DIFFERENT DAYS
The Charlatans
★★☆
BMG (2017)
538279092
■ Hey Sunrise
■ Solutions
■ Different Days
■ Future Tense
■ Plastic Machinery
■ The Forgotten One
■ Not Forgotten
■ There Will Be Chances
■ Over Again
■ The Same House
■ Let's Go Together
■ The Setting Sun
■ Spinning Out
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通算13枚めのオリジナル・アルバム。今作ではニュー・オーダーのスティーヴン・モリスをドラムに迎えた他、ジョニー・マーが一部の曲でギターを担当するなど豪華なゲストを招いて制作された。全体としてはストレートでオーソドックスなロック。何だかんだ30年近く活動しているバンドとしての実力、地力を示すような、地に足のついた実直なグルーヴが印象に残る。少なくとも音楽的にはとても真面目でまともな作品だと言っていい。
もう少しチャームとかフックとか何かとっかかりになるものがあったり、ユーモアのセンスがあったりすればいいとも思うが、もともとハモンドを多用しダンス・フロアを意識した所謂「マッドチェスター」に連なるバンドとして、淡々とビートとグルーヴが続いて行くようなアンチ・クライマックスに特徴があるのはそもそもの持ち味か。初期の頃を思い出させるメロディの手クセが窺える曲もあったりして、聴くほどに味が出る感じする。
本国でこそ3枚のチャート1位アルバムを出すなど安定した人気を誇るがアメリカではほぼ認められず、その意味ではメガ・バンドという訳ではない。デビュー時のハイプ的な人気を堅実なソングライティングでしっかり着地させ、メンバーの死などのアクシデントを乗り越えて居場所を確保してきた。何か音楽的なイノベーションがある訳でも、才気走ったきらめきがある訳でもないが、一介のロック・バンドとしての矜持を感じさせる作品。
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