EVERYTHING YOU'VE COME TO EXPECT
The Last Shadow Puppets
★★★
Domino (2016)
WIGCD371
■ Aviation
■ Miracle Aligner
■ Dracula Teeth
■ Evething You've Come To Expect
■ The Element Of Surprise
■ Bad Habits
■ Sweet Dreams, TN
■ Used To Be My Girl
■ She Does The Woods
■ Pattern
■ The Dream Synopsis
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マイルズ・ケインとアークティク・モンキーズのアレックス・ターナーのユニットによる2枚めのアルバム。2008年にファーストを発表した時には一時限りのプロジェクトだと思っていたが、もともと仲のよい友人同士らしく、「またアレやろうぜ」的な感じで8年ぶりにアルバムをリリースすることになったらしい。アークティク・モンキーズもマイルズ・ケインもそれぞれしっかりと自身の活動を展開する中でのこの動きは興味深いものだ。
内容的にはストリングスを導入したゴージャスかつオーソドックスなポップスであり、前作から基本的に変わっていない。逃げの効かないメイン・プロジェクトで力を入れて作った作品より、拠りどころになるコンセプトを立てたサイド・プロジェクトで面白いものができ上がるのはよくある話。そうした複数のプロジェクトを往来する中でアーティストとしての幅が広がって行く前例はいろいろあるが、成功例のひとつに連なるべき作品だ。
もともと達者なソングライティング能力と音楽センスを持った二人が、メイン・プロジェクトで成長した力と経験を持ち寄った訳だから、でき上がるもののレベルが高くなるのは当然といえば当然だが、気になるのは曲調がどれも陰鬱で暗いこと。クオリティが高くかつ陰鬱なものを聴くと体力を削られてしんどい。お楽しみのプロジェクトなんだからもうちょっとお気楽でバカバカしい曲のひとつやふたつはあってよかった。次はあるのか。
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