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THE BOY NAMED IF
Elvis Costello & The Imposters


EMI (2022)
UICY-16039

■ Farewell, OK
■ The Boy Named If
■ Penelope Halfpenny
■ The Difference
■ What If I Can't GIve You Anything But Love?
■ Paint The Red Rose Blue
■ Mistook Me For A Friend
■ My Most Beautiful Mistake
■ Magnificent Hurt
■ The Man You Love To Hate
■ The Death Of Magic Thinking
■ Trick Out The Truth
■ Mr. Crescent
■ Truth Drug
前作から1年強の短いインターバルでリリースされた新作。ジ・インポスターズ名義では2018年の「Look Now」以来の作品となる。このアルバムのキャラクターは冒頭に置かれた『Farewell, OK』を数秒聴くだけで分かる通り、あのやかましい、無反省で直情径行、いくつになっても変わらないロックンロールオヤジとしてのエルヴィス・コステロである。オレたちが待っていたコステロの帰還だ。これだよ。こういうのが聴きたかったんだ。

「If」という名前を与えられた自分のなかのもうひとりの自分、生きられなかったもうひとつの生をひとりの少年に見立てて、彼に関する13個のスケッチをアルバムにしたものだという。まあ、そういうコンセプトみたいなものは正直どうでもよく、『Farewell, OK』や『Magnificent Hurt』のようなギターのうるさいビート・ナンバーが出てくるだけですべて許す勢いなんだが、その他の曲もシンプルかつ直接的で、演奏もボーカルもいい。

コステロは67歳、還暦どころか古稀に近いジジイであり、5年ほど前にはガンの手術も受けているが、それでもこのクオリティの曲を書き、なにより初期の曲と混ぜてもわからないくらいの声で歌う。ロックが老いとどうつきあうかはストーンズなどを筆頭に毎年社会実験を更新しているわけだが、切迫した衝動を持ち続ける限りロックと呼び得る音楽はイヤでも生れ落ちて行くのだと実感させるアルバム。信じるに足るアーティストの快作。



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