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ON SUNSET
Paul Weller
★★★

Polydor (2020)
UICY-15875

■ Mirror Ball
■ Baptiste
■ Old Father Tyme
■ Village
■ More
■ On Sunset
■ Equanimity
■ Walkin'
■ Earth Beat
■ Rockets
前作から2年のインターバルでリリースされた通算14作目のソロ・アルバム。前作はセルフ・プロデュースだったが、今作では最近の作品でタッグを組んでいるジャン・スタン・カイバートがプロデューサーに復帰、フォーク・アルバムとなった前作から再びビートのある音楽の世界に回帰した作品となった。ミック・タルボットやザ・ジャムの初期のメンバーであるスティーヴ・ブルックスらが参加、他のゲストは知らない人なので省略する。

ビートのある世界に回帰したとはいえ、前作同様ハンナ・ピールのアレンジによるストリングスを再びフィーチャーし、全体に渋めというか何というか、ソウル、ブルース、その他のダウン・トゥ・ジ・アースな感じの曲で地味にロールして行く感じの仕上がりになっている。音楽的なレンジは広がっているようでもあるし、ここにきてウェラーが音楽の奥行みたいなものに改めて対峙し、そこから今の自分に合った表現を模索したようである。

ここには様々な音楽の要素とかスタイルとかがブッ込まれてて、曲そのものはよくできているし、ウェラーの声は間違いようのない存在感を放っているが、ただひとつここにないのはロックであり、ジャカジャ〜ンと鳴るやかましいギターの音だ。ビートに背を向けたという点では前作の延長線上にある作品だが、そこから何を手がかりにリアルな2020年とフックするのかは今ひとつ明らかでない。還暦のオヤジにそれを要求するのが酷なのか。



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