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ODE TO J.SMITH Travis 7竹

レーベルとの契約が切れ、インディーに戻って前作から1年と短いインターバルでリリースした通算6枚目のアルバム。トラヴィスといえば出世作となったセカンド「The Man Who」以降、凍てついたように森閑とした世界の向こう側から聞こえてくる端整なアコースティック・ロックを武器にビッグ・ネームとして確固たる地歩を築いた訳だが、最近は勢いも少し衰え、前作ではその緻密な音楽が自家中毒を起こし、高度に構築された世界に自ら閉じこもって行くような果てしない抑圧感が気になった。

それが今作ではどうだろう。僕たちがよく知っているトラヴィスの美しいメロディは確かに随所に顔を覗かせるものの、全体としては驚くほど素直で明快なギター・ロックに仕上がっている。考えてみればデビュー作ではスティーブ・リリーホワイトのプロデュースで元気いっぱいのロックンロールを鳴らしていた訳で、それがいきなりナイジェル・ゴドリッチの手にかかって「雨はなぜいつも僕の上に降るのか」になってしまったことが不自然だったのかもしれないが、それがバカ売れしてしまったのだ。

レーベルを離れた途端に、こういうアルバムを短い製作期間で打ち出してきたということは、やはり彼らが本当に作りたかったのはこういうギター・ロックだったということであり、この作品は本来であればあのセカンドの次に作られるべきアルバムだったのではないだろうか。セカンド以降のトラヴィスのパブリック・イメージをあっさり裏切り、こういう肩の力の抜けた等身大のアルバムを発表したのは好感が持てる。ただ、このやり方でセカンド、サードのクオリティを越えて行くのは並大抵ではない。
 

 
DIG OUT YOUR SOUL Oasis 7松

このレビューを書くためにオアシスの旧譜を引っ張り出してきた。シングルも持ってるのを全部出してきたら恐ろしいことに全作揃っていた。思わず調子に乗ってアルバム未収録曲を集めた2枚組CD-ROMとか作ってしまって週末の一日が終わった。実に幸せな一日だった。そういえば初期のシングルにはしばしば信じられないくらいクォリティの高い曲が無造作にカップリングとして収録されていたもので、何だかんだ言ってもやはりオアシスの華はあの時期だったのだなと思わずにはいられなかった。

いつになく素直な、あるいはあからさまなビートルズ・イディオムの借用も目につくオアシスの新譜であるが、何かが画期的だとかいうことは相変わらずなく、いつも通りのノエルが曲を書きリアムがおそらく両手を後ろに組みながら猫背で歌っている。音楽的にどうであれそれがオアシスということなので、どんな趣向で何枚アルバムを出してもそれはオアシスでしかあり得ない。家人はコステロとオアシスだけはたとえ新曲でも聴けば分かると豪語しており、この作品も間違いなくオアシスだと断言した。

ノエルの曲はアルバムの前半に集中しており、そのせいかあるいは加齢による集中力の低下のせいか後半に行くとともに曲の印象は薄くなる。アルバムが出るたびに今作はスゴいとかキャリアの中でもエポックとなる一作だとか言われるし、本作もノエルはほとんどギターを弾いてないとかサイド・インフォメーションは豊富だが、どのアルバムも結局は「オアシスのアルバム」に過ぎないのでありまたそれで十分なのだ。それ以上のレビューはもはや不要と感じる作品。でもシングル切れそうな曲は少ない。
 

 
LED ZEPPELIN Led Zeppelin  
WELCOME TO FLOWER FIELDS The Collectors  
 



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