TOUR 2008 'SWEET SOUL, BLUE BEAT' 佐野は、2007年6月にアルバム「Coyote」をリリースした。レコーディング・メンバーはEP「星の下 路の上」を制作したメンバーである高桑圭(ベース)、深沼元昭(ギター)、小松シゲル(ドラム)。 翌2008年1月から3月にかけて、アルバムからのリード・シングルであった『君が気高い孤独なら』の英文タイトルを冠したツアー「TOUR 2008 'SWEET SOUL, BLUE BEAT'」が全国22箇所で行われた。大阪ではフェスティバルホール、東京では千秋楽にNHKホールでの公演となった。 しかし、このツアーはアルバムのプロモーション・ツアーとしてはいびつなもので、ツアー・バンドはレコーディングを行ったメンバーではなく、従来のザ・ホーボー・キング・バンドであった。また、セット・リストも、新譜からの曲はリード・シングルを含め3曲程度で、残りは80年代のナンバーを中心としたものだった。 公式サイトでもこのツアーについては「新作からの曲を披露しつつ、佐野元春オールタイムベストとでも言うべく80's、90's のエヴァーグリーンなマスター・ピースを揃えたセットリストを用意」と告知されており、わざわざアルバムとは異なるバンドで新譜の曲よりは過去のナンバーを演奏するという意図に首を傾げない訳には行かなかった。 現在のコヨーテ・バンドのメンバーがまだライブ・パフォーマンスに耐えるアンサンブルを披露できないと判断したのか、何らかの契約や日程の問題だったのか。当時の僕のライブ・レビューを読み返しても狙いにはっきりしないツアーだったことが窺われる。 このツアーに関してはそれなりの規模の全国ツアーであり、上記の通り最大規模のホールでの公演もあったにもかかわらず、ライブ音源、ライブ映像はこれまで公開されていない。HKBからコヨーテ・バンドに佐野のパートナーが変わりつつある時期の、過渡的な位置づけのライブ・ツアーであったというべきかもしれない。 このツアーでは、初日の伊勢原市民文化会館、2月の神奈川県民ホール、千秋楽のNHKホールを見に行ってライブ・レビューを残している。 【ライブ・レビュー】 上記の通り、初日、中盤、千秋楽の3回分のライブ・レポートを掲載。伊勢原駅は遠かった。
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