HELP US STRANGER
The Raconteurs
★★★★
Third Man (2019)
OTCD-6764
■ Bored And Razed
■ Help Me Stranger
■ Only Child
■ Don't Bother Me
■ Shine The Light On Me
■ Somedays (I Don't Feel Like Trying)
■ Hey Gyp (Dig The Slowness)
■ Sunday Driver
■ Now That You're Gone
■ Live A Lie
■ What's Yours Is Mine
■ Thoughts And Prayers
|
ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトとシンガー・ソングライターのブレンダン・ベンソンとのプロジェクト、ザ・ラカンターズの10年ぶりのアルバム。僕の認識では、ジャック・ホワイトの数あるプロジェクトのひとつというくらいだったのだが、いろいろ調べてみると、このユニットというかバンドにはブレンダン・ベンソンの存在が大きいらしい。これまでも存在は知っていたが、配信で聴いてみて今回初めてアルバムを買った。
ジャック・ホワイトという人は、最先端なのか時代遅れなのか分からないようなブルース・ロックがその最も基本的な属性で、有無を言わさぬゴリゴリした音の塊みたいなものをぶつけて来る訳だが、それが同時に恐ろしくキャッチーでポップな大衆音楽として成立しているところが凄み。無自覚なら天賦の才というしかないし、分かってやっているのなら恐るべき自己相対化能力であり、いずれにしてもある種の天才であることは間違いない。
この作品もブルースとしかいいようのないアクの強さ、臭みが全編を覆いながら、同時に何度聴いても飽きないポップさ、カラフルさを内包している。そして、そういうポップな側面を裏打ちしているのがおそらくはブレンダン・ベンソンなのだろう。中庸を保つというよりは、思いきり両端に振り切れた結果、その熱量が奇跡的に中央で釣り合ったとでもいうようなハードとポップのバランス。レッド・ツェッペリンてこんな感じなのかな。
|