SONGS OF EXPERIENCE
U2
★★★
Universal (2017)
5797699
■ Love Is All We Have Left
■ Lights Of Home
■ You're The Best Thing About Me
■ Get Out Of Your Own Way
■ American Soul
■ Summer Of Love
■ Red Flag Day
■ The Showman (Little More Better)
■ The Little Things That Give You Away
■ Landlady
■ The Blackout
■ Love Is Bigger Than Anything in Its Way
■ 13 (There Is A Light)
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2014年にリリースされた前作「Songs Of Innocence」と対をなす作品だそうで、もとはウィリアム・ブレイクの「無垢と経験の歌」という詩集に由来しているらしい。まあ、そんなことはどうでもよろしい。もともと英系のニュー・ウェーヴ系が好きな僕としてはストライク・ゾーンに入ってくるバンドのはずなのだが、U2についてはあまり真面目に聴かないままここまで来てしまった。もちろんアルバムは持っているが思い入れは強くない。
なんでかと言えばおそらくは同じ英系のニュー・ウェーヴとはいえアイルランドの文化的に大雑把そうなところがちょっと違う感あるのと、何か大真面目過ぎて洒落っ気とかユーモアとかが決定的に足りてなくて、冗談も面白くない、要は無骨過ぎて「機微」みたいなものと無縁なところが同時代の英系のバンドととの違いだったのだと思っている。ところが20年の歳月を経てスタジアム級になり大御所として生き残ったのはこっちだったと。
今作を聴いて最初に感じたのは、ボノの声ってこんなに優しかったのかということ。すべての共感と反感に等しく「オマエもな」と言い放ってきたのがU2(You Too)というバンドの歴史だったと思うが、既に何かを指弾する必要すらなく、そこにいて歌うだけで自分が世界の一部であり得るということに彼らは気づいたのだ。ギターの切っ先を世界に突きつけなくても、世界は勝手にテンパって行く。相変わらず生真面目でユーモアはない。
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