THE THREAD THAT KEEPS US
Calexico
★★★★
Calexico (2018)
PCD-24693
■ End Of The World With You
■ Voices In The Field
■ Bridge To Nowhere
■ Spinball
■ Under The Wheels
■ The Town & Miss Lorraine
■ Flores Y Tamales
■ Another Space
■ Unconditional Waltz
■ Girl In The Forest
■ Eyes Wide Awake
■ Dead In The Water
■ Shortboard
■ Thrown To The Wild
■ Music Box
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このバンドをレビューするのは初めてなので簡単に紹介しておくと、1996年にデビューしたアメリカのバンドで、本作は10作目にあたるオリジナル・アルバムだ。バンド名はカリフォルニアとメキシコからの合成であり、彼らの出身地であるツーソンは、西へ行けばカリフォルニア州、南がメキシコという土地柄。その出自からも推測される通り、アメリカーナと総称されるアメリカン・ルーツを感じさせるアーシーな音楽を身上としている。
本作を聴く気になったのは新宿のタワレコで『Another Space』がかかってておっと思ったからだが、その場で買わずにSpotifyで確認したところに成長の跡が窺える。しばらくSpotifyで聴いていたがその後わざわざCDで買い直した。イメージ的にはウィルコとの同時代性を感じるが、オルタナ・カントリー的なものだけではなく、ベタなラテンの香りやブルース的なものも入っていて、まさにアメリカ南部のほこりっぽい感じの音楽である。
各誌のレビューを見ると今作はこれまでに比べてグッと音楽の幅が広がったということだが、確かに僕の印象に残ったのも、アーシーなアメリカン・ルーツ感をベースにしながらもひとつひとつの曲がキャラ立ちし、それぞれに魅力的なフックを具えているから。それはポップというのともちょっと違う、ルーツとなった音楽のバリエーションに対する愛情と造詣ではないかと思う。行ったことすらないのにアメリカの風景が目に浮かぶ音楽。
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