logo 全曲バージョン解説02(11-20)


[11] ガラスのジェネレーション
2枚目のシングルとしてリリース。アレンジは伊藤銀次でニック・ロウの「恋するふたり」を下敷きにしているのは有名な話。ポップな曲調の中に、党派闘争に明け暮れた全共闘世代への訣別を「さよならレボリューション」のワンフレーズで明確に歌いきった。この曲に関する「スクールメイツをバックに『レッツゴーヤング』で歌いたい」との発言はモンキー・ビジネスとしてのロックの本質を完璧に看破していた。

「つまらない大人にはなりたくない」というフレーズは佐野とリスナーの重要な約束であるとともに、いつしかリスナーにも佐野自身にとっても重たいドグマとなり、それを超克するためには長い時間を要した(いまだに超克できないリスナーも多い)。スロー・バージョンとして歌われたこともあり、佐野のレパートリーの中でも特別な意味合いを持つ曲であるが、究極のポップ・チューンとして聴くのが本当は正しいはず。
[3] ガラスのジェネレーション
●シングル ●オリジナル
●1980.10.21 ●Epic ●(07・5H-53)
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないものの先行発売されたシングルと同じバージョンと思われる。編曲は佐野元春・伊藤銀次。
[15] No Damage
●アルバム ●コンピレーション
●1983.4.21 ●Epic ●ESCB-1323
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

インナースリーブには「Taken from the LP "Heart Beat"」と記載されており、オリジナル・バージョンをそのまま収録したものと思われる。
[32] ガラスのジェネレーション<LIVE>
●シングル ●ライブ
●1988.2.26 ●Epic ●10・8H-3014
●曲順:1 ●バージョン:(B)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:LIVE

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。2ヶ月後にリリースされるライブ・アルバムからの先行シングルとしてリリースされており、同じバージョンと思われる。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:15 ●バージョン:(B)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:Crystal Generation
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。スローにアレンジされたバージョンである。
[40] Moto Singles 1980-1989
●アルバム ●コンピレーション
●1990.5.12 ●Epic ●ESCB-1064/5
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないが、シングルと同一のバージョンが収録されているものと思われる。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:1 ●バージョン:(C)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:Crystal Generation
●バージョン名:記載なし

1983年3月18日に中野サンプラザで行われた「Rock & Roll Night Tour」でのライブ。
[70] THE LEGEND
●アルバム ●コンピレーション
●2003.1.1 ●Epic ●ESCL-2363
●曲順:3 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないが、オリジナル・バージョンをリマスターしてそのまま収録したものと思われる。
[79] THE SINGLES EPIC YEARS
●アルバム ●コンピレーション
●2006.7.12 ●Sony Music Direct ●MHCL-836/7
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:Original single version

バージョン名の記載通り、オリジナル・バージョンをそのまま収録したものと思われる。
[79] THE SINGLES EPIC YEARS
●アルバム ●コンピレーション
●2006.7.12 ●Sony Music Direct ●MHCL-836/7
●曲順:39 ●バージョン:(D)
●表記:ガラスのジェネレーション2006
●英文名:記載なし
●バージョン名:Additional recorded version

公式な発表によればオリジナル・バージョンのボーカルのみを残し、演奏部分をHKBによる新録と差し替えたバージョン。ストリングスもオリジナルが残っているように思われる。
[86] The Very Best of Motoharu Sano
●アルバム ●コンピレーション
●2010.9.29 ●Sony Music Direct ●MHCL 20114
●曲順:2 ●バージョン:(E)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:Additional recorded version

アルバム「THE SINGLES EPIC YEARS」に収録された追加レコーディング・バージョンのうち、曲が始まる前の「Take2!」などの佐野の声やカウントを約8秒分ほどカットしたもの。
[92] Early days of MOTOHARU SANO
●アルバム ●コンピレーション
●2010.12.16 ●Sony Music Direct ●DQCL 2056
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:Album version

オリジナル・バージョン。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:2(1-2) ●バージョン:(E)
●表記:ガラスのジェネレーション2006
●英文名:記載なし
●バージョン名:Additional recorded version

アルバム「THE SINGLES EPIC YEARS」に収録された追加レコーディング・バージョンのうち、曲が始まる前の「Take2!」などの佐野の声やカウントを約8秒分ほどカットしたもの。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30187
●曲順:1-2 ●バージョン:(A)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

アルバム「No Damage」のスペシャル・パッケージ。オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-7 ●バージョン:(C)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。
[115] GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004
●アルバム ●コンピレーション
●2020.10.7 ●Sony Music Direct ●MHCL 30640-2
●曲順:1-2 ●バージョン:(E)
●表記:ガラスのジェネレーション
●英文名:Crystal Generation
●バージョン名:Additional recorded version

アルバム「THE SINGLES EPIC YEARS」に収録された追加レコーディング・バージョンのうち、曲が始まる前の「Take2!」などの佐野の声やカウントを約8秒分ほどカットしたもの。


[12] IT'S ALRIGHT
どうということのないナンセンス・ソング。アレンジは伊藤銀次で、早いビートでシンプルな構成の、サックスのリフが印象的な短いロックンロールに仕上げている。歌詞はアルコールが入って混乱して行くパーティをモチーフにパーティ・アイテムを連発したものだが、その言葉遣いの新しさに若き佐野ファンはシビれていた訳だ。歌詞に出てくる「エンジェル・ダスト」とは幻覚作用のあるフェンサイクリジンという薬物の通称名。

要はパーティで酔っぱらってドラッグもキメてヘロヘロになりながら「いやいや、オレたちまだまだ大丈夫だぜ」という歌であり、初期の佐野に特徴的な都市生活のナイト・ライフを歌った曲の一つと見ることもできる。速射砲のように繰り出される横文字、カタカナの嵐に素直に身を委ねて「カッコええ」と思うのがたぶん正しい入り方で、そこで示唆される都会の光と影にどんなリアリティを感じるかがこの曲の好き嫌いを分ける。
[3] ガラスのジェネレーション
●シングル ●オリジナル
●1980.10.21 ●Epic ●(07・5H-53)
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:IT'S ALRIGHT
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:4 ●バージョン:(A)
●表記:IT'S ALRIGHT
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないものの先行発売されたシングルと同じバージョンと思われる。編曲は伊藤銀次・佐野元春。
[15] No Damage
●アルバム ●コンピレーション
●1983.4.21 ●Epic ●ESCB-1323
●曲順:5 ●バージョン:(A)
●表記:IT'S ALRIGHT
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

インナースリーブには「Taken from the LP "Heart Beat"」と記載されており、オリジナル・バージョンをそのまま収録したものと思われる。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30187
●曲順:1-5 ●バージョン:(A)
●表記:IT'S ALRIGHT
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

アルバム「No Damage」のスペシャル・パッケージ。オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-3 ●バージョン:(B)
●表記:イッツ・オールライト
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。


[13] NIGHT LIFE
3枚目のシングル曲であるが、初期の代表曲の中ではやや影の薄い存在。リズム&ブルースをベースに、シンセサイザーでバックアップしたサックスの音色によってブラス・セクションの雰囲気を出そうと試みている。アレンジは伊藤銀次。当時のロック・シーンにおいてリズム&ブルースをポップかつコンテンポラリーに解釈しようとする企てなんか他になかった。佐野と銀次の、ルーツへの愛情と敬意が素直に表れたアレンジだと思う。

歌詞の内容は都会のパーティ・ライフを描いたものでどうということのない内容。「早く服をつけて」「タクシーで11時までに」といった歌詞にはドギマギした佐野ファンも多かっただろう。高校生の頃、この曲を口ずさんでいたら母親に叱られたという友達がいる。都市生活のリアリティを英語混じりの歌詞で表現する手法はこの時期の佐野に特徴的なものだが、「そう、都会で生きている」という言い切りの明快さは記憶されるべき。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:NIGHT LIFE
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春・伊藤銀次。
[5] NIGHT LIFE
●シングル ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●(07・5H-67)
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:NIGHT LIFE
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。ジャケット裏面、レーベルの表記は「NIGHT LIFE」だがジャケット表面の記載は「Night Life」。
[40] Moto Singles 1980-1989
●アルバム ●コンピレーション
●1990.5.12 ●Epic ●ESCB-1064/5
●曲順:3 ●バージョン:(B)
●表記:Night Life
●英文名:記載なし
●バージョン名:Re-Mix

オリジナル・バージョンを阿部保弘がリミックスしたもの。サックスにかぶせられていたシンセのパートを落とし、ボーカルにやや深めのリバーブがかけられているように思われる。
[79] THE SINGLES EPIC YEARS
●アルバム ●コンピレーション
●2006.7.12 ●Sony Music Direct ●MHCL-836/7
●曲順:3 ●バージョン:(C)
●表記:ナイトライフ
●英文名:記載なし
●バージョン名:Short edited version

オリジナル・バージョンをリマスターした上、リフレインを一部カットし演奏時間を短く編集したもの。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:4(1-4) ●バージョン:(A)
●表記:ナイトライフ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-13 ●バージョン:(D)
●表記:ナイトライフ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。
[98] VISITORS DELUXE EDITION
●アルバム ●コンピレーション
●2014.10.29 ●Sony Music Direct ●MHCL30263-6
●曲順:19(3-2) ●バージョン:(E)
●表記:NIGHT LIFE
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 3「LIVE 'VISITORS'」に収録。1985年5月28日に品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われた、「VISITORS TOUR」千秋楽初日のライブ。


[14] バルセロナの夜
スローなラブ・バラード。エレクトリック・ピアノの心地よい音色をバックに歌われるロマンチックな歌詞は初期の佐野に特有の率直さを備えており、人気の高い曲である。やや甘すぎる感はあるものの、「時々二人は考え方の違いで 気まずく別れてしまうけれど」なんていう生真面目だけどある種の女性にはきっと強く働きかけるリリックは、日本語のロック、ポップスの文法からは少しだけ、でも確実にはみ出して行くものだった。

だが、オリジナルの大村雅朗によるアレンジは実際のところビリー・ジョエルの「素顔のままで」そのまま。佐野もこれには抵抗があったと言う。そのためかアルバム「Slow Songs」収録時には大胆なリミックスが行われたが、特徴的なドラムのパターンまでは修正できなかった。ライブではあまり歌われることのなかった曲だが最近何度か演奏されている。アレンジは別として僕自身も好きな曲の一つ。でもバルセロナには湖はない。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:3 ●バージョン:(A)
●表記:バルセロナの夜
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗・佐野元春。
[46] Slow Songs
●アルバム ●コンピレーション
●1991.8.28 ●Epic ●ESCB-1230
●曲順:6 ●バージョン:(B)
●表記:バルセロナの夜
●英文名:記載なし
●バージョン名:Re-Mix Version

坂元達也がオリジナル・バージョンをリミックスしたもの。オリジナル・バージョンのアレンジがビリー・ジョエルの「Just The Way You Are」に酷似しているとの批判を受け、サックスのパートをカットするなどしている。
[80] LIVE AT 東京国際フォーラム
●アルバム ●ライブ
●2006.11.22 ●DaisyMusic ●POCX-9381
●曲順:3 ●バージョン:(C)
●表記:バルセロナの夜
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2006年4月2日に東京国際フォーラムで行われた「星の下 路の上」ツアー最終日のライブ。


[15] 彼女
デビュー前からのレパートリーであり、佐野のピアノ弾き語りによるスタイルが確立している曲。シンプルなAメロの繰り返しの中で一度だけ大サビがブリッジの形で表れる構成で、歌詞は心が離れて行く恋人のドアに立って静かに別れを告げるもの。歌詞にややセンチメンタルな部分がないではないが、佐野のシンガー・ソングライターとしての資質の高さを十分に感じさせる巧みな表現で情感を紡いで行く。代表作の一つと言っていい。

クレジットでもアレンジは佐野自身となっており、大村雅朗のスコアによるストリングス・アレンジがオーバーダブされているものの骨格は上述の通り佐野の弾き語り。アルバム「Slow Songs」収録時には前田憲男によるオーケストラをバックに切々と歌い上げる新録を行っているが、オリジナルのピアノ・アレンジの方が好もしい。2000年にテレビ番組でエルビス・コステロと共演した際には、コステロの「She」に答えてこの曲を演奏した。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:5 ●バージョン:(A)
●表記:彼女
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春、ストリングス・アレンジは大村雅朗。
[46] Slow Songs
●アルバム ●コンピレーション
●1991.8.28 ●Epic ●ESCB-1230
●曲順:9 ●バージョン:(B)
●表記:彼女
●英文名:記載なし
●バージョン名:Re-Take 1991

前田憲男の編曲により新たに録音したバージョン。
[66] The 20th Anniversary Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2000.1.21 ●Epic ●ESCB-2080/1
●曲順:5 ●バージョン:(B)
●表記:彼女
●英文名:記載なし
●バージョン名:Slow Songs version

スリーブに「From the album "Slow Songs"」と記載のあるとおり、アルバム「Slow Songs」時に新録したバージョンをそのまま収録しているものと思われる。
[115] GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004
●アルバム ●コンピレーション
●2020.10.7 ●Sony Music Direct ●MHCL 30640-2
●曲順:1-10 ●バージョン:(B)
●表記:彼女
●英文名:She
●バージョン名:Re-take 1991 version

アルバム「Slow Songs」に収録された前田憲男アレンジのバージョン。


[16] 悲しきRADIO
伊藤銀次のアレンジによるアップ・テンポのロックンロール。このアルバムが全体にメロウなトーンであることから、1曲は『アンジェリーナ』のような勢いのある曲が欲しいとの銀次の意向でこうしたアレンジになったという。歌詞の内容は、佐野が得意とする街の情景描写に合わせて、ラジオDJに「おしゃべりはいいからもっとイカした曲をかけて」と注文するもの。佐野自身のDJスタイル「Less Talk, More Music」とも呼応している。

アレンジはスプリングスティーンを意識したもの。ライブでは2コーラス目からブリッジが終わった後スロー・ダウンし、Aメロの歌詞を1コーラス目から再び繰り返す演出でおなじみだが、この時「Yes she's dancin' dancin'」に続けて「Dancin' in the dark」と歌うのはまさにスプリングスティーンへのオマージュ。印象的なピアノのイントロが流れ出しただけで盛り上がる、シングル化されていない曲の中では破格の扱いの代表曲。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:6 ●バージョン:(A)
●表記:悲しきRADIO
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春・伊藤銀次。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:6 ●バージョン:(B)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:Radio Radio
●バージョン名:記載なし

1994年4月23日に日本武道館で行われた「The Circle Tour」でのライブ。
[70] THE LEGEND
●アルバム ●コンピレーション
●2003.1.1 ●Epic ●ESCL-2363
●曲順:4 ●バージョン:(A)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないが、オリジナル・バージョンをリマスターしてそのまま収録したものと思われる。
[92] Early days of MOTOHARU SANO
●アルバム ●コンピレーション
●2010.12.16 ●Sony Music Direct ●DQCL 2056
●曲順:3 ●バージョン:(A)
●表記:悲しきRADIO
●英文名:記載なし
●バージョン名:Original version

オリジナル・バージョン。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:5(1-5) ●バージョン:(A)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-11 ●バージョン:(C)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。
[106] 35周年アニバーサリー・ツアー・ファイナル
●アルバム ●ライブ
●2016.12.21 ●DaisyMusic ●POCX-29002
●曲順:14 ●バージョン:(D)
●表記:悲しきレイディオ〜メドレー
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2016年3月26日、東京国際フォーラムでのライブ。本編から『Welcome to the Heartland』へのメドレーとなっている。
[107] LIVE AT 東京国際フォーラム
●アルバム ●ライブ
●2017.5.31 ●DaisyMusic ●POCE-9391/2
●曲順:20(2-10) ●バージョン:(D)
●表記:悲しきレイディオ・メドレー
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2016年3月26日、東京国際フォーラムでのライブ。
[115] GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004
●アルバム ●コンピレーション
●2020.10.7 ●Sony Music Direct ●MHCL 30640-2
●曲順:1-9 ●バージョン:(E)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:Radio Radio
●バージョン名:'20 re-mix version

渡辺省二郎による新しいリミックス。楽器のバランスや音色が微妙に変更されている他、ラストのカット・アウトがフェード・アウトに変更され20秒弱短くなっている。加えてボーカル・トラックがオリジナルとは異なるのではないか。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:6-10 ●バージョン:(F)
●表記:悲しきレイディオ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日、横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。


[17] GOOD VIBRATION
シングル「Night Life」のカップリングにもなった曲でアレンジは大村雅朗。イーグルスとかドゥービー・ブラザーズみたいなウェスト・コースト・サウンドを下敷きにしている。タイトルはもちろんビーチボーイズだし、佐野の中にある西海岸への眼差しがかなりストレートに出た曲と言っていい。こうしたAOR、MOR系の曲は佐野としては異色であり、佐野のピアノ系の曲の中でも他とは異なったドライな質感をたたえている。

歌詞はどうということのないラブ・ソングで、ウェスト・コースト独特の、後に何も残して行かないあっさりした感じとも相まって正直印象の薄い曲。ライブで演奏されることもほとんどなく(少なくとも僕は聴いたことない)、代表曲、重要な曲が多くフェイバリットに挙げられることも多いこのアルバム「Heart Beat」にあっては最も地味な曲と言って差し支えない。全体の作りは悪くないが個人的にも思い入れはあまりない。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:7 ●バージョン:(A)
●表記:GOOD VIBRATION
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春・大村雅朗。
[5] NIGHT LIFE
●シングル ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●(07・5H-67)
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:GOOD VIBRATION
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。


[18] 君をさがしている(朝が来るまで)
ボブ・ディラン、バーズを下敷きにしたフォーク・ロックを目指した曲。その後のライブでもアレンジを変えながら演奏されている。都市生活の喧騒の中であるべき自分の居場所、そして「君」の行方を探す精神の遍歴を、佐野は象徴的、文学的な歌詞で歌う。佐野が探す「君」とはだれなのか。ラブソングとして聴くこともできるが、「特別な夜」に「君」を探し求める視線は「Rock & Roll Night」に通底して行くものと考えるべきだろう。

オリジナルの伊藤銀次によるアレンジに対し、当時の佐野は「乾燥しすぎた」としてその仕上がりに満足せず、その後、この曲はハートランド、HKBによってライブで何度も試行錯誤されることになった。そしてオリジナルの発表から19年を経た2000年、アルバム「The 20th Anniversary Edition」で披露された新録は、12弦ギターをフィーチャーしたアレンジにディランを彷彿させるようやくボーカルでこの曲のあるべき姿を示したのだ。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:8 ●バージョン:(A)
●表記:君をさがしている(朝が来るまで)
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春・伊藤銀次。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:3 ●バージョン:(B)
●表記:君を探している
●英文名:Looking For You
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:7 ●バージョン:(C)
●表記:君を探している―朝が来るまで
●英文名:Looking For You
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日に横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。
[66] The 20th Anniversary Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2000.1.21 ●Epic ●ESCB-2080/1
●曲順:12 ●バージョン:(D)
●表記:君をさがしている(朝が来るまで)
●英文名:記載なし
●バージョン名:H.K.B. session

HKBによるリテイク。原曲のフォーク・ロック色をさらに濃くしたバーズ調のアレンジに、佐野がボブ・ディランを彷彿させるボーカルで応える。
[89] All Flowers In Time
●アルバム ●ライブ
●2011.12.21 ●DaisyMusic ●(No Number)
●曲順:1 ●バージョン:(E)
●表記:君をさがしている
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2011年6月19日東京国際フォーラムでのライブ。
[106] 35周年アニバーサリー・ツアー・ファイナル
●アルバム ●ライブ
●2016.12.21 ●DaisyMusic ●POCX-29002
●曲順:5 ●バージョン:(F)
●表記:君をさがしている
●英文名:記載なし
●バージョン名:The Coyote Band Version

2016年3月26日、東京国際フォーラムでのライブ。
[107] LIVE AT 東京国際フォーラム
●アルバム ●ライブ
●2017.5.31 ●DaisyMusic ●POCE-9391/2
●曲順:11(2-1) ●バージョン:(F)
●表記:君を探している
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2016年3月26日、東京国際フォーラムでのライブ。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:4-1 ●バージョン:(G)
●表記:君を探している(朝が来るまで)
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1992年3月23日、神奈川県民ホールで行われた「See Far Miles Tour Part I」でのライブ。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:6-7 ●バージョン:(C)
●表記:君を探している(朝が来るまで)
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日、横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。


[19] INTERLUDE
タイトル通り次の「Heart Beat」を導く幕間の曲。波の音をバックに、シンプルなピアノが奏でられるインストルメンタル。1分強と短い小品で最後はシンセの響きとともにそのまま「Heart Beat」につながって行く。クレジットはないが佐野が語ったこの曲のレコーディングの経緯からは佐野の即興によるピアノ演奏である。単独で聴く曲ではないが、「Heart Beat」と一体でこのアルバムのこの位置には欠かせない曲となった。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:9 ●バージョン:(A)
●表記:INTERLUDE
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。


[20] HEART BEAT(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)
代表曲のひとつ。8分近い長尺で、ともに夜を過ごした若いカップルの情景が短いシーンの集積として語られる。全共闘世代の次に来る世代(ガラスのジェネレーション)の居場所を都市生活の中に見出した佐野が、その若く傷つきやすい夢の形を、決して情緒に溺れることなくすくい取って見せたバラッド。ここには目に見えない敵からイノセンスを防衛しようと懸命に歌い続けた渡米前の佐野の表現のひとつの典型がある。

「シボレーのピックアップ・トラック」といったアメリカ的な夢の残影も感じられるが、それが違和感なく受け入れられたのはティーンエイジフッドにおける夢のあり方自体に普遍的な喚起力があったからだろう。ライブでも繰り返し歌われるが、なぜかレゲエにアレンジされることが多い。この曲に答えはない。佐野はただ「僕の鼓動が聞こえるかい」と繰り返すだけ。カサノバは佐野であり、リスナーであり、そしてその夢の行方である。
[4] Heart Beat
●アルバム ●オリジナル
●1981.2.25 ●Epic ●ESCB-1321
●曲順:10 ●バージョン:(A)
●表記:HEART BEAT(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は佐野元春・伊藤銀次。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:4 ●バージョン:(B)
●表記:ハートビート 小さなカサノバとナイチンゲールのバラッド
●英文名:Heart Beat
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:35 ●バージョン:(C)
●表記:ハートビート―小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド
●英文名:Heartbeat
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日に横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。
[80] LIVE AT 東京国際フォーラム
●アルバム ●ライブ
●2006.11.22 ●DaisyMusic ●POCX-9381
●曲順:1 ●バージョン:(D)
●表記:ハートビート
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2006年4月2日に東京国際フォーラムで行われた「星の下 路の上」ツアー最終日のライブ。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:6(1-6) ●バージョン:(E)
●表記:ハートビート(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョンだが、冒頭のシンセサイザーの導入部(オリジナルでは『Interlude』から続いている部分)がフェイドインに編集されている。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-9 ●バージョン:(F)
●表記:ハートビート
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:3-10 ●バージョン:(G)
●表記:ハートビート
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1992年3月23日、神奈川県民ホールで行われた「See Far Miles Tour Part I」でのライブ。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:5-6 ●バージョン:(C)
●表記:ハートビート
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日、横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。



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