CRACK-UP
Fleet Foxes
★★★
Nonesuch (2017)
7559-79373-3
■ I Am All That I Need / Arroyo Seco / Thumbprint Scar
■ Cassius,-
■ - Naiads, Cassadies
■ Kept Woman
■ Third Of May / Odaigahara
■ If You Need To, Keep Time On Me
■ Mearcstapa
■ On Another Ocean (January / June)
■ Fool's Errand
■ I Should See Memphis
■ Crack-Up
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フリート・フォクシーズの6年ぶり3枚めのアルバム。このバンドについては多くを知らないが、シアトル出身で「アメリカの至宝」と評されているらしい。セカンド・アルバムには微妙なレビューを書いた記憶があるのだが、その後、ファースト・アルバムを遡って買ったりもしているのでそれなりに気に入っていたのか。ともかく、大ぶりでオーソドックスなフォーク・ロックというのが一般的な説明で、今作もそんな感じに仕上がっている。
ジャケットは福井県の東尋坊、収録曲には奈良県の大台ケ原の名を冠したものもあり、日本がテーマになっているらしい。琴の音も取りこまれているらしいがよく分からない。一般に、海外のバンドが東洋やら禅やらにかぶれて作った芸術作品にロクなものはなく、特にこのバンドのようにオーガニックなヤツはヘンな方へ行ってしまうリスクが高い。同じ日本でも渋谷、秋葉原じゃなくて東尋坊、大台ケ原となればかぶれ方も筋金入り感ある。
前作のレビューで「僕の嫌いな言葉のベスト・スリーは『エコ』『オーガニック』『ヘルシー』である」と書いた通り、大自然とお友達的な音楽は嫌い。このアルバムも「壮大で」「美しいハーモニーが」「牧歌的な」と僕的にはNGワードで形容したレビューが多いが、それでもここに「エコもの」特有のインチキ臭さが感じられないのは、求道的な自然観が、分断と憎悪の時代に対する危機感を仲立ちに接地しているからか。牧歌的とは違う。
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