logo 全曲バージョン解説01(1-10)


[1] アンジェリーナ
記念すべきデビュー曲。イントネーションで話す日本語をアクセントの強弱でリズムに乗せて行く手法、サックスをフィーチャーした疾走感のあるアレンジ、モダンなティーンエイジ・ライフを架空の都市空間に描き出す歌詞、それらは決して初めから広く支持された訳ではなかったが、深夜放送などを通じて確実に若いリスナーに受け容れられて行った。その原型はすべてここにある。

大村雅朗によるアレンジでスマートなビート・ポップに仕上がっている。歌詞にはティーンエイジ・ライフを彩るイディオムが多く織り込まれている。特に「ブガルー」が何のことか分からなかったリスナーも多いはず。「サーキットシティ駆けぬけて」という歌詞には、本来閉じているはずの「サーキット(回路)」を駆け抜ける(突破する、突き抜ける)という含意があるはずだが、これを指摘した論評は見あたらないようだ。
[1] アンジェリーナ
●シングル ●オリジナル
●1980.3.21 ●Epic ●(06・5H-31)
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:ANGERINA
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。特に記載はないものの、1カ月後にリリースされることになるデビュー・アルバムからの先行シングルとして、同一のバージョンが使用されているものと思われる。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:6 ●バージョン:(A)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:ANGERINA
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗。
[15] No Damage
●アルバム ●コンピレーション
●1983.4.21 ●Epic ●ESCB-1323
●曲順:8 ●バージョン:(A)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

インナースリーブには「Taken from the LP "Back To The Street"」と記載されており、オリジナル・バージョンをそのまま収録したものと思われる。
[26] STRANGE DAYS
●シングル ●オリジナル
●1986.5.21 ●Epic ●(08・5H-300)
●曲順:2 ●バージョン:(B)
●表記:ANGELINA
●英文名:ANGELINA
●バージョン名:Slow Version

「VISITORS TOUR」で披露されたスロー・バージョンをスタジオ録音した別テイク。原曲の軽快なロックンロールから、重々しいスロー・ファンクにリアレンジされている。インナーには「Edited Slow Version」の記載あり。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:1 ●バージョン:(C)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:Angelina
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。
[40] Moto Singles 1980-1989
●アルバム ●コンピレーション
●1990.5.12 ●Epic ●ESCB-1064/5
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないが、デビュー・シングルと同一のバージョンが収録されているものと思われる。
[40] Moto Singles 1980-1989
●アルバム ●コンピレーション
●1990.5.12 ●Epic ●ESCB-1064/5
●曲順:19 ●バージョン:(B)
●表記:Angerina
●英文名:記載なし
●バージョン名:Slow Version

シングル「STRANGE DAYS」のカップリングとしてリリースされたスロー・バージョンをそのまま収録したものと思われる。尚、裏ジャケット及びCD面の表記は「Angerina」だが、インナーの表記は「Angelina」。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:5 ●バージョン:(D)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:Angelina
●バージョン名:記載なし

1989年8月25日に横浜スタジアムで行われた「横浜スタジアム '89・夏」でのライブ。
[66] The 20th Anniversary Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2000.1.21 ●Epic ●ESCB-2080/1
●曲順:1 ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:'99 mix version

オリジナル・テイクを渡辺省二郎がリミックスしたバージョン。ギターを前面に押し出し、ロック色の強いミックスに仕上がっている。
[70] THE LEGEND
●アルバム ●コンピレーション
●2003.1.1 ●Epic ●ESCL-2363
●曲順:1 ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:20thアニバーサリーremixed ver.

バージョン名の表記は異なるが、アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録された渡辺省二郎のリミックスと同じバージョンと思われる。
[79] THE SINGLES EPIC YEARS
●アルバム ●コンピレーション
●2006.7.12 ●Sony Music Direct ●MHCL-836/7
●曲順:2 ●バージョン:(F)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:Short edited version

オリジナル・バージョンを元に、1番と2番のリフレインを1回ずつカットし、サイズを短くした編集バージョン。
[81] The Essential Cafe Bohemia
●アルバム ●オリジナル
●2006.12.6 ●Sony Music Direct ●MHCL 971-2
●曲順:14 ●バージョン:(B)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:Angelina
●バージョン名:Slow Version

シングル「STRANGE DAYS」のカップリングとしてリリースされたスロー・バージョン。
[86] The Very Best of Motoharu Sano
●アルバム ●コンピレーション
●2010.9.29 ●Sony Music Direct ●MHCL 20114
●曲順:1 ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:'99 mix version

アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録された渡辺省二郎による再ミックス。
[92] Early days of MOTOHARU SANO
●アルバム ●コンピレーション
●2010.12.16 ●Sony Music Direct ●DQCL 2056
●曲順:1 ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:'99 mix version

アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録された渡辺省二郎による再ミックス。
[89] All Flowers In Time
●アルバム ●ライブ
●2011.12.21 ●DaisyMusic ●(No Number)
●曲順:15 ●バージョン:(G)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2011年6月19日東京国際フォーラムでのライブ。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:1(1-1) ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:'99 mix version

アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録された渡辺省二郎による再ミックス。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30187
●曲順:1-8 ●バージョン:(A)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

アルバム「No Damage」のスペシャル・パッケージ。オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-12 ●バージョン:(H)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。
[98] VISITORS DELUXE EDITION
●アルバム ●コンピレーション
●2014.10.29 ●Sony Music Direct ●MHCL30263-6
●曲順:28(3-11) ●バージョン:(I)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:Visitors Live Version

DISC 3「LIVE 'VISITORS'」に収録。1985年5月29日に品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われた、「VISITORS TOUR」千秋楽二日目のライブ。スロー・ファンクにリアレンジ。
[115] GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004
●アルバム ●コンピレーション
●2020.10.7 ●Sony Music Direct ●MHCL 30640-2
●曲順:1-1 ●バージョン:(E)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:Angelina
●バージョン名:'99 mix version

アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録された渡辺省二郎による再ミックス。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:4-3 ●バージョン:(J)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1992年3月23日、神奈川県民ホールで行われた「See Far Miles Tour Part I」でのライブ。
[127] SWEET16 30TH ANNIVERSARY
●アルバム ●コンピレーション
●2023.3.29 ●DaisyMusic ●MHCL 2984-90
●曲順:6-8 ●バージョン:(K)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

1993年1月24日、横浜アリーナで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。
[128] 今、何処 東京国際フォーラム 2023
●アルバム ●ライブ
●2024.3.6 ●DaisyMusic ●DMA-042/043
●曲順:24(2-12) ●バージョン:(L)
●表記:アンジェリーナ
●英文名:記載なし
●バージョン名:LIVE

2023年9月3日、東京国際フォーラムでのライブ。


[2] さよならベイブ
シンプルなエイト・ビートのポップ・ロック。歌詞はタイトル通り恋人との別れを歌ったセンチメンタルなものだが、疾走感のあるドライなアレンジに助けられて何とかアーバン・ポップとしての一線は保っている。「ガラス細工みたいなプライドが静かな夜に」の部分の譜割りは斬新。アレンジは大村雅朗によるもので、間奏、アウトロにリード・ギターがフィーチャーされているのは、佐野の曲の中では珍しい。

十代から二十代前半にかけての佐野の多感な思い、ひとつひとつの恋愛に対する若き佐野の生真面目で過剰なアップダウンが窺えて微笑ましくもある。今となってはもはや書けないし歌えない曲のひとつかもしれない。構わない。もちろんそれは悪いことではないのだから。むしろその年代の佐野にしか歌い得なかったリアルさが鮮やかに焼きつけられたこの愛すべき曲を、今でも好きなときにそのままの声で聴けることが嬉しい。
[1] アンジェリーナ
●シングル ●オリジナル
●1980.3.21 ●Epic ●(06・5H-31)
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:さよならベイブ
●英文名:SAYONARA BABY
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。特に記載はないものの、1カ月後にリリースされることになるデビュー・アルバムからの先行シングルとして、同一のバージョンが使用されているものと思われる。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:7 ●バージョン:(A)
●表記:さよならベイブ
●英文名:SAYONARA BABY
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗。


[3] 夜のスウィンガー
佐野のアルバムを発売順に聴くとき(そんなことを頻繁にする人が僕以外にどれくらいいるのか知らないが)、最初に聴くことになる曲である。イントロに印象的なサックスをフィーチャーしたクールなロックンロール・ナンバーで、この曲のスピード感がアルバム「Back To The Street」、ひいては佐野元春というアーティストの表現の速度を規定していると言っていいかもしれない。伊藤銀次のアレンジが光る。

歌詞はまったくのナンセンス。ビート感を優先したイメージの断片を投げつけてくるそのやり方は、しかしよく読めば現代詩にも通じる先鋭化した言葉の連なりと見ることもでき、二十代の佐野の、言葉に対する感覚の鋭敏さが実感できる。最近のライブでは演奏されることが少ないが、ビデオ「Visitors Tour '84-'85」ではモータウン(「恋はあせらず」)調にアレンジされたバージョンを聴くことができる。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:1 ●バージョン:(A)
●表記:夜のスウィンガー
●英文名:NIGHT SWINGER
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は伊藤銀次。
[98] VISITORS DELUXE EDITION
●アルバム ●コンピレーション
●2014.10.29 ●Sony Music Direct ●MHCL30263-6
●曲順:20(3-3) ●バージョン:(B)
●表記:夜のスウィンガー
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 3「LIVE 'VISITORS'」に収録。1985年5月28日に品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われた、「VISITORS TOUR」千秋楽初日のライブ。モータウン調にリアレンジされている。
[110] こんな夜には
●シングル ●オリジナル
●2017.11.1 ●DaisyMusic ●DMANP-015
●曲順:1 ●バージョン:(C)
●表記:こんな夜には
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

セルフカバー・アルバム「自由の岸辺」からの先行シングルとして、『こんな夜には』と改題してリリースされた新録バージョン。歌詞も大きく書きかえられ、ブルース・ロックにリアレンジされた。Dr.kyOn、井上富雄、古田たかし、長田進の演奏。
[111] 自由の岸辺
●アルバム ●コンピレーション
●2018.5.23 ●DaisyMusic ●POCE-9395
●曲順:3 ●バージョン:(D)
●表記:夜に揺れて
●英文名:Night Swinger
●バージョン名:記載なし

先行シングルと同じテイクの別ミックス。『こんな夜には』のタイトルがポエトリー・リーディング作品と重複するためアルバム収録にあたり『夜に揺れて』と改題。


[4] ビートでジャンプ
「夜のスウィンガー」と同じく伊藤銀次のアレンジで乾いたロックンロールに仕上がった作品。この曲でもサックスを前面にフィーチャーしており、それまでのバッド・ボーイズ・ミュージックとしてのイメージが強かったロックンロールに、理知的で都会的なモメントを持ち込むことに成功している。これこそ初期の佐野が成しとげた最も大きな達成であり、この曲はその典型的な例証のひとつ。銀次の功績は大きい。

歌詞におけるフレーズの重ね方、たたみかけ方も「夜のスウィンガー」と共通しており、この2曲をデビュー・アルバムの冒頭に並べたことで結果的に佐野の目指すものが明確に印象づけられた。銀次が述べているように、初期のエルヴィス・コステロを下敷きにしたクールでソリッドなタッチのロックンロールを目指して成功している。初期のライブでは佐野のブルース・ハープをフィーチャーして演奏されることの多かった曲。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:2 ●バージョン:(A)
●表記:ビートでジャンプ
●英文名:BEAT DE JUMP
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は伊藤銀次。


[5] 情けない週末
アルバム「No Damege」に収録されたせいで認知度が上がり、佐野の代表的なバラードのひとつに数えられることの多い曲だが、「生活といううすのろ」というフレーズに端的に見られるようにこの曲での現実認識には佐野の若さがストレートに表れ過ぎている感があり、バラードとして普遍的な価値を備えた高みに達しているかと問われれば答えは微妙で、この曲のもてはやされ方にはいささか情緒過多な部分があるのは否めないところ。

実際には、歌詞の中で佐野が列挙するイメージの新鮮さが、この曲をありふれたセンチメンタルなバラードに堕するのを何とか押しとどめており、初期の佐野のピアノ・マンとしての資質を知る上で重要な曲であることは間違いない。ファンのバラードびいきによる過大評価がこの曲をスポイルし、むしろコンパクトで素直な初期作品のひとつとしての等身大の価値を見えにくくしているのだとしたら残念なことだと思う。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:3 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:NASAKENAI SHUMATSU
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗。
[15] No Damage
●アルバム ●コンピレーション
●1983.4.21 ●Epic ●ESCB-1323
●曲順:13 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

インナースリーブには「Taken from the LP "Back To The Street"」と記載されており、オリジナル・バージョンをそのまま収録したものと思われる。
[46] Slow Songs
●アルバム ●コンピレーション
●1991.8.28 ●Epic ●ESCB-1230
●曲順:3 ●バージョン:(B)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:Full Orchestra Version

前田憲男編曲・指揮によりストリングスを前面にフィーチャーした新録。
[70] THE LEGEND
●アルバム ●コンピレーション
●2003.1.1 ●Epic ●ESCL-2363
●曲順:5 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

特に記載はないがオリジナル・バージョンをリマスターしてそのまま収録したものと思われる。
[86] The Very Best of Motoharu Sano
●アルバム ●コンピレーション
●2010.9.29 ●Sony Music Direct ●MHCL 20114
●曲順:5 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:Original version

オリジナル・バージョンをリマスター。
[91] SOUND & VISION 1980-2010
●アルバム ●コンピレーション
●2012.5.16 ●Sony Music Direct ●DYCL 1821-5
●曲順:3(1-3) ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●コンピレーション
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30187
●曲順:1-13 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

アルバム「No Damage」のスペシャル・パッケージ。オリジナル・バージョン。
[115] GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004
●アルバム ●コンピレーション
●2020.10.7 ●Sony Music Direct ●MHCL 30640-2
●曲順:1-5 ●バージョン:(A)
●表記:情けない週末
●英文名:Rainy Day Weekend
●バージョン名:Original version

オリジナル・バージョン。英文タイトルが付いたのは初めて。


[6] Please Don't Tell Me A Lie
ヘヴィなブルース系のリフに乗せて歌われるブルース進行の曲。ここでもコステロを意識したような銀次のアレンジが成功している。この曲は佐野自身が語っているように、強烈なプロテスト・ソングである。とはいえ、ここで佐野は何かを具体的に名指しで指弾したり党派的なメッセージを歌う訳ではない。佐野はただ、象徴的なフレーズを警句としてたたきつける。そして「オレにウソをつかないでくれ」と歌うのだ。

こうした象徴的、抽象的なフレーズがリスナーに現実的な喚起力を持って響いてくるのは、佐野がひとつひとつの言葉を鋭敏な感覚でつかみ取り、試し、組み立てているからに他ならない。それこそがこの曲の時代背景を超えた普遍的な力の源であり、アレンジを変えながら繰り返し演奏されても、その時々の危機意識を写して僕たちの心にリアルに迫ってくる理由だ。演奏も歌詞もシンプルであるだけに常に新しい。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:4 ●バージョン:(A)
●表記:Please Don't Tell Me A Lie
●英文名:PLEASE DON'T TELL ME A LIE
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は伊藤銀次。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:11 ●バージョン:(B)
●表記:プリーズ・ドント・テル・ミー・ア・ライ
●英文名:Please Don't Tell Me A Lie
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。


[7] グッドタイムス&バッドタイムス
デビュー・アルバムのシンガー・ソングライター・サイドまたはピアノマン・サイドを担う曲のひとつで編曲は大村雅朗。佐野自身は「どうということのない曲」としているが、街の風景をドライに活写しながら「よい時も悪いときも、この街で繰り返して行きたい」と歌うこの曲は、都市生活者のバラッドとして意外なほど心に残る。アレンジには特に新味はないが、オーソドックスなピアノで淡々と聴かせる構成が功を奏している。

この曲を耳にした中学生や高校生のうちいったいどれくらいが実際に「濡れた舗道」や「この街の灯り」に夢を見ていたのかは知らないが、この曲が彼らにも確実に何かの心象風景を喚起し得たのだとすれば、それは佐野元春のソングライターとしての力によるものだろう。高校の同級生が卒業文集にこの曲の歌詞を書いていた。人をそういう気持ちにさせる曲だし、僕にはその彼の気持ちが分かるような気がする。普通にいい曲。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:5 ●バージョン:(A)
●表記:グッドタイムス&バッドタイムス
●英文名:GOOD TIMES & BAD TIMES
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗。
[111] 自由の岸辺
●アルバム ●コンピレーション
●2018.5.23 ●DaisyMusic ●POCE-9395
●曲順:11 ●バージョン:(B)
●表記:グッドタイムス&バッドタイムス
●英文名:Good Times & Bad Times
●バージョン名:記載なし

セルフ・カバー・アルバムのためにリテイク。口笛のイントロが軽快なレゲエにリアレンジされ、この曲のイノセントな楽天主義みたいなものがよりくっきりと表現されている。


[8] バッド・ガール
この曲もアルバムの中では大村雅朗のアレンジによるシンガー・ソングライター系の曲のひとつ。シンプルなピアノの伴奏に乗せて切々と歌い上げるスタイルは、ランディ・ニューマンやビリー・ジョエルに倣い、ステージでもピアノを演奏することの多かった初期の佐野に特徴的なもの。バンドを従えてギターを抱えるイメージが強いが、ソロ・アーティストとしてはピアノの弾き語りがむしろ得意のスタイルであることを思い起こさせる。

現在の感じ方からすればかなりセンチメンタルなバラードに聞こえるのは仕方のないところ。このアルバムでは佐野のシンガー・ソングライター的な側面とロックンローラー的な側面とが拮抗しており、あるいはピアノ・マンとしての曲がその後の活動の中心になった可能性もあったのかもしれない。後にアルバム「Slow Songs」ではフル・オーケストラをバックにリテイクされたが、やはりデビュー・アルバムでの初々しいシャウトがいい。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:8 ●バージョン:(A)
●表記:バッド・ガール
●英文名:BAD GIRL
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は大村雅朗。
[46] Slow Songs
●アルバム ●コンピレーション
●1991.8.28 ●Epic ●ESCB-1230
●曲順:8 ●バージョン:(B)
●表記:バッドガール
●英文名:記載なし
●バージョン名:Full Orchestra Version

前田憲男編曲・指揮によりストリングスを前面にフィーチャーした新録。


[9] Back To The Street
伊藤銀次のアレンジによる「ロックンロール・サイド」の1曲。アルバムのタイトル曲でもあるが、他の伊藤銀次アレンジの曲に比べるとサウンド・プロダクションが薄く、リフにももたつき感があってロックンロールとしての疾走感、迫力にやや欠ける感は否めない。ストリートに戻ろう、ストリートから始めようというメッセージはデビュー・アルバムとしては明快だが、曲そのものの完成度は高いとは言えないと思う。

全般に雰囲気に流れがちなこの曲の歌詞の中にあって、ポイントとなる一節を探すとすればやはり「奪われたものは 取り返さなければ」というラインだろう。同じアルバムの「Please Don't Tell Me A Lie」と並んで、この一行は佐野のプロテストの意志表明に他ならない。ストリートに戻り、街に戻り、そして奪われたものを取り返す。それは党派闘争に明け暮れた全共闘世代や甘ったるいニュー・ミュージックへの異議申立だったのだ。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:9 ●バージョン:(A)
●表記:Back To The Street
●英文名:BACK TO THE STREET
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。編曲は伊藤銀次。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-2 ●バージョン:(B)
●表記:バック・トゥ・ザ・ストリート
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。


[10] Do What You Like(勝手にしなよ)
4ビートのジャズ・ナンバー。デビュー前からのレパートリーでライブでも演奏されることの多い曲のひとつ。アレンジは佐野自身の手によるもので、ピアノを中心としたジャジィで洒脱な演奏は、佐野の音楽的なバックボーンの幅広さ、奥深さを印象づけるとともに、この曲がこの時点で既に完成した「持ち歌」であったことが窺える。この曲をアルバムのラストに置いたことにも佐野の自信と思い入れが感じられると言えよう。

歌詞は気取ったカタカナ混じりの語彙で都会的なナイトライフを活写して行くものであり、そこで描かれる風景は全共闘世代の次に来る新しい子供たちの居場所を都市生活の中に見出そうとする試みでもあった。もっぱら直線的な「ノリ」や情緒的な「泣き」に依拠する日本のポップ・ミュージックの系譜にあって、こうした曲を歌ってみせる佐野は明らかに異質な存在であった。初期の佐野を語る上で重要なナンバーのひとつである。
[2] BACK TO THE STREET
●アルバム ●オリジナル
●1980.4.21 ●Epic ●ESCB-1320
●曲順:10 ●バージョン:(A)
●表記:Do What You Like(勝手にしなよ)
●英文名:DO WHAT YOU LIKE
●バージョン名:記載なし

オリジナル・バージョン。
[33] HEARTLAND
●アルバム ●ライブ
●1988.4.21 ●Epic ●ESCB-1311
●曲順:9 ●バージョン:(B)
●表記:勝手にしなよ
●英文名:Do What You Like
●バージョン名:記載なし

1987年9月15日に横浜スタジアムで行われた、ツアー「Cafe Bohemia Meeting」のファイナル「横浜スタジアムミーティング」からのライブ。
[55] THE GOLDEN RING
●アルバム ●ライブ
●1994.11.1 ●Epic ●ESCB-1516/8
●曲順:8 ●バージョン:(C)
●表記:ドゥ・ホワット・ユー・ライク−勝手にしなよ
●英文名:Do What You Like
●バージョン名:記載なし

1993年1月16日に大阪城ホールで行われた「See Far Miles Tour Part II」でのライブ。
[80] LIVE AT 東京国際フォーラム
●アルバム ●ライブ
●2006.11.22 ●DaisyMusic ●POCX-9381
●曲順:4 ●バージョン:(D)
●表記:ドゥ・ホワット・ユー・ライク―勝手にしなよ
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

2006年4月2日に東京国際フォーラムで行われた「星の下 路の上」ツアー最終日のライブ。
[95] No Damage Deluxe Edition
●アルバム ●ライヴ
●2013.12.25 ●Sony Music Direct ●MHCL 30188
●曲順:2-6 ●バージョン:(E)
●表記:ドゥ・ホワット・ユー・ライク
●英文名:記載なし
●バージョン名:記載なし

DISC 2「ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983」に収録。1983年3月18日中野サンプラザでのライブ・バージョン。



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