3年がかりで完成させたアルバム「THE SUN」を2004年7月にリリースした佐野元春は、アルバムのプロモーションのため、その年の10月から翌2005年2月まで、全国30か所を巡る久しぶりの大規模なツアーを行った。

北海道から鹿児島まで、全国を丹念に回り、大阪ではフェスティバルホール、東京ではツアー序盤に渋谷公会堂、千秋楽にNHKホールでパフォーマンスを披露した。

ライブは休憩をはさんでの二部構成となっており、第一部では過去のレパートリーから比較的アップテンポの曲を中心に演奏、第二部はアルバム「THE SUN」からの曲のみで構成された。

ステージ後方には「THE SUN」のジャケットを模したブロックの壁が構築され、これが最後の曲となる『太陽』のエンディングで左右に開いて、暗転のあと明かりが点くと背景に青空が広がる演出となっていたのが印象的だった。

バンド・メンバーは佐野の他、古田たかし（ドラム）、井上富雄（ベース）、佐橋佳幸（ギター）、KYON（キーボード）、山本拓夫（サックス）のザ・ホーボー・キング・バンド。なお、ツアーの前半は山本のスケジュールが合わせられなかったためか、ボブ・ザングがサポートでサックスを担当した。

このツアーでは2004年10月2日の瑞穂スカイホール（初日）、10月16日の渋谷公会堂、12月11日の牛久市中央生涯学習センター、2005年2月20日のNHKホール（千秋楽）の4公演を見て、それぞれライブ・レビューを残した。行こうと思えば大宮、横浜、千葉あたりも行けたなと日程表を見ながら今思った。何しろ牛久まで行ったんだし。

このツアーに関してはライブ・アルバム「THE SUN LIVE AT NHK HALL」がリリースされた他、ツアーの模様とアルバム「THE SUN」レコーディング・ドキュメント、バンド・メンバーのインタビューなどを収めたDVD「THE SUN LIVE and RECORDINGS」も発売されている。

【音　源】

上記の通り、ライブ・アルバム「THE SUN LIVE AT NHK HALL」が2005年8月にリリースされた。当初はiTunes Storeでのダウンロードのみでの販売であったが、同年12月にデイジー・ミュージックからCDが発売されている。

タイトル通り2005年2月20日のNHKホールでのパフォーマンスを収めており、まとまった形でのライブ・アルバムとしては「HEARTLAND」「Golden Ring」に続いて3作目となる。

【映　像】

ビデオ作品「THE SUN LIVE and RECORDINGS」がライブ・アルバムに先行して2005年6月にリリースされている。収録されているのはアルバムと同様、2005年2月20日のNHKホールでのパフォーマンス。

第一部の過去のレパートリーの部分と第二部のアルバム「THE SUN」からの曲とは別のディスクに収められており、曲間にメンバーのインタビューなどが挿入されている。

また、『ヤァ！ソウルボーイ』『ぼくは大人になった』『インディビジュアリスト』は曲の途中から始まるなど一部がカットされているが、それなりのサイズで収録されているのでリストに掲載している。

【ライブ・レビュー】

サイト内でアルバム「THE SUN」の特集「Higher than THE SUN」を掲載、その中で僕が行った4か所のライブ・レビューをアップしている。