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短編集「悪夢機械」に収録されていた『調整班』がジョージ・ノルフィ監督により「アジャストメント」として映画化されたことから、同作を巻頭に新たに編まれた短編集。編者は大森望。収録作の大半は既刊の短編集に収められたものだが、『さよなら、ヴィンセント』のみは本邦初訳。また、ディック作品で大きな意味を持つアンドロイドについてのエッセイ(スピーチ原稿)『人間とアンドロイドと機械』を収録。
尚、巻末の『編者あとがき』では我が国におけるディックの短編集発刊の現状について内幕を交えた事情説明があり良心的。

 

Adjustment Team アジャストメント 1954 浅倉久志・訳

短編集「悪夢機械」に収められた「調整班」を改題して再録。 

Roog ルーグ 1953 大森望・訳

短編集「パーキー・パットの日々」に収められた同名作の再録。 

Beyond Lies The Wub ウーブ身重く横たわる 1952 大森望・訳

短編集「パーキー・パットの日々」に収められた同名作の再録。 

Imposter にせもの 1953 大森望・訳

短編集「パーキー・パットの日々」に収められた同名作の再録。 

Pay For The Printer くずれてしまえ 1956 浅倉久志・訳

短編集「悪夢機械」に収められた同名作の再録。 

Expendable 消耗員 1953 浅倉久志・訳

短編集「パーキー・パットの日々」に収められた同名作の再録。 

Oh, To Be A Blobel おお! ブローベルとなりて 1964 浅倉久志・訳

短編集「時間飛行士へのささやかな贈物」に収められた同名作の再録。 

Orpheus With Clay Feet ぶざまなオルフェウス 1964 浅倉久志・訳

短編集「模造記憶」に収められた同名作の再録。 

Faith Of Our Fathers 父祖の信仰 1967 浅倉久志・訳

短編集「時間飛行士へのささやかな贈物」に収められた同名作の再録。 

The Electric Ant 電気蟻 1969 浅倉久志・訳

短編集「時間飛行士へのささやかな贈物」に収められた同名作の再録。 

Frozen Journey 凍った旅 1980 浅倉久志・訳

短編集「悪夢機械」に収められた同名作の再録。 

Goodbye, Vincent さよなら、ヴィンセント 1988 大森望・訳

本編唯一の初訳作。ヒッチハイクした自動車に置かれていたリンダ人形について運転手が語るエピソードという形で、リンダの荒唐無稽な人生を描く掌編。ディックの死後に遺稿として発見され発表されたもので、ディック自身が公表を望んでいたものかどうかは疑問。解説も併せ読めば、リンダという女性への私的なラブ・レターではないかと思わせる。寓意的な作品だが真意は測り難く、素直に「ディックの未発表短編」とは見られない。  

Man, Android, And Machine 人間とアンドロイドと機械 1976 浅倉久志・訳

当初スピーチ原稿であったものに手を加えたエッセイ。ディック作品の中で重要な役割を果たすアンドロイドについて書かれたもので興味深い。



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