ソウルボーへの伝言 2010年にデビュー30周年を迎えた佐野元春は、3回に分けて記念ツアーを行った。まずPart 1は「In motion 2010 僕が旅に出る理由」と題したポエトリー・リーディング(スポークン・ワーズ)のライブ、Part 2が全国ライブハウスツアーとなるこの「ソウルボーイへの伝言」で、Part 3は大ホール・ツアー「ALL FLOWERS IN TIME」。 このツアーは2010年9月にリリースされたコンピレーション・アルバム「The Very Best of Motoharu Sano / A Message To Soul Boy」のプロモーション・ツアーと位置づけられており、そのため直近のオリジナル・アルバムである「Coyote」からの曲のみならず、コンピレーション・アルバム収録曲を中心に過去のレパートリーも多く披露された。 ツアー・メンバーは高桑圭(ベース)、小松シゲル(ドラム)、深沼元昭(ギター)、渡辺シュンスケ(キーボード)というザ・コヨーテ・バンド。サックスがいないため、『SOMEDAY』などのサックスのパートは、佐野自身のブルース・ハープや深沼のギターなどで演奏された。 ツアーは2010年10月23日の東京・Shibuya O-EASTを皮切りに、同年12月14日の横浜BLITZまで全国21箇所に及んだ。O-EASTや横浜BLITZはライブハウスと言っても千人単位で収容でき天井の高い「立ち見のホール」に近いヴェニューであるが、それ以外は地方都市の地場の小規模なライブハウスを中心に丹念にロードした。大阪では公演がなかった。 僕は東京、横浜の他、高崎に出かけて見たが、天井が低く人がいっぱいで満足にステージも見えないような本当のライブハウスで、考えてみればこうした環境で佐野のライブを見たのは初めてだったしその後も経験がない。詳しくはライブ・レビューに書いているが、ちょっと特別な体験だった。 このツアーでは千秋楽となる横浜でのパフォーマンスが、上記3つのツアーのライブの模様をまとめたDVD5枚組のセット「ALL FLOWERS IN TIME」のDISC 2に収録されている。 【映 像】 上記の通り、2011年12月にリリースされたビデオ作品「ALL FLOWERS IN TIME」にツアー千秋楽となる横浜BLITZでのライブ・パフォーマンスが11曲収録されている。 加えて、10月23日のツアー初日に先立ってビルボードライブ東京で行われたプレミアム・ライブから、『ヤング・フォーエバー』が同じビデオ作品のボーナス映像として収録された。 【ライブ・レビュー】 何といっても高崎でのライブが印象的だった。どこかもう1箇所くらい足を伸ばしておけばよかったと今にして思う。横浜での公演は火曜日の夜だったがどうやって仕事を切り上げて行ったのかもう覚えていない(確認したら午後半休取って行ったようだ)。
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