、ザ・サークルツアーでの日本武道館における「SOMEDAY」、あれ以上の感動をライブでの「SOMEDAY」で味わうのは、難しいのではと思っているので、20thアニバーサリーツアーのような特別なときにやって欲しいと思う。
毎回のライブで必ずやるという事によって、曲が色あせていくとしたら怖いし、佐野元春が、20年前の自身の曲をライブのトリに必ず持ってくるというのは我慢できない。大方のオーディエンスは、求めていると思うが、佐野さんの唄いたいときに唄って欲しい。
感想 7月1日、2日と行ったが、全体的にはとても楽しめたし、気持ち良かった。選曲は、カフェボヘミアからのものが多かったが、もっと『THE BARN』や『Stones and Eggs』からのものもあって良かったんじゃないかと思うし、聞きたかった。ま、過去の曲もそれぞれアレンジを変えていて楽しいけど…。
曲の長さはそれほど、気にならなかったし、プレイヤーそれぞれの見せ場が増え、堪能できるので良い。「Wild Hearts」は良かった。
「Sail On」の陳腐な振りつけは、勘弁して欲しい、しらけた。
佐野元春ファンとしては、とても楽しめるライブだったけど、初めて観に来たような佐野元春をほとんど知らない人がどこまでひきつけられるかというと疑問が残る。21世紀佐野元春は、もっとガンガンいって欲しい。日本一のバンドを引っさげ、バシバシ、スマッシュヒットを飛ばして欲しい。新曲もまだ未知数だと思う。「消費される音楽ではなく、人に消化される音楽」を創り続ける佐野元春が、どう客観的に評価されるか、いろんな意味で試金石となるライブだったと思う。ファンとしては、非常に楽しめたし、心地よかった。
 



Copyright Reserved
2001 Silverboy & Co.
e-Mail address : silverboy@silverboy.com