Date : 2001.10.12 16:56:05
Subject : 今思えば
From : らいと!
インティファーダの頃は、まだまだずっと牧歌的(という言葉が適切かどうかはともかく)でしたよね。
ただ、石を投げたお返しに、いちいち「政府」「国際社会」の名を借りて、圧倒的な(追いつきようがない)経済力を背景に空爆を筆頭に軍事攻撃を繰り返されるようでは、爆撃される側が、どんどん煮詰まるのも避けようがない、という点で、私は「一理」と申し上げたわけです(それ以上、時間を溯っても話が長くなるだけなので、とりあえずインティファーダ以降で切ります)(相変わらず乱暴だけど)(ついでながら、「経済力」というのは、国際社会では即「軍事力」ですよね)。
つまりそこに、あまりにも長年にわたってきた因果応報関係が否応なしに存在する以上、今回の措置(開戦)もまた、ここまで事態を悪化させた「目には目を。歯には歯を」構造の域を全く脱していないばかりか、その構造そのもの。より強化しただけに過ぎず、恐怖の螺旋階段を、どんどん上り詰めているだけ、としか思いません。
ところで、どこからがテロで、どこからが「国際法上の(合法的な)(?)戦争」なんでしょうね。それを定義しているのは、いったい誰なんだろう。たとえば、あのテロの方々は、そもそもイスラエル軍による軍事行為を「違法=テロ」と思っているわけですが、たしかに、検証のしようによっては、実に「違法」である可能性が大。だから彼らにとっては、皆さんがおっしゃる「テロ」そのものが、「相手のテロに対する報復」。「一般市民が予告なしに多数巻込まれ」と言うなら、もう、そんなことの繰り返しばかりでしたよね(あっちもこっちもそっちも)。突き詰めれば、同じ論理の反復運動でしかないと思うわけです。
「西側(冷戦定義の「西」ではなく英語的 Western world のことですが)の論理の中で主張しろ」「それでなんぼだろ」というご意見もあるかと思いますが、その論理の枠組みが、かなりに一方的に出来上がっているのも事実ですよね。となれば、繰り返しになりますが、イスラエル軍による軍事行為の合法/違法性を問おうとしたら、おそらく片方が自ら墓穴を掘ることになるのでは。
しかもそこで「心の中」とまでなると、テロリストと「報復爆撃」と発想する人達の間に、実際にどういう差があるのか、私には判りかねてしまいます。
最後は前回と同じ結論になりますが、所詮「懲罰」に及んだところで、(いわゆる「テロリズム」を)絶滅も撲滅もできない以上、やはり、強者の側からこそ、別の道を探るべき「だった」と考えます。撲滅はできないにしろ、我々ガ「あっちもこっちも」という恐怖に苛まれる以前に、「増やさない」ぐらいの方向は、あるはずなのにね。「増やす」方向にしか向かっていないところが、非常に痛いわけですよ。「これじゃ、懲らしめて減らすどころか、増やすだけじゃん」。なにも「邁進」まではしていただかなくて結構ですが、「助長」する必要もないはずなのにね(今までさんざん「助長」し続けてきたんだから、今さら遅いけど)。
もっとも、(いわゆる)弱腰で行ったら、薮さんも、別の意味で(国内的に)大変なことになっただろうし、今さら、他に対処のしようがな「かった」、というのもまた理解の範疇なんですが。
さらに。以上以下すべて、今回のテロ集団に同情しろという文意ではありません。経緯の中で、大多数に対する、あるべき説得力を台無しにしたという意味では、Silverboyさんと、全く同意見です。
ただ、この機会に、「当事者意識」で鎧を固める…のもありかもしれませんが、せっかくだから、一方で、なぜこうなっているのかを考えるのも、有益なのではないかと思っているから、書いています。
ところが、おかげで、これまでの行きがかりをかなぐり捨ててでも、一瞬の局面しか見ていない圧倒多数(というより「発言力がある多数」というべきか)を巻込んで、片方にばかり「説得力」が一極集中している状態というのは、一体どんなもんなんだろうね、正直言って嫌だな、気分悪いな、…ということでした。
それに「(定義曖昧な)『テロ』は悪」「罰するべし」の斉唱になるのは、むしろ恐ろしいし。それこそ「アメリカ的」にも。
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