iPod touchのコマーシャルに起用されたアメリカ西海岸のバンドらしい。最近タワレコに行っても買いたくなるCDがほぼない状態が続いていて、あまりの退屈さに、例によって店頭ディスプレイの試聴機に乗せられて買ってみたアルバムである。言われてみれば確かに聴いたことがあるような気もする。全体としては、パワーポップというか、メリハリのはっきりしたソング・オリエンテッドなボーカル・ロックという感じの曲が並んでいる。
確か店頭のPOPにも「捨て曲なし」みたいなことが書いてあったと思うし、試聴機で何曲かを途中まで聴いた限りでは、どの曲もフックが効いて耳に残るキャッチーな印象だった。実際買って帰ってこうして家で聴いたり、通勤の行き帰りの電車で聴いたりしている訳だが、明快でハッピーであることへの自覚的なコミットとでもいうか、「分かりやすい」ということのリスクを敢えて取る覚悟とでもいうか、そういうクリアさが感じられる。
こうして試聴機から拾って来るアルバムというのは毎年必ず何枚かあって、そろそろやめようと思っているのだが、問題は試聴機で感じたキラキラ感みたいなものがいつまで続くかということ。実際、そうやって買ったもののレビュー後はほぼ聴かず、おそらくこの先一生聴くこともないだろうと思われるCDが確実に増えて行っている。果たして、5年後、10年後、改めてこれを手に取るのかな。2012年のハッピーの賞味期限はいつまでだろう。
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