UTOPIAN ASHES
Bobby Gillespie and Jehnny Beth
★★☆
Silvertone (2021)
19439859342
■ Chase It Down
■ English Town
■ Remember We Were Lovers
■ Your Heart Will Always Be Broken
■ Stones Of Silence
■ You Don't Know What Love Is
■ Self-Crowned King Of Nothingness
■ You Can Trust Me Now
■ Living A Lie
■ Sunk In Reverie
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プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーがフランス人の女性ボーカリストであるジェニー・ベスとともに制作したデュエット・アルバム。ベスはサヴェージズのフロント・パーソンでもあり、ソロとしても実績のあるアーティストだ。アルバムのプロデュースはブレンダン・リンチとギレスピー、プライマルズのアンドリュー・イネス。ベスのパートナーであるジョニー・ホスタイルがソングライター、ベーシストとして参加している。
プライマルズは音楽的変遷の激しいバンドだが、どんなスタイルのときでもアルバムにはだいたい泣き系のバラードがひとつかふたつは入っていて、こういうのが結構好きなんだろうなと思ってしまうのだが、このアルバムはそういう感じのメロウで泣きの入った無反省なバラードを集める形で作られており、まあひとことでいえば歌謡ロックである。尖った実験を続け何度もロック臨死体験を繰り返してたどり着いた先がここなのは興味深い。
ベスのことはよく知らないが一線で活躍する人であることは間違いなさそうで、むしろ彼女の側からしたときにギレスピーとの共作がこういう感じのベタな歌ものでいいのかと心配になる。ギレスピーやイネスのデタラメでヤクザな音楽スタイルのとっかえひっかえはいつものことで、それが歌謡ロックに触れたとてもはや驚きもないが、次世代のトップランナーを巻きこんで、昼ドラみたいに大仰で湿っぽいアルバムを作るのはやめてあげて。
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