アラン・マッギーがクリエーションを投げ出したと聞いたときは、確実に何かが終わったと感じたものだ。もうサイトでも何度も書いたことだけど、大げさに言えば僕にとって洋楽体験とは即ちクリエーションだった。80年代の半ばから90年代のほとんどを、僕はクリエーション・レーベルとともに過ごした。そのレーベルが決して短くはない歴史に終止符を打った。いろんなものが少しずつ終わり、また新しい物語が始まって行く、しかしそれはもはや僕の物語ではない、僕はそう思った。
アラン・マッギーが新しいレーベルを始めたと聞いても僕の食指は動かなかった。クリエーションをやめてまで始めるレーベル、それはきっと得体の知れないノイズとかテクノとか、ともかく商業ベースには乗りそうもないまったくの趣味然とした隠居オヤジの道楽なのだろうと思ったのだ。ところがこのアルバムを聴いて僕は知った。アラン・マッギーはもう一度初めからクリエーションをやり直そうとしているのだ。あの愛すべきジャンキーにはこれしかできないのだ。そりゃそうだよ。
まるでクリエーション・レーベルのアンソロジーを聴いているようなこのアルバム、音楽的には「ただそれだけ」。だけど僕はこのアルバムが好きだし、アラン・マッギーもこのアルバムが好きなはずだ。そう、あのオヤジのやることはいつも自分の好きなものを掘り出し、知恵を絞ってそれを売り出すことだけ。だから僕はクリエーションがビッグ・ビジネスになってもその音楽を信頼し続けたのだし愛し続けたのだ。それを思い出した。Good-bye CREATION, hello POPTONES!!
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