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97年10月の買い物



Marchin' Already Ocean Colour Scene

オーシャン・カラー・シーンのファーストを、僕は梅田WAVEのワゴン・セールか何かで買った。彼ら不遇の時代である。まあ、あのジャケットのダサさ、インチキ臭さからすればそれもまた仕方あるまいと思うが。
どういう訳か前作でいきなりのカムバック、ブレイクを果たした彼らの待望の新作だが、相変わらず潔いR&Bがこれでもかと並ぶ。スモール・フェイセズが今アルバムを作ったらこんな感じかとも思う(ロニー・レイン死んじゃったけど)。正直言って質は高い。だがアルバム中最もクールなのがインストの「All Up」では寂しい(でもこの曲は本当にカッコいい)。ちょっとウェット過ぎないか気になるところだ。でもポール・ウェラーの新作よりこっちの方が僕は好きだ。8点。

I'm Not Following You Edwyn Collins

オレンジ・ジュースはアズカメと並ぶネオアコのマスト・アイテムと嘘を吹き込まれて旧譜を探し回ったのも今は昔、フリッパーズ・ギターのおかげで旧譜はあろうことか国内盤で再発され、エドウィン・コリンズは「ガール・ライク・ユー」のヒットであっさり前線にカムバックまで果たしてしまった。「ゴージャス・ジョージ」に続く新作である。
エドウィン・コリンズは声がぬめぬめしていて爽快感に欠ける上に、メロディ・ラインにも結構クセがあり、ロディ・フレームみたいに文句なしでオッケーという訳には行かないマイナー感が払拭できなかった。しかし今作はそのクセやアクをしっかり残しながら、メリハリをつけたサウンド・プロダクションや、いくつかの嘘みたいにポップな曲のおかげでアルバム全体をポップの領域に見事に回収している。後半にポップな曲が多いので、最初は取っつきにくくても通して聴くのがコツ。そのうちすぐにハマるから心配はいらない。8点に限りなく近い7点。

Hurricane #1 Hurricane #1

僕は一度ロンドンのタウン&カントリーというホールでライドのライブを見たことがある。MCもアクションも演出もなく、ただうつむいて黙々とギターの轟音をたたきつけてくるそのステージングは、ライドというバンドのナイーブさをよく表していた。
ライドがそのナイーブさゆえに解散し、ギタリストのアンディ・ベルが新しく始めたのがこのハリケーン#1である。初期ライドの闇雲で直線的で鋭角的な妥協のないギターを愛していた者としては、こいつも成長したんだなと感慨を抱かざるを得ないグルーブ感と、やはり変わらない固いメロディ。最近のシャーラタンズにも通じるギターロックの90年代的展開とでも言おうか、でもこれはやはりライドの名前ではできなかったんだろうなと思う。ライドみたいに結局最初のシングルが一番よかったよななんて言われないように、今度は成長という課題に正面から答えを出して欲しい。期待をこめて7点をあげよう。

Direction Reaction Creation The Jam

ザ・ジャムの旧譜をCDですべて揃えている上に、「The Greatest Hits」も「Extras」も持っている僕がこのボックス・セットを買う理由はどこに。自分でもよく分からないが、とにかくザ・ジャムだというだけで人を血迷わせてしまうのだからポール・ウェラーも隅に置けない。目玉はレア・トラックを集めたセットの5枚目だが、僕にはそれより箱ものというフェティッシュな魅力の方が強かった。それに5枚目に入っているレア・トラックに興味を示すくらいのコアなザ・ジャム・ファンは、オリジナル・アルバムくらい当然とっくに揃えているはずだという事実からすれば、これはアコギな商売である。それにしても8千円以上取るらしい国内盤の場合、付属ブックレットの日本語対応はどうなっているのだろうか。ドイツでは100マルク。採点対象外。

Velvet Underground & Nico Velvet Underground




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