logo 2004年2月の買い物


CLEAR THE DECKS Players 7竹

今年はよく分からない新人バンドのアルバムを勢いで買ったりはしないぞという意気ごみの下に粛々とレビューを進めている訳だが、これはCD屋の店頭のアオリ文句で思わず買ってしまった。何といってもまずキーボードがスタイル・カウンシルのミック・タルボット、ギターはストーン・ローゼズのアジズ・イブラヒム、ベースはオーシャン・カラー・シーンのデーモン・ミケラ、ドラムがやはりスタイル・カウンシルのスティーブ・ホワイト、そう、キーワードはポール・ウェラーである。

内容的には、オーシャン・カラー・シーンの「Marchin' Already」というアルバムに入っている『All Up』というインストを思い起こしてもらえればいい。そのアルバムを持っていない人のために説明すれば、思い切りクールでモッドな、黒っぽくてロックンロールな、ラウンジでダンス・フロアな、激シブのインスト集である。これはカッコいい、文句なしにカッコいい。こういう人たちが集まってインストをやればこういう感じになるだろうなと思った通りの音楽だ。間違いはない。

これだけグイグイとツボを突かれまくると思わず声が出てしまう。往々にしてギタリストのソロ・アルバムとかこういうプレイヤー系の人たちの作品というのは、上手いだけで何の面白味もない無味乾燥な自己満足演奏大会になったりするものだが、この人たちは自ら「プレイヤーズ」と名乗るだけあってその辺のさじ加減みたいなものにもきちんと自覚的だ。匿名的なインストでありながらその背後にきちんとプレイヤー自身の記名性があり、ひとつひとつの楽器が歌っている。これは買いだ。
 

 
VISITORS 20TH ANNIVERSARY EDITION 佐野元春  



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