SMOKE & BLUE 東京と大阪にあるライブ・レストラン「ビルボード・ライブ」で行われたプレミアム・ライブ。1日2公演で、2012年3月、4月、5月の各月とも、東京と大阪でそれぞれ2日間、4公演が行われ、トータルで24回のステージをこなした。 バンドは古田たかし(ドラム)、井上富雄(ベース)、Dr.kyOn(キーボード)のHKBのメンバーに加え、チェロ奏者の笠原あやのが参加した。会場の性格から、ライブは着席で飲食を楽しみながらのスタイル。アンプラグドでアコースティックな演奏で1ステージは1時間強、1日2公演のパッケージとなった。 5月の公演ではこの時佐野とのコラボレーションで話題になっていた雪村いづみがゲスト出演、佐野と『トーキョー・シック』をデュエットした他、数曲のスタンダードも披露された。このツアーでは僕は3月、4月、5月と毎月マメに六本木まで足を運び、雪村のゲスト回も見た。 ビルボード・ライブでのライブはその後シリーズ化され、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年と、同様のコンセプトで行われている(2017年、2019年は名古屋ブルーノートでも行われた)。このシリーズでは原曲のアレンジを大きく変えて演奏することも少なくなく、佐野のセルフカバー・アルバムのうち特に「自由の岸辺」はこのシリーズ・ライブとの関係が深い。 このライブでは5月の雪村との共演部分がパッケージ「トーキョー・シック」に音源と映像で収められているが、佐野自身のライブ・シーンは2019年のツアーがDVD作品として商品化されるまで、ほとんどパッケージされてこなかった(アルバム「自由の岸辺」付属のDVDに2017年のステージが3曲のみ収録)。 この会場のとりすましたスノッブな雰囲気が佐野の音楽を聴く場としてどうなのかという疑問は当初から今に到るまでずっとあるが、メイン・ストリームのコヨーテ・バンドとの活動とはやや位相の違うところで、このような豊かな伏流が続いていることは、佐野の音楽の重層性の証左だろう。 【音 源】 上記の通り、2012年にリリースされた「トーキョー・シック」に5月の雪村との共演が収められている。
【映 像】 2012年リリースの「トーキョー・シック」付属のDVDに、雪村との共演が4曲収められている。『トーキョー・シック』以外はスタンダード。
【ライブ・レビュー】 毎月マメに見に行ったが、5月公演の雪村のゲスト部分以外はセット・リストもほぼ同じだった記憶がある。
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